何を待つのか、駅前に佇む女
青春18きっぷでやってきた伊予西条駅。7年半前の旅でもここを起点に四国を走ったものです。
降り続けた雨は上がり、小松中央公園まで走ってキャンプします。
青春18きっぷでやってきた伊予西条駅。7年半前の旅でもここを起点に四国を走ったものです。
降り続けた雨は上がり、小松中央公園まで走ってキャンプします。
朝からどんより曇っていましたが、広域農道のトンネルを今治方面に抜けると、真っ白に輝く来島(くるしま)海峡大橋群が!
あっちは晴れてるぞ。
この美しさ!
しかも、自転車で渡れるのです。今治市サイクリングターミナル「サンライズ糸山」で詳細マップを貰い、通行料代わりのサイクリングチケット(500円)を購入しましょう。
しまなみ海道の橋はそれぞれ海抜30〜80mの標高を持つので、坂馬鹿じゃない人でも自転車で楽に登れるよう、スロープが建設されています。橋以外では既存の一般道に設定された自転車道を走る事になります。
写真右下にはキャンプツーリングの集団が見えます。
すっかり晴れてくれました。長大な橋の左右には多島海が広がり、たくさんの船が行き来しています。
これは川ではなく海です。
のどかな大島を縦断すると、次は伯方・大島大橋。料金は賽銭箱に硬貨またはサイクリングチケットをちぎって投げ入れます。二礼二拍手一礼する必要はありません。
伯方島で伯方の塩ソフトクリームを食べた後、アーチ橋の大三島橋で大三島に渡りました。眼下は鼻栗瀬戸の急流。
県境に架かる多々羅大橋は世界一の斜張橋だそうです。今回の旅で唯一、自分を撮った写真。
多々羅大橋の橋脚を見上げて。ここで手を叩くと独特な反響音が返ってきます。京都や日光の修学旅行でやったよネ? 「多々羅鳴き龍」の説明書きと拍子木まで設置してありました。
旅はいよいよ県境を越え、広島県生口島(いくちじま)に。
大林宣彦監督作品「転校生」を観た人ならあっと思うような、古びたフェリーターミナル。しまなみ海道の旅はこのへんから尾道三部作・新尾道三部作のロケ地巡礼色を帯びてきます。
向かいにはこれまた転校生で使われた住之江旅館があります。
瀬戸田の中心地。味のある細道と、島を行き交うサイクリストたち。
今治から尾道にかけて造船所が多いのですが、ここでは他の船で隠すようにして、沈没船の解体作業をしていました。怖いです。
もっと近くで撮れないこともなかったのですが、廃墟マニアでも如何ともし難いようなオーラが出ていました。
生口橋もまた、どのように撮っても美しい橋です。多々羅大橋同様、橋脚の下で鳴き龍現象が確認できました。
あるポップユニットが田舎出身だと舐められないように「ポルノグラフィティ」と自称したという逸話が残る因島(いんのしま)。最近、因島市は尾道市に吸収されました。
自転車道を外れて周遊してみましたが、東南部の漁村を繋ぐ水軍ラインは、自転車にはキツいアップダウンが続きます。
「碁聖」本因坊秀策の墓をお参りする頃には、にちぼつ。
完成当時は吊り橋として東洋一を誇ったという因島大橋。歩行者・自転車・原付は車道の下を走ります。眺望には劣りますが、JR瀬戸大橋線の気分が味わえます。
そういえば瀬戸大橋線などの駅で掛かる列車接近メロディーは「瀬戸は〜日暮れて〜夕波小波〜♪」(瀬戸の花嫁)なんですよね。
なかなか設営適地が見付からずキャンプ難民になりかけましたが、どうにか迎えた尾道市向島(むかいしま)の朝。
すると、瀬戸の向こうから朝日が昇ってきました。尾道は日の出です。
立花自然活用村のなんとかセンター。映画「ふたり」の病院のシーンです。
自転車の機動力を活かしてロケ地を巡ります。ここは「あした」や「さびしんぼう」に使われました。赤いアーチの向島大橋が見えます。
岩子島(いわしじま)海水浴場は大林映画「あの、夏の日」のロケ地。しかし興味を引いたのは奥の建物。もう長いこと使われてないようですが、再び海の家として賑わう日は来るのでしょうか。廃墟ファンの心をくすぐります。
この橋を渡ればついに本州島上陸です。歩道はよほど器用なBMX乗りでもない限り走行不可能ですし、路肩も確保されていないため、自転車は渡船利用が推奨されています。確かに交通量は多いですが、怖いという程ではありませんでした。通行料10円。
しまなみ海道の旅が終われば、さぁ聖地巡礼。
つい撮りたくなる市営バス。しぇー。
ロケ地イラストマップは大林監督の意向でわざと迷うように作られています。私もすっかり細い坂道をあっちこっちと駆けずり回る羽目になりましたが、そのぶん目的地を見つけた時の喜びもひとしお? 顔がほころんでしょうがありません。
「ふたり」で主人公の姉が事故死したシーンですが、もうさすがに花が供えてあったりはしませんでした。ここをもう少し登った辺りからの眺望も良かったです。
御袖(みそで)天満宮の階段で、映画「転校生」で性が転向するシーンに使われました。なぜかこのアングルで撮りたくなります。天候はあいにく曇りがちで、突き抜けた蒼いそら、とはいきません。
「漱」は漱石の漱ですからすぐ読めますが、「盥」はこんな漢字あったっけ?と思うようなレア字です。答えは、右から盥漱「かんそう」と読むそうです。
こちらは尾道最古を誇る艮(うしとら)神社。樹木が凄いですが、真上をロープウェーが通ります。もちろん映画にも「時をかける少女」などで度々登場します。
ここから千光寺公園なども観光したかったのですが、帰りの列車の時刻が迫ってきました。
大林監督の出身校で、「ふたり」や「あした」にも登場します。良くこんな急な傾斜地に校庭付きの学校を建てられたものだ、と感心するくらい狭いところです。
ベンチには「あの、夏の日ロケ地」とペイントされています。マキマキマキマキマキマショウ、マキマキマイタラユメンナカ…。
まだまだぜんぜん終んない、尾道のロケ地巡りです。時計をチラチラ見ても、一秒が早いな!
というわけで、のんびりと渡船の旅を楽しむ時間がなくなってしまいました。自転車込みでも70円で乗船できるのですが、残念ながら写真を撮るだけ。
この船に乗って「ふたり」のように牛乳を飲めたらハッピーだったのになぁ。
急ぎ自転車を分解、袋詰めして尾道駅のホームへ移動します。ここも「あの、夏の日」などのロケ地でした。
のんびりとしたしまなみ海道サイクリングと、慌て気味だった尾道ロケ地巡りの旅を終え、青春18きっぷで長野県へ帰ります。
明日はまた、今日よりも尾道を好きになるのです。
ちゃんちゃん。