円形分水桝跡

2021 FDG愛知ツアーSTAGE 04

フィールドディスカバリーゲーム in 三河上郷 (5時間ソロ) 参戦記

2021.11.13[]-15[月]

日記

11月13日() 峠越え 小原の里の シキザクラ
小原の川見四季桜

松本の朝は寒かったが、普通列車を乗り継ぎ岐阜県の瑞浪駅で下車すると結構暑い。ランドナーを輪行解除し、南の山の中へサイクリング。世界一の茶つぼやら美濃焼こま犬やらを経て軽く峠を越えると、小一時間で愛知県豊田市の小原(おばら)地区に入る。秋にも咲く四季桜が紅葉と競演するさまは、この世の物とは思えないほど美しい…と云うが、まだ咲き始めと言ったところ。自転車ならではの機動性を生かしつつ前洞、川見(せんみ)、紅葉の薬師寺などを回る。謎の田んぼアートはクルマだと気付かないかも。

シキザクラ・ファンミーティング

折しも、小原交流館でアニメ「シキザクラ」のファンミーティングなるイベントが始まる時間だ。一応Nアニメで継続視聴している注目の作品。青臭いがラノベめいたイキリはなく、シリアスとギャグのバランスも良くて好感が持てる。出店のケバブを食ってから入場してみると、ファンの男女で席が市松に埋まるくらい。スタッフや声優によるトーク、そして公開生アフレコが圧巻だ。会場ならではのアドリブも入り、プロ意識を感じる。東京一極集中のアニメーション業界に風穴を開けようと必死のプロジェクト、応援したい。だが終演後の物販は大行列で、欲しいけどまた今度な。

枝下駅跡

賀茂原神社も聖地巡礼し、すっかり日が傾いて来た。国道419号ではなく、なるべく川沿いに南西へ下って行く。名鉄三河線枝下(しだれ)駅の遺構などを見つつ、豊田中心市街地に着く頃には暗くなった。常宿のパークサイドホテルにチェックインし、夕食はケンさんのレバニラ定食。シキザクラに登場した文ちゃん焼きの店はもう閉まってる。メグリアで買い出しし、就寝は23時と遅くなった。

11月14日() むらづみ裏日記
スタート前

バイキング朝食を摂ってチェックアウトし、チャリ30分余りでフィールドディスカバリーゲーム in 三河上郷の会場「豊田地域文化広場」に到着。すっかり馴染みの「アプリを使ったロゲイニング」で、eスポーツを謳うようにもなっているFDG。自分は前回の鞍ヶ池ステージを所用のため欠場し、シリーズポイント戦トップ争いからは大きく後退している。今回は元々9月のイベントだったが疫病騒ぎで延期になったもの。日程がOMMと被り、男子の強豪はそっちに行ったとのことだが、最大のライバルFチームさん(男女混合)は健在。勝つのは難しい。

地図とスポット一覧をオープンして作戦タイム。意外と東側の山岳がたくさん入っており、極端に高得点が散りばめられている。自ずと前半にそれらを回り、後半は西側の平地エリアで調整する作戦となる。Fチームさんの地図に蛍光ペンを引いた作戦がチラッと見えてしまったが、やはりほぼ同じ戦略のようだ。9時30分に一斉スタート。三時間の部もあるが、もちろん五時間の部で出走している。スピードランナー達には付いて行けず、もうだめだ。

明治用水頭首工の水源橋

2つ目、36番スポット「竹村三角点」は最短距離で行くと通れない罠ではないかと勘ぐり、わざわざ西側から回り込んでみたが徒労であった。ここでFチームさんに1分の先行を許す。17番スポット「渡刈駅跡」…こういうの大好きでつい余計に写真を撮ってしまう。今日は観光は控えめにな。86番「豊田大塚古墳」は見つけづらく、両者同じ袋小路に入って引き返したあとFチームさんは東へ、私は西の路地から戻ってくる他チームを見てそっちへ行き正解。ここで大きく逆転する。後ろから追ってくるだろうと思うと却ってプレッシャーだな。

後日大規模な漏水事故が起こりニュースとなった明治用水頭首工の水源橋を東へ渡り、100番「玄野2号墳」はマラソンシューズでは厳しいトレイルのアップダウンだった。巴川沿いの寂しい道を遡っていると、道端にミッフィーのぬいぐるみが棄てられていて、可哀想で胸が張り裂けそうになる。南へ岡崎市内に入り、25番「七神宮鳥居」はカンが合わずぐるぐる探してしまった。トイレにも寄っている間に、Fチームさんに一気に差を詰められる。

村積山の毒石

必死になってトレイルを逃げ、標高257mの村積山(むらづみやま)に裏から登ってきた。257番スポット「毒石」は似た石囲いが近くにある引っ掛け問題で、うっかりそっちの写真を送信してしまうと257点がフイになる。私は猿投ステージでやらかしたので、慎重に見比べるようにしているから大丈夫だ。展望台に寄る暇はなく、危なっかしい石段を降りて一旦人里に戻る。

三たびトレイルに入り、92番「岡崎自然体験の森」を目指す…が、地図にはない分岐がある。どちらが正解なのか、空に見えるはずの送電線もなく、疑心暗鬼に陥り行ったり来たり。後にして思えば正解の道に入っていたのに「ここは違う」と思い込んで、無駄に右往左往してしまった。行き違ったFチームさんが正解の方へ向かっている間、私は「どこここ、なんで!?」と絶望していた。素直に後を付けるべきだった。

天神橋から

コンパスを便りに何とかリロケートして、必死に追うも後の祭り。一応「ここらで半分」という当初のタイムスケジュール通りに進んではいるけれど。おまけに29番「岩津城跡」でも意外と奥にある石碑をなかなか発見できず、土塁上をぐるぐるして万事休す。タイムロスはここが一番大きかったかも知れない。矢作川を天神橋で渡り西の平地エリアに戻ればもう地図読みは間違いようはないが、46番「小針古墳」のピストンで、どこか1ヶ所多く取ってきたと思われるFチームさんとすれ違う。安城市に入って北へのルートをまた必死に逃げるが、ぐいぐい背後に迫ってくる。ああ、走力でも完全に負けてるな…。45番「津島神社」でとうとう追い付かれるが、彼らは勝利磐石の横綱相撲という事か、そのままフィニッシュに向かったようだ。

私はせめて一矢報いたい。強引に26番「円型分水枡」を取りに行き、あわよくばもう一ヵ所…は無理だ。こんな長距離を走るのは7月のFDGin猿投以来だし、へばってスピードの出せない脚で必死にもがく。「最後に僅かでも近道を」と進んだ道が行き止まりで、用水路沿いの狭い藪を強硬突破し豊田地域文化広場に帰還。アプリ操作に手間取ったら間に合わないというタイミングだったが4時間59分50秒、制限10秒前に無事フィニッシュした。多くの時間帯で前か後ろにFチームさんが見えているという異例のロゲとなったが(プランニングにもう一捻り欲しい)、その緊張感がぎりぎりセーフに繋がったとも言える。走行距離47.6km、標高差積算520m(推定)。

走行ルート

すぐアプリ上で勝敗が判る。やはり、負けたのだ。違いは南東の高得点54番スポット。私は仮に順調だったとしてもそこを取りに行く発想はなかった。臨機応変でいいや(要するに行き当たりばったり)というフォーク作戦では、後半の距離をきっちり計算して「行ける」と判断出来たチームに、戦略面でも戦術面でも勝ち目はなかったのである。1672対1644、この28点差には大きな実力差があった。

なお、やはり男子カテゴリは他に目立った成績なし。ちょっと男子ぃ~? よくお話しするIさんYさんのチームはしっかり山を取りに行って混合二位をゲットしている。私もカテゴリ別なら優勝で気分は悪くなく、笑顔で表彰式を受ける。出店の唐揚げ丼を食ってまったりしていると、FDGを主宰する竹内さんからこれからの野望を少し聞けた。今年は愛知シリーズだが来年は東海エリア、そして全国を目指すという。楽しみだ。

奮闘努力の甲斐もなく今日も涙の日が落ちる

心身ぼろぼろだったなら家路を急ぐ予定だったが、着替えはもう一泊分持ってきた。スマホで激安ビジホを急遽予約。せっかく愛知に来ているんだから、もうひとつやりたい事がある。さすがにこの脚でジョギングは無理だが、サイクリング巡航は可能。本業(趣味)が自転車旅行だからな。やたら重い優勝賞品をフロントバッグに詰め込んで、ちょっとだけキャノンボール気分で国道1号を名古屋熱田まで走る。途中コメダでピスタチオシロノワールを食いつつ、エクセルインにチェックイン。「おクルマですか?」と聞かれ自転車ですと答えると「部屋まで自転車を入れても良いですよ」とのこと。これは嬉しい!

11月15日(月) 巡礼するなら多治見市も
イオンモール名古屋則武ガーデン

さすがに全身疲労で寝苦しかったが、ホテルの朝食で元気いっぱい。のんびりと熱田神宮の社叢を散歩してから、チャリで名古屋駅を通り過ぎてすぐ、オープンして間もない則武(のりたけ)ジャスコに到着する。なんだこのお洒落な外観は! テナントも一風変わっていて、悔しいけどここはジャスコじゃなくてイオンモールって言うべきなのかも知れない。とりあえずタコスを食っとく。

満天NAGOYAデモ映像

お目当てはコニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYA。LEDドームシステムという中国の最新技術が日本初上陸とのことで、早いうちに自分の目で確かめたかったのだ。要するにドーム全体がディスプレイとなっている「ぼくがかんがえたさいきょうのプラネタリウム」。開演前のデモ映像でもプロジェクタ式とは一線を画するくっきりとした明暗性能が分かる。平日の昼にも関わらず席はだいぶ埋まり、岡田麿里脚本「Dog Star 君と見上げる冬の星座たち」が始まる。

だが、明る過ぎるが故の課題もあるようだ。その強烈な発光が逆にドーム全体を照らしてしまい、暗くあるべき部分が浮いて画素配列が目立つ。それに、星空シミュレータとしては最新の光学式投影機にシャープさで及ばない。正直、コストの割には…と思う。番組はマリー脚本的な生臭さは控えめで意外に良かった。全天の2等星で一番明るいアダラという星にまつわるお話。帰ったら星の勉強をし直そうと思うくらいだ。

古虎渓付近

チャリに戻り、信号だらけの名古屋市街を何とか東へ抜ける。中央本線の快速がいつも通過する定光寺、古虎渓あたりはどんな感じなのか、一度走ってみたかったんだ。定光寺の廃ホテルには萌えるが紅葉には早く、狭いトラック街道は非常に走りづらい。ジョギングで通るよりはマシか。岐阜県に入り「やくならマグカップも」の聖地多治見市役所と冨士アイスじまんやきに寄って、多治見駅から輪行で帰る。三日間、自分の趣味ならではの旅路だった。

すぐ三週間後にFDGin蒲郡がある。今回の反省点を十二分に活かせば、負けが確定した訳じゃない。

結果

ロング5時間の部 公式リザルトより
獲得得点 1644/2000 (最高点1672, 最少点32)
獲得スポット数 31/47 (最多タイ, 最少2)
フィニッシュタイム 4時間59分50秒
男子順位
(チーム・ソロ同カテゴリー)
1位 (/出場19組26名中)
総合順位
(女子、混合、シニア含む)
2位 (/出場38組66名中)
※他にスタンダード3時間の部142名参加

リンク

Iさん提供、表彰式の写真
中村良大Facebookアルバム: フィールドディスカバリーゲーム in 三河上郷2021
通過した全スポット証明などの写真アルバム。
フィールドディスカバリー公式
愛知からやがては全国へ?

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