実家転居に伴う混乱が落ち着き、ようやくトレーニングを再開したところで右足首を痛めてしまった。体重も高止まりしているなど、やや情けない状態でイベントの週末がやってくる。求職活動中の分際でお金をじゃぶじゃぶ使えるはずもなく、往路は東京から普通列車での東海道線。三島駅でのっぽパンを食べて、ここからも長いがスマホゲームをする時間が確保できれば良い。豊橋から名鉄本線の快特で1駅、東岡崎駅に到着。岡崎の中心市街地に一番近い駅である。岡崎といえば巨人軍背番号5の体躯か、冬季オリンピックの朋美スマイルを連想するが、全然関係ない。
小雨が降り始めている。乙川河川敷でイベントの準備作業を眺めていると主催の竹内さんに見つかり「明日、打ち負かして!」と激励を頂く。今回トレーニング不足で申し訳ないが、今使える力を出し切ってこの街を誰よりも楽しみたいところ。今日は散歩で岡崎城へ。昨年ベストアニメの一つ「シキザクラ」の聖地なのでテンション上がるわ。もたもたして資料館などは閉館してしまったけれど。せっかく岡崎に来たので、釜春本店で八丁味噌煮込みうどんを頂く。コシのある切れない麺と濃厚な味噌。塩分補給はバッチリだ。夜はビジネスホテルながらアンティーク感のあるオーワホテルに泊まる。誕生日と同じ部屋番号なのは、そういうサービスなのかしら。
ホテル15階が朝食会場で、今日のフィールドを一望する景色が素晴らしい。太陽も顔を出してきたし、気持ちの良いランニングができそうだ。軽い頭痛はいつもの事、FDGアプリの体調入力は4/5とする。もういちど岡崎城をぶらぶらしつつ、フィールドディスカバリーゲームin岡崎乙川の会場へ。前回蒲郡ステージよりは暖かいが、風が強いのと少々の泥濘(ぬかるみ)が気掛かり。
配布された地図を合図で一斉オープン。概ね予想通りの範囲で、「の」の字形に大外を回るスタンダードな戦略で良いだろう。後半に突入することになる東の山岳地帯に一抹の不安があるけど。9時30分スタート。始めゆっくりのつもりが、最初に16番スポット「徳川家康公騎馬武者像」に向かう参加者の中ではトップで到着。地図読みの精度は好調で、南へ進み74番「竜美ヶ丘公園展望台」から西へ降りる近道を首尾よく発見し、以降は一人旅となる。矢作川の橋は強い向かい風で、ソロ参加の不利を存分に受ける。ともかく帽子を飛ばされないように外して渡る。帽子は良いけど地図が飛ばされたら大変だ。
足首をかばうようにスピードを抑えつつ、83番「妙源寺柳堂」に到着。さてFDGアプリで写真を撮れば得点になるのだけど、スマホを握り込んでいたら電源ボタンを長押ししていた。ウカツ!・・・再起動、アプリ立ち上げ、GPS把握にえっれー時間をロスしてしまった。前半に痛恨のミス、これはスピードを抑えている場合ではないぞ。急ぎ矢作川の東へ戻り、64番「大樹寺三門」へ。徳川家康を扱った小説で登場したので是非来てみたかったが、今は競技中なので門を撮るだけだ。
「ここまでは普通のロゲイニングじゃん」と思いつつ、5時間制限の半分が過ぎて東側の山岳地帯へ突入する。のっけから道が不明瞭になり、ロストしかけた。コンパスを頼りに藪を漕ぎ漕ぎどうにか広い所に抜けたが、崖と私有地の柵に阻まれ右往左往。タイムロスが大きく、頭が大混乱してまたもロスト。変な道へ進みかけたところで、行き合った参加者に(94番「田口町のてんぐ岩」は)「そこにありますよ!?」と教えて頂いた。助かった、10分くらい得をしたかも。
さらに南へ向かって、不明瞭どころか泥濘の谷に嵌まり込む。「シューズを泥だらけにしちゃったら帰りの新幹線に乗れないじゃないの」なんて意識が余計敗色を濃くする。山を巻こうにも藪で進めないし、引き返すべきと思いつつ、もうちょっと進むと広い沼地に出た。かつて小串鉱山で遭難しかけた悪夢の光景に似ている…と脳をよぎるが、向こうから三人組がやって来た。抜けられるんだ!! さっそく情報交換・・・進むも地獄、戻るも地獄か。結局彼らは諦めて引き返すらしい。それが賢明だと思う。
全然普通のロゲイニングじゃなかった。こんなに廃道探索をご用意して頂けたなんて、面白すぎる(後で聞いたらあまり調査していなかったとも)。けれど予定時間を大幅にオーバーし、終盤の大幅なエスケープは避けられない。とりあえず最高点98番「平松山」ピストンに掛かると、また不明瞭なトレイルでロスト。山頂がスポットなので、ここは強引に崖ヤブをよじ登れば良い。下山はちゃんと遊歩道を進むが、膝を岩に強打!グワーッ!しばらく走れなくなる。
もう完全に撤退戦だが、次の48番「小呂神明社」に向かって一矢報いようと無理に近道をして、またヤブ道を彷徨い傷口を広げる。「走る、滑る、見事に転ぶ」の繰り返しでぼろぼろだし、いよいよ脚が言うことを聞かなくなってきた。それでも、我々市井の一般人が冬季オリンピック等を観戦して得られるものって、例えば「最後まで諦めない姿勢」なんだよね。残り時間ぎりぎりまで使うルートを計算して街中のスポットを稼ぎ回り、制限2分前にフィニッシュ。ああ、楽しかった。
I神さんY本さんも無事フィニッシュしており奮戦を労い合いつつ、シューズの泥をホテルの歯ブラシで落とすなど身支度を急ぐ。出店のチキンサンドを注文したところで閉会式が始まった。ファミリーの部などを表彰しているうちに急いで食う。結果は男子3位。また女子トップの少佐(と勝手に呼んでいる方)にも抜かれて総合4位に終わった。得意だった5時間競技で自己ワースト記録となったが、副賞を持ち帰れるし御の字じゃないかな。足が治ったらまた走力を付け直して、山でロストしないスキルを磨きつつ上を目指したい。優勝者のインタビューによればやはり同じ場所で嵌まったらしくシューズも泥だらけだが、私よりは上手く抜けたんだろうな。
FDG2021シリーズ戦のチャンピオンを争うFチームは連戦疲れらしく奮わずだが、圧倒的点差は大して縮まってない。それどころか二位の座すら怪しくなってきたところ。竹内さんに「楽しかったよ!」と挨拶して会場をリーブ。日曜なのに何故か東岡崎駅の土産屋が閉まっており、豊橋駅で坂角えびせんべいなどを購入。ひかりの速さで東京へ帰る。岡崎市、またゆっくり訪れたい。
獲得得点 | 1232/2000 | (最高点1511, 最少点217) |
獲得スポット数 | 27/47 | (最多32, 最少8) |
フィニッシュタイム | 4時間58分12秒 | |
男子順位 (チーム・ソロ同カテゴリー) |
3位 | (/出場26組38名中) |
総合順位 (女子、混合、シニア含む) |
4位 | (/出場54組87名中) |