通過市町村のマンホール集

巡礼のみち 先人の祈りに触れる走り旅

ウルトラオリエンテーリング・元善光寺-善光寺 (176kmソロ) 参戦記

2021.5.14[金]-16[]

日記

5月14日(金) 距離的にありえんオリエン
飯田駅

『ウルトラオリエンテーリング・元善光寺-善光寺』コースプロフィール176km、累積標高3,020m。・・・「そんなの絶対無理!」と思って当初はエントリーを見合わせていた。だが「これに出ておけば長野県のマラソンイベントに思い残す事は無いだろう」と、だいぶ遅れてエントリー。以来、100kmレベルのジョギングを繰り返すなど出来る限りの準備はしたつもり。ツーリングを楽しんでいただけとも言う。

さてレース前日、昼食後に体温を計測したら37.0℃で、私にしてはかなり高い。二日前からのカフェイン断ちによる頭痛も残るし、やや不安ながら自宅を出撃する。JR松本駅から岡谷経由、飯田線の普通列車で南へ南へ。他のウルトラオリエン参加者らしきの姿も見られる車内、だいたいスマホで遊んでいるうち飯田駅に到着する。本町のキラヤスーパーで明日の朝食を買い出しし、さらに公園で時間を潰したあと、夕食は満津田で牛焼肉丼を頂く。飯田に来るといつもここ。今場所は三段目スモトリ・満津田の調子も良さそうだ。

準備メモ

駅近くのシルクホテルアネックスにチェックインすると、やはりここは他の参加者らしきが多い。さらにロビーで大会運営のKさんMさんYさんに遭遇。この疫病騒ぎのご時勢で、多くの方が出場を辞退されたと聞く。あと優勝候補と目していたGさんも辞退されたとのこと。いや、辞退じゃなくて体調不良だろうな…。彼の参加資格で四年前の日本ロゲイニング選手権(24時間)にチーム出場できたから、私はこのウルトラオリエンの参加資格を得ているわけで、重要な戦友だったのだ。明日は誰を追ってレースをすれば良いのか。

フラスク塩水などの準備をして、21時過ぎに就寝。あまり寝付きは良くない。

5月15日() 吠えろツイン善光寺
受付と最初の地図

4時前に起床し、おにぎりやパンといった朝食と、FDGみよしの賞品にあったUTAサプリの試供品を摂取する。体温は36.3℃まで下がっているし頭も冴えている。混雑が心配されたチェックアウトも滞りなく、飯田発5:00の電車で会場へ向かう。スタートに間に合う公共交通機関はこれしかなく、ざっと60名が乗り込んでいて、つまり参加者の大半である。ツイッターに「この戦争が終わったらMac miniを買い換えるんだ」と書き込む。競技中のスマホ使用は禁止されていないけど、次のツイートはフィニッシュしてからだ。10分で元善光寺駅に到着し、まずは寺の階段を登り本堂に手を合わせる。アイサツは大事。古事記にもそう書かれている。

受付で第2エイド(箕輪)までの地図セットと専用GPS端末を受け取る。このGPS情報はWeb公開され、誰でも観戦できる仕組みだ。フィニッシュ会場行きと第3エイド(松本)デポジット用の荷物を預けたら、しばらくやることはない。知り合いとか居ないし、ボケーッと序盤の地図を眺めてみるだけ。「コース係員の要らないウルトラマラソン」としてオリエンテーリング形式を採っているだけだから、地図読み要素なんてあまり無いだろ…。予習も一切してないよ。その地図はビニールパックされたものがまとめてチャック付きポリ袋に入っており、雨が降っても安心だ。今日は晴れ予報だが、明日は怪しい。やがて全員集合し記念撮影。

スタート前

午前6時、辞退された方々に申し訳ない気持ちを残しつつ、でも待ち焦がれたスタートの刻を迎える。万難を排して開催に漕ぎ着けたスタッフさんに感謝、またスタートが切れただけでもう自分を褒めたい。さてこのレースは、地図上で指定されたコントロールと呼ばれる特徴物を、制限36時間で順番に写真撮影していくルール。フィニッシュしても全58ヶ所の写真が撮れているかのチェックが待っている。夜間通過のため写真が撮影できていない場合はGPSトラッキングでの救済措置もあると言うが、ミッションは完遂したい。とりあえず自分の順位が分かる位置でレースを進めたく、70名出走のうち一旦4番手に落ち着く。

ところが二万五千分の一スケール地図にまだ慣れていない先頭2名が次々と、最初のコントロールを500m〜1kmオーバーランして引き返しを余儀なくする。この時点で2番手に付け、さらに「前の選手が次の分岐で間違えないかなー?」と、足音を消すためにわざと少し距離を置いて追う。期待通り分岐を見逃して、あらぬ方向へ走り去って行った。ちょうどクルマが通り掛かったスキに、そのロードノイズに紛れて私は正しい方向へ進む。

…俺がトップじゃん。まぁちょっとだけ良い気でいさせてくれや。河岸段丘登りに入り、私も分岐を100mほど間違え、やはり追い抜かれるのだが。上片桐駅手前で列車接近を察知して猛ダッシュ開始、踏切が鳴り出したが勢い渡る。1位の人が私を振り返り「ああっ(やりやがった)!」と声を上げるが、止まれなかったから仕方がないね。でもこういう無駄な出力が後で尾を引く…。6番コントロール「延命地蔵尊」は写真見本とだいぶ草木の生え方が異なり、撮影後しばらく走ってから不安になる。引き返して再確認、ヨシ! 3位に落ちるが、176km走っといてDSQ(失格)は避けたい。そんな不安を引きずったまま走れない。

駒ヶ根高原光前寺

与田切川に降りて20km地点の第1エイド(飯島)へ。ルールブック上は通過不要で、1位の人は当然とばかりにスルーしていったが、私は「貰えるものは貰っておこう」とピットインする。ところが現場では通過必須の判断で、1位の人を大声で呼び戻している。その混乱に乗じて私がトップ到着になってしまった(1人どっかで迷ってるっぽい)。念の為トイレに寄るなどして、また遅れをとるが・・・ここまで上位争いを演じてしまって、「La victoire est à moi(調子に乗んな!)」って方が無理じゃんね。かかり気味になって登り坂も抑制せず、駒ヶ岳SA付近の9番コントロール「青年海外協力隊訓練所」からはとうとう単独トップに躍り出る。ちょっとしたトレイルを経てもう善光寺…ならぬ光前寺、境内はマスクをしてあるくルールだ。吠えろ霊犬早太郎。こまくさ橋を渡り北へ、宮田村あたりは中央アルプスヒルクライムで聴いた村のイメージソング『心をこめていつまでも』が脳内をリピートする。

伊那市沢渡付近

南からの追い風は助かるが、いよいよ晴れて暑くなってきた。暑さに強い私でも辛く感じる位だから、これは相当数のリタイアが見込まれるサバイバルレースの様相だ。さて伊那地方の国道や県道は狭くてランニングには不適なので、配布地図には交通量の少ない推奨ルートを示すピンクのラインが引かれている。またその道を通らせるためのコントロール配置になっている。これが案外複雑で、ロゲイニング慣れしてないと心が折れるであろうレベルだ(地図が読めずに、他の人の後を付けるしかなくなった選手もいると聞く)。私はもう間違えようがなく、すっかり背後に選手の気配がなくなった。ここは中村家のふるさと伊那市、なんて意外な展開なんだ。あまり頭が疲れないように、ずっと真っ直ぐで良い道とかはあえて地図を見ないで心を休める。おっと、なるべく全ての通過市町村でマンホールを写真に撮るという遊び心は忘れない。ルート上に飲料の自動販売機が少なくて悩ましい。パチンコ屋のでいいや…。

伊那谷特有の田切地形によるアップダウン、わざわざ西端の羽広観音へ登らせてくれるコース設定、暑さと給水不足にじわじわダメージを負いつつ63km地点の第2エイド(箕輪)に到着。普通に考えればここまでの距離だって果てしないものだ。昼12時以降に通過する選手はヘッドライトの点灯チェックを受けなければならない。ってトップの私が49分オーバーしてるんだから全員じゃん。強豪たちのDNSもあるけれど。ここから第3エイド(松本)までの地図セットを受け取り、荷が少々重くなる。エイド食はハッピーターンやカントリーマアムといった喉を通りそうにないものばかりだが、なるべく口に押し込む。贅沢を言えば塩おにぎりか、せめてバナナでもあれば…。配布スポドリもカロリーオフタイプなのが残念。小さい羊羹2個を補給用に持ち出しリスタートする頃、Y選手が到着。「地図を持つ手が疲れるね」などと会話を交わすが、私にはすっかり余裕がない。ガチな人は私みたいにエイドでだらだらしないから、すぐに追い付かれるだろう。

辰野町小野付近(公式より拝借)

案の定、24番「円筒分水槽」付近でひたひたと追い付かれ、25番「双体道祖神」で一気に追い抜かれる。「くじけりゃ誰かが先にゆく あとから来たのに追い越され♪」と水戸黄門のテーマが脳内リピート。ハナから勝てるとは思ってないが、ここまで本当に良い夢を見させて貰った。相手ももう地図読みに慣れてる頃だし、読図による逆転は望めない。それより自分自身の問題として、競走馬ツインターボばりの「大逃げからの逆噴射」が始まる。辰野町の西端に引かれた推奨ピンクラインはアップダウンが多く、国道を走った方が良いかも。ただ自分の順位が分からなくなることを嫌って、ここは素直に従う。馴染みの名水「徳本(トクホン)水」が27番コントロールになっているので大量に飲み、水分不足は解消するが今度は圧倒的カロリー不足に悩まされるようになる。朝食までに摂ったエネルギーはとっくに使い果たしており、道中わずかのエイド菓子と限られたエナジージェルをちょびちょび摂っているだけでは足りるはずもなかった。事前にちゃんと計算をしていなかった私が悪い。時々撮影に来てくれる公式カメラマンHさんに弱音を吐くようになる。

元善光寺-善光寺176km走行ルート

ルートは初期中山道・牛首峠へ大きく西に迂回する。暑さのピークは過ぎたがとうとう歩き混じりになり、喉を通らないカロリーメイトを少しずつかじりながら峠を目指す。祖母の実家N宅を過ぎたら熊鈴を装備。去年近くの蛇石キャンプ場で実際熊に遭遇したから、コワイ! これだけペースダウンしても後ろから選手がなかなかやって来ないのが不思議、みんな辛いんだろうか。牛首峠を過ぎて下り坂は快走したいが、エネルギー不足でままならず。中山道桜沢まで降りれば、この先どこにハッピードリンクショップがあるかも熟知しているルートなので水分不足の心配は無い。早速みつけて、弾けるレモンの香り・ポッカレモネード!…ウカツ! これカロリーオフタイプじゃん。人工甘味料なんかこの世から消えて、無くなれ! 日出塩駅のトイレに寄り、とうとうコンビニにも寄ってパルムアイスとタピオカミルクティーを摂る。お腹いっぱいじゃないと走ることも歩くことも出来ないという真理を知る。3位転落。

洗馬宿の35番「旧善光寺街道起点」から善光寺街道(北国西脇往還)に入る。イベントの素案ではここがスタート地点だったと聞く。コントロール間隔が伊那谷よりだいぶ長くなり、ペースダウンも相まって時間が掛かる。変電所地帯で18時を告げる防災無線チャイム「夕焼け小焼け」と「ふるさと」がダブルで流れる。広丘の街に入ると、この大会を知っていると言うジョガーに声を掛けて頂く。嬉しいけど心に余裕が無い。ああ、明るいうちに松本に到着したかったなぁ。もうだいぶ暗くなってきたなか、村井から出川までピンクラインがえらい複雑。ツルヤスーパーやアルピコGSに行くとき良く通るし勝手知ったる抜け道だが、この時間は踏切の通過も避けたいところ。とうとう運営に反逆して、分かりやすい国道・県道を進むことにする。平田付近で混合チームの方とエンカウント。と思ったらリタイア済で電車ワープして来たっぽい。カフェインドリンク解禁としてメッツコーラを呷りつつ午後8時に松本城北、114km地点の第3エイド(松本)に到着。タイム的には事前イメージ通りだがペースの落ち込みが激しすぎる。いつの間にか2位に返り咲いているけど、これも風前の灯火だろう。とりあえずスープと菓子を少々頂く。

まだリタイアはしないよ。ヘッドライトの他にスマホのバッテリーチェック、予備バッテリー所持チェックも受けて、フィニッシュまでの地図を貰う。ここまでの地図はフィニッシュ会場行き荷物に預けよう。デポジットしておいた荷物中のエナジージェルは、今にして思えば用意が少ないけど仕方ない。半袖Tの下に長袖Tを着こみ、仮眠は取らずに20分ほどで出撃。ちょうど3位の人がやって来る。

刈谷原峠入口

北へ緩い登り坂。このへんは自宅から500mの位置だし帰ろかな、帰りたい、おふとん夢の中…。ここまで走っておいてまだ帰宅できないクレイジーレース。齢四日目の月が沈み真っ暗な林道の防獣柵を越えて、未舗装の山道を行く。コワイ! トップの選手が一番怖いだろう。刈谷原峠まで完全に歩き。下り坂もとうとう走れなくなり、眠気で目の焦点が合わずふらふら歩き。やはり私はここまでの男だった。挫折感に打ちひしがれながら次々と順位も落ちていくが、自販機前でコーヒーナップ(小仮眠)をとり、歩けるようにはしておく。そうすればいずれゴールに着く。さすがの星空もあまり観察する余裕は無い。肝心のコントロール撮影は、スマホの弱々しいフラッシュでも何とかなっている。

5月16日() これが諦めないってことだあああ、オリエンテイオー!
立峠登り口

いつの間にか日付が変わり、地獄の立峠に入った。山の中は松の花粉だろうか、ヘッドライトの光にずっと大量の粉が照らされている。喉がいがいがするわ。「山に体を立てちゃいけない、体を沿わせるんだ」という格言?を思い出しつつ、ふくらはぎが死ぬのではと懸念していたトレイルの急登は案外大丈夫。だが大腿四頭筋?の踏ん張りが効かず、坂を下るほうが困難になる。急坂の遊歩道より車道を迂回せざるを得ない。道端でへばり込んでいると、ロゲのライバルBさんが追いついてきて「トレイル、ソロじゃ寂しかったな」と。これでとうとう4位転落つまり入賞圏脱落だが、そんな事を考えている場合じゃない。この調子だとフィニッシュ14時頃か。あわよくば未明にフィニッシュしたい、とかレース前に考えていなかったか?

もう一つ中ノ峠を越え、命からがらの気分で137km地点、最終の第4エイド(西条)に到着。メンタルもすっかりやられているのか、私にしてはスタッフさんとべらべらしゃべる。ずっと起きているのかと聞くと、交代で仮眠を取りながらやっているとのこと。喉を通る分だけの菓子を頂き、最終区間への旅立ち。入れ替わりで来た選手にもすぐ抜かれるさ。

猿ヶ馬場峠・聖湖

自己最長距離は富士五湖ウルトラマラソン112km、あるいは日本ロゲイニング選手権(24時間)の132kmなので、もう完全に未知の領域に入った。2km区間だけ走れたが、歩きに戻る。もう一度道端で数分の仮眠を取り、麻績へはまた推奨ルートと違う道を通る。草木も眠るウシミツ・アワー、国道にほとんどクルマなんか来ないしね。やはり「ガッタリ」が46番コントロールとされているあたり、プランナーの遊び心を感じる。まぁとっくに心は折れてるよ。村のコンビニは寄らず最後の山場、猿ヶ馬場峠へ。他選手がロスト気味でうろうろしており、もう争う気はないので協調して進む。と思ったら私がちょっと間違えちゃった。知ってる道でも夜間は難しい。徐々に空が白んで、聖湖に登り着く頃には朝になった。ヘッドライトをしまう。

川中島町原の茶屋本陣跡

下り坂がますます踏ん張れなくなって、また遊歩道ではなく遠回りの車道を選んだりもするが、休んではよろよろ進むを繰り返す。他の選手に「膝?」と聞かれるがどう答えて良いのか分からない。「もう、下れないんです…」。こんな山中でリタイアすることもできず、ベストを尽くすしかない。ちょっと後ろ向きに歩いてみてはバカバカしくなって止める、も繰り返したり。気の遠くなるような長い時間を掛けて、やーっと桑原集落へ。下り坂はあとちっとだけ続くんじゃ。梅雨の訪れを告げるような本降りの雨になり、ウインドブレーカーを着込む。昨日とは真逆に低体温症の心配が出てきた。稲荷山のコンビニに寄りコッペパンを購入すると、なんだ、ちゃんと喉を通るじゃん。こういう食事がずっと必要だったんだ。よっしゃこれで走れ・・・ない。右足裏に激痛が走る。いつの間に、筋に重症を負っていたのだ。痛い、痛い、実際痛い。雨による靴濡れでアイシングされていなかったら、気絶もんだ。日焼け止めも流れちゃってるし、晴れて暑くなるよりは遥かに良い。それにしても激痛が収まらない。耐えられなくなったらリタイアな。

長野善光寺フィニッシュ

「とうとう地図に長野駅が見えてきましたよ!」と嬉しそうな他選手。彼なりにここまで至ったドラマを感じ、私も少し前向きな気持ちになる。そう、諦めちゃいけない。女性トップらしき選手(混合チームの方)にも抜かれつつ、丹波島橋で最後のエネルギー補給としてコンビニで買ったインゼリーを投入。最終58番コントロール「観音寺」まで無事撮影を完了し、駅前からの参道はマスクを着用。雨はほぼ止んだが今日は妙に頻尿だし、顔を洗ってからフィニッシュしたい。ショッピングプラザagainのトイレを探しているうちにまた順位を落とす。善光寺信号直前で無理に走って1人だけ抜き返す。ここからは走行禁止でほどなく駒返橋、176kmフィニッシュ地点に午前11時23分37秒。つまりタイム29時間23分37秒、全体12番目での到着となった。記念撮影には笑顔を返すが、無心に近い。「ああ、やらかした…!」。

徳寿院という宿坊に移動し、手すりを命綱にゆっくり二階へ上がる。スタッフさんに全コントロールの写真確認をして貰い、完走証として元善光寺&善光寺の御朱印を受け取る。DSQにならなくて良かった。畳を汚さぬようビニールを敷いてから座って菓子を頂いたり、結果報告のツイートをしたり。左足の血豆に注意しつつシャワーを浴び、眠くならないうちにリーブ。改めて善光寺本堂にお参りすると、ようやく涙が滲んでくる。ここ数ヶ月は甲斐善光寺・関善光寺・元善光寺・善光寺東海別院・岐阜善光寺・善光寺大勧進・善光寺大本願そして長野善光寺(ようするに元善光寺サイトのリンク先すべて)を巡り「完走できますように」と手を合わせてきた。完走というか完歩になってしまったが、ついに成就できたんだ。「ありがとうございました!」

完走証(元善光寺&善光寺御朱印)

公式カメラマンの激務をこなし続けているHさんにも別れのアイサツをする。「聖湖で1時間仮眠するつもりが3時間寝ちゃったよ」というこぼれ話も。ともかくこの二日間が楽しかったのは彼のおかげさま、おかげさま。長野駅までたいした距離じゃないが、もうほぼ歩けないので路線バスを利用する。乗り降りも心のなかで絶叫しながらだ。さらに駅のエレベーターを使うなんざ、9年前の群馬遭難時以来かも知れない。すっかり空腹だが、ここで食べると寝てしまいそう。電車で松本駅に戻ってから、モスバーガーで1,400円の豪食とする。駅前からバスで帰宅…ここのバス路線を使うのも9年前の事故骨折以来。

最初の計測区間であるスタート〜箕輪エイド63kmが6:49'でトップだったにもかかわらず、最後の西条エイド〜フィニッシュ39kmが9:53'という全完走者のなかでワーストの区間記録を叩き出してしまった。敗因をまとめると、大逃げからの逆噴射という無謀ペース、圧倒的カロリー不足、大腿四頭筋の力不足、右足裏の謎故障(足底腱膜炎?)はストレッチ不足か。完走率47%というサバイバルレースの中でいちおう完走できた勝因をまとめると、特に前半の地図読み(自分が一番短距離で済んだのではないか?)、暑さ耐性くらいか。まぁとにかく経験不足。かといってこれから経験を積もうとか、今はそんな気分じゃない。足が治ったところをこのレースのゴールとしたい。新しいMac miniの注文もそれからだ。(後日、無事購入。)

結果

公式競技結果より
記録
(176km, 累積標高3020m)
29時間23分37秒
(実走177.3km)
(最速者24:04'14", 最終完走者35:35'18")
男子順位
(チーム・ソロ同カテゴリー)
11位 (完走23組23名/出場40組42名/申込53組56名中)
総合順位
(女子、混合含む)
12位 (完走31組33名/出場58組70名/申込77組92名中)
※距離は大会プログラム上で175km, 175.4km, 175.9km, 176kmと表記ゆれあり。ほとんどの人が180kmオーバーしたとも云われる。

リンク

闘い終えて(公式より拝借)
中村良大Facebookアルバム: ウルトラオリエンテーリング・元善光寺-善光寺2021
通過した全コントロール証明などの写真アルバム。
ウルトラオリエンテーリング公式
2015年より毎年1〜3回、長野県内で実施。今回はダントツの長距離。

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