つくばエクスプレスと東武野田線を乗り継いで、千葉県野田市の川間駅で下車。小径自転車カラクルSを組んで、手製マップ台もここで取り付けておく。冷たい小雨のなか北へ急ぎ、江戸川サイクリングロードを走っていると、ロードバイクが颯爽と抜いて行く。やはりスピードでは全く敵わないか…。
野田アウトドアスポーツフェスタ2023の会場、河川敷の関宿滑空場では総合開会式が始まっている。スカイスポーツ、カヌー、そして自転車の祭典であるが…体感温度が真冬並みという寒さだ。集まった自転車60台ほどが何をするかって言うと「せきやどチャリロゲ」つまりサイクルロゲイニングだ。妙なアプリとか要らず、CPの写真を撮って来れば良い。あと、自転車イベントにしては(保険加入義務があるくせに)珍しくヘルメット着用義務が無い。まぁ安全衛生面で言えば泥除けの方が大事だしな。ただ、交通ルール・マナーについての啓蒙はやらなきゃ駄目だと思う。
例年は野田市サイクリング協会が主催する有料行事らしかった。今年は野田市主催フェスタ内の1部門という立場のせいか参加費無料。50名を超える申込数の場合抽選のはずだったが、60名ほどなら全員OKとされたようだ。受付が済めばもう地図は開いてオーケーで、見てちょっとびっくりした。作図はプロ仕事のしっかりしたものだが、フィールドはほぼ旧関宿町内に限られている。3万分の1という慣れない縮尺ながら、一見して「2時間ほどで全部取れてしまうのでは」と判る。競技は三時間なので満点者続出だろうし、各CPの点数は意味をなさない。どう回ろうが、最終的に全部取ればよいのだ! つまり、効率の良いルートとミスの少なさ、スピードの勝負であると割り切る。
昨日、台場Zeppまで23kmジョギングしてClariSのコンサートに参戦してきた疲れが残っている。自転車は泥除けやキャリアを付けっぱなしだし、輪行袋などの荷物も所持して回る。それでもやはり順位が付く競技である以上、時間中は全力を尽くしたい。それは人生で数少ない、キラめきの瞬間だから。戦略はどうしよう。北風をもろに受けるサイクリングロードで北に向かうのはソロ参加の場合大幅に不利なので、まず南半分から町中を取りこぼしのないようにぐるり回ろう。
午前10時30分スタート! ロードバイクガチ勢、MTB、小径車、ママチャリと様々な車種が街へ繰り出す。地図と走行感覚のキャリブレーションが済んでないうちは、曲がり角を読み違えてちょっとオーバーランも…他の参加者に見られてると恥ずかしい。最東端ポイント「居酒屋ばく」ではチャリロゲ参加者に温かい味噌汁を振る舞っているが、飲まずに次へ急いでしまった。食いっぱぐれが一番の後悔だと言うのに。
開始50分で宝珠花橋近くの「まるおう」まで、南半分を終えた。北半分も往路と復路で効率よく回るのがセオリーだが、自分はあえて往路だけで全て拾う戦術に出る。わずかに茨城県に入る関宿城付近の数箇所を取って北端地帯までコンプリート。マップ台に付けた地図は不要になったので風で飛ばないように片付け、タイムトライアルだからトイレは我慢。あとは北風に乗って江戸川サイクリングロードを全力で突っ走るのみ。これが安全を確保しながらロードバイクガチ勢のスピードに対抗する為の、唯一の秘策であった。
小径車でもこういう時のスピードはなかなかのもの。左手の一般道を進むMTBを追い抜き、二時間を1分40秒過ぎたところで、河川敷の会場にフィニッシュした。走行39kmほど。既に帰還してる人々が居てビビるが、あまりにも寒過ぎて諦めただけらしい。私も震える手で何とか集計用紙書き込みとスタッフ対面での写真確認を済ませ、キッチンカーで豪遊を開始。ホットサンドや豚汁で身体を温め、お土産も買っておこう。
ロードバイクガチ勢に見えた人々はそうでもなかったのか。どうやらパーフェクト達成者はもう一人(あのMTB;ロゲの強豪らしい)だけで、3分半の差で私が先着であった。その方が居なかったらマジ自分KYであったかも。表彰は各カテゴリの一位のみ。無料のイベントなのに賞状があるし副賞も妙に豪華だ。貰っといてから言うのもなんだが、三位くらいまでにシェアした方が全体の満足度が高かったのでは…。
長野県のサイクルロゲイニングで度々プランナーを務めてきたわりに競技者としての経験が少なかったから、「サイクルロゲとは何ぞや」を知るために参加した今日。総合優勝は思わぬ副産物だし、もちろん経験は今後大いに活きるであろう。あと、上位を争いたいという需要が想像以上に少なく、現状はレクリエーション重点な。カラクルを扱う自転車店(輪工房さん)の方と少し話しをして、会場をリーブ。
自走で帰る予定もあったが、早く暖まりたくてさっさと電車に乗る。輪行袋を純正から自家製に代えて、収納が大幅にクイックになった。東武線春日部経由で葛飾区に帰る。その後何日経っても、何ヶ月経ってもリザルト等がWeb公開されないのは残念ね。
総得点 | 1000/1000 | (満点2名) |
コントロール数 | 24/24 | (コンプリート2名) |
フィニッシュタイム | 2時間01分40秒 | (/次点2時間05分16秒) |
ソロ男子の部 順位 | 1位 | (/出場7名中) |
総合順位 (チーム,ファミリー,ソロ女子含) |
1位 | (/出場31組中) (人数は約60名) |