上越新幹線と信越本線を乗り継ぎ、群馬県の横川駅で下車。積年の課題だった横軽間の旧中山道トレイルをジョギングで登り始める。先月碓氷バイパスをサイクリング中に親子熊に出くわしたばかりだし、坂本宿を過ぎてからの山道はちゃんと熊鈴を装備。刎石山(はねいしやま)まではほぼ歩きとなる急登だが、以降は気持ちの良いトレランルートとなる。ハイカーの数は心配したほど多くも少なくもなく、熊は大丈夫そうだし、かつ快適に走れる。安政遠足(とおあし)という日本最古のマラソン大会がここで行われていたと云う。紅葉は所々綺麗かな、という程度。
平野暮らしで登坂に慣れていない脚が悲鳴を上げる頃、標高差800m余を制して長野県境の旧碓氷峠に到達。峠の茶屋はクルマで混雑しているのでスルーし、近くの見晴台は寄る。浅間山から関東平野をも望む良い景観だ。今週末は寒気が入って、晴れていても半袖Tシャツではさすがに寒い。着込んでから下り坂へ。ランナーが旧軽井沢を闊歩するのは場違いながら、ミカドのモカソフトクリームは食べていく。距離16km余を二時間半で、軽井沢駅に無事到着。
しなの鉄道と長野電鉄を乗り継ぎ、最果ての湯田中駅で下車。元々は草津温泉からジョギングで芳ヶ平を経て渋峠を越えてくる算段だったが、弱気になって旧碓氷峠に変更していた。渋峠の方は雪化粧模様で、あっちを通っていたら遭難していたかも…。少し小走りして、ユクモ村こと渋温泉の大丸屋にチェックインする。間もなくサイクリング部同期のO戸とH瀬がクルマで到着。九湯めぐりの半分ほどと、夕食、酒(遠藤酒造所の彗(シャア))など。さすが信州の星空は黒々として素晴らしい。人間にはこれが必要だ。
日曜も天気はまずまず。朝風呂と、弁当形式の食事を頂きチェックアウト。クルマで少し南の須坂市に向かい、途中の直売所で土産のりんごを買い付けつつ、須坂温泉古城荘の体育館へ。館内はやはり寒い。第3回信州須坂ロゲイニングの三時間の部に『チーム重戦車』として参加する。メンバーは「ほぼ歩く」と言っているし実際走るチームではない。上位を狙う為にはガチ勢が五時間の部に流れてくれること、仲間を集めやすい日曜開催であること、関東近県の温泉地であること、私が今年は松本マラソン(同日開催)出場にこだわらないことを理由にこのイベントを選んだ。
未来図K村さんらが参加する五時間ランナー43名を見送った後、競技説明や作戦タイムを経て午前11時に三時間の部88名もスタート。このチームでいつもペーサーを勤めるH詰が今回は欠員となり、近年は全く走っていないというH瀬が代わりに先導。O戸が戦術担当で私がカメラマン、が大まかな形となる。チェックポイント(コントロール)到着後「次どっち行く?」なんてやってたら効率が悪いので、それを到着前に済ませておくよう心がける。これだけで走力のある他チームと十分競い合えるものだ。みな地図読みには強く、いちいち地図を突き合わせて指をさして、なんてしなくても言葉だけでルートが伝わるのが地味に凄い。
地図は五時間・三時間共通で、しかも5hガチで走ってもコンプリートは無理であろう本格的なもの。三時間で我々のペースだと、せいぜい手の平ひとつぶんのサイズが行動範囲となる。余り遠くには行かれないし、CP番号(=得点)は31~135で極端な差はないので安手でも着実に拾っていくのが定石となる。ロゲはソロ参加がほとんどの私としては、こうして希に、グループで地図読み談義をしながら進むのが無上に楽しい。こんな時間が24h続けば良いのになって思うよ?
74番【わさびの里湧水公園】から廃線敷があれば88番まで足を延ばしたかったが未整備なので、ここら辺を西端として東への帰路に入る。地形は西の千曲川に向かって傾斜しているので、後半は登り基調となるが心配したほどキツくはない。65番【畜魂碑】と57番【ぶら下がりストレッチ】の間には百々川(どどがわ)が流れており、冗談半分に「渡渉しようか」などと話しつつ川面を覗ったら、ちょうどそこに飛び石があって渡れたのはラッキー。ここで座って補給食休憩を取る。
80番【臥竜山三角点】はちょっとした登山気分で、紅葉も良い感じだ。山頂から直にフィニッシュ直行するとさすがに時間が余る計算となり、少し南側を欲張ってから街中をヨセて行く。囲碁でもロゲでも大切なのは三手先を読むことと、正確なヨセ計算だ。
走行距離は20kmほど。概ね速歩き程度のペースが奏功してスタミナ切れは無く、7分余を残して無事フィニッシュした。サービスのおやきや菓子を頂きつつ集計を待つ。スポーツトレーナー議員さんによるストレッチ体操が絶妙に間を繋いでくれている。やがて表彰式。女性ソロやファミリーチームが妙に強い。我々も一般グループで三位入賞(17チーム中)に滑り込み、申しぶんない結果となった。せんべいのメダルがユニーク。『チーム重戦車』、今のところ4戦全て入賞しているのである。
愛知県のロゲ仲間I神さんY本さんK野さんも入賞しており、互いに健闘を称える。体育館を退出すると丁度五時間のK村さんらがフィニッシュするところ。雨が降り出すなか、参加者入浴券で冷え切った身体を温める。かじかんでいた指がようやくまともに動くようになった。欠員だったH詰と合流し、とら食堂で遅い昼食を摂る。近々ClariSのコンサートでまた集合しそうな流れ。東京への帰路はクルマに同乗させて貰う。
須坂市は毎年のように毛無峠参りの際に基地として訪れているが、街中の探索はしたことがないので新鮮だった。須坂ロゲも改善の積み重ねが感じられるホスピタリティがあり、オススメできるイベントと言える。とりあえず、未回収のコントロールを巡る反省ランに行きたいな。
獲得得点 | 1064/3200 | (最高点1575, 最少点155) |
獲得スポット数 | 21/48 | (最多26, 最少4) |
フィニッシュタイム | 2時間52分23秒 | |
グループ順位 (男女同カテゴリー) |
3位 | (/出場17組40名中) |
総合順位 (ソロ男子,ソロ女子,ファミリー含む) |
9位 | (/出場42組88名中) |