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4/15 走った距離は私を裏切らない 私も決して走った距離を裏切ってはならない

昨日歩き過ぎたせいで体調は一割引だが、それでも充分以上。松本駅に(新宿行でなく)中野行のスーパーあずさが入線しているが、私が向かうのは長野。始発の鈍行で行く。果たしてこれで間に合うのかちょっとした賭けに出たのだ。同じ発想の無謀なランナーはほんの数人。北長野駅に到着してからウォーミングアップも兼ねてランニングで会場に急ぐ。荷物預かりの締め切りギリギリになったがそれでも何とかなってしまうあたり、さすが日本一の運営力を誇る大会だ。トイレも問題無しで、スタートの整列に間に合わす。良かった良かった。天候はピーカンでわずかに追い風の絶好条件。しかし長期間にわたる練習の成果をたった3時間半前後に凝縮しなきゃいけないのだから、42.195kmって憎らしいほど短くないか? かと言ってウルトラとかやらないけど。
Kyoiku やがて号砲。ゲートをくぐる時にクレーン式のテレビカメラが目の前に来たので、十本の指を広げてぴょんぴょんアピールする。それはサブテン…じゃなくて3時間10分切りおよび上位10%を目指す意気込みを表現したものだ。次回サブスリー挑戦への切符を手にするため、無謀だけどロマンを求めてやってみるよ!
弱気に設定してしまった目標タイムで決められたブロックで、スタートラインを跨ぐまでのタイムロスは1分35秒ほど。ここは今の自分がいるべきポジションじゃない。呼吸が荒くならない程度に押して、ぐんぐん前に出る。7km地点で見覚えのあるユニフォームに追い付いた。前回のマラソン「三郷アップルハーフ」でほぼ同時にゴールした小諸のおっさんだ。集中力を乱しちゃいけないと思って声は掛けなかったが、向こうも私に気付いたのだろう。ここからこの人とのデットヒートが始まる。今度こそ負けないよ! それにしてもオーバーペースじゃないかと不安になっていた所に、同等の走力を持つベテランが並走してくれているなんて、凄く心強い。ただし向こうも同じことを考えていたら、…共倒れだ。何か呼吸荒くありません?
1kmあたり4分30秒を意識して、実際はそれより少し速いくらいのペースで前半を刻んで行く。たまに出る4'15/kmなんてサブスリーペースだよ。もはやシューズの性能を超えているのか、靴ズレがひどいけど。中間地点が1時間33分…これがハーフマラソンだとしても充分に速い、何ちう通過タイムだ。
ところが小諸のおっさんが脱落。え? 直後の25km地点で私も脚に硬さを覚えてペースが緩む。代わりに、ここまで沿道の応援に気を良くしてこのまま死ねるんじゃないかってくらいにこやかだった顔は引きつってくる。PowerBarGELを服用して粘ってみるが、30km地点がまさに壁になり脚が上がらなくなった。やはりオーバーペースだったか。やっちまったものは仕方ない、ここからは完走のための最善を尽くそう。ほら、北アルプスが松本から眺めるのとは別の表情を見せているし、風林火山で賑わう川中島古戦場の桜並木が満開だ。
へたっても1kmあたり5分のペースが絶対国防圏。しかしちょっとしたアップダウンで脚が吊りそうになり陥落してしまうことも。長野は硫黄島だ。誰か助けてよ〜。…オレ、精神力が弱くなってないか? そんな時でも沿道の人々はひっきりなしにNHKや信毎の旗を振っている。応援もサイコーの大会じゃないか。完走するぞと勇ましく、山本勘助のコスプレの人にハイタッチをするのだった。
二つ目のPowerBarGELを服用しようとポケットをまさぐったら、あれ? 無い! 途中で落としてしまったようだ。オレの250円がぁ〜〜、じゃなくてマラソンはエネルギー切れが一番怖い。給水所のバナナを3切れも鷲掴みにしてむしゃむしゃする。これでゴールまで持ってくれ。
松代大橋の登りは普段の練習で登っている坂をイメージして乗り越え、残り3kmから気持ちペースアップ。腕が痺れてくるが、ここまで追い込むのは当たり前だ。沿道の人々が「あと少しだ〜!」「あと1キロだ〜!(そりゃ嘘だろ)」とか頑張って声を張り上げてるのに、自分が頑張らなくてどうする。本当のあと1kmになれば、さらに限界への旅になる。もう、そこの角までで勘弁してくれよ。
オリンピックスタジアムに入場すると、人工芝が柔らかく感じて、若干使う筋肉が変わるのか思いっきりラストスパートが出来る。数人をまとめて差し返してゴール! 直後に気が遠くなってふらふらする。だからラストスパートなんか止めておけと。
グロスタイム3時間14分28秒(参考ネットタイムは3:12'55ほど)。力に見合わない目標に挑戦してペース配分をミスしたが、それでも良く粘って、決して練習量を裏切らない結果が出せたと思う。もちろん昨秋大町の自己ベスト(3:21'13)を大幅に更新。大町に比べて坂がぜんぜん無いので当たり前なのだが、次へ繋がるステップアップにはなった。
Nanami しばらくブースやスタンド等をふらふらして会場の雰囲気を楽しんだ後、シャトルバスで篠ノ井駅に送られ、鈍行列車で松本へ帰る。テレビを点けるとNHK教育の全国放送で長野マラソンの録画中継をやっている。お、スタートシーンでばっちり映ったぜ。

今日はすげー楽しかった。課題も残ったが、今後ジョギングは腰痛対策程度にしておいて、ツールド美ヶ原を目標に絞ったトレーニングに移行したい。ま、とにかくまずは休もう。

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コメント

完走おめでとうございます。 しかも大変に素晴らしい記録ですね!来年はサブスリーですか?夫婦で応援してますよ。これからもがんばってください!楽しい日記も頑張って続けてくださいね。宜しくお願いします。

広島よりお久しぶりです。完走およびベスト更新(?!)すばらしい!!!
「風林火山」で盛り上がる長野の様子まで浮かぶ、楽しい完走記でした。
大河を見た3歳の息子が「なまもとカンスケ」と連呼しています。
あの眼帯が強烈らしい。ではまた

sammyさん、ahomeさん(K山さんですね)、長い日記でしたが早速のコメント有り難うございます!
サブスリーに関しては、それを目指すことが楽しいのかどうか再度見極めたいと思います。でもやはり、やるなら来年の長野かな。
千曲川沿いは景色も良く、土手の斜面いっぱいの菜の花の香りも印象的でした。山本勘助の隣りには由布姫も居ましたよ。

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