4/5 You know 温泉津?
平田市から島根半島北西の海岸へ。十六島(うっぷるい)漁港越しには、昨日走ったあたりの稜線にたくさんの風力発電所が並ぶ。道はまた鄙びた漁村を繋ぐ。観光地よりも旅だ。
高尾ゆうゆうラインをぎゅうぎゅう越えて、日御碕灯台へ。石造りとしては東洋一だとか。断崖にうみねこがなく。土産屋はまだ仕度中だし、日御碕神社だけ寄って出雲大社へ移動。本殿は建て替え中で仮殿に参拝となる。どうせなら伝説の高層社殿を復元してよ。
くにびき海岸道路で山陰道に繋ぎ西南へ。三瓶山を垣間見る大田市で昼食後、晴れて暑くなる中やってきました、日本一マイナーな(?)世界遺産、石見銀山。古い町並みをチャリで自由にぶらぶらして、ハイライトの龍源寺間歩(まぶ)という坑道を見学。ゲロマブなコどころかガヤガヤうるさい観光客もおらず、静かにかつての重労働を偲ぶ。
ここから西へ抜ける銀山街道は、降路坂(ごうろざか)という山道になる。重い銀を運んでいたくらいだから余裕、と思っていたのが大間違い。人気のない登山道を必死で押し上げる羽目になる。担ぎも入る。腕力をガンガン消耗してゆき、少し登っては肩で息をし、の繰り返しだ。アームストロングさんなら豪腕だからこんな峠は余裕かも…。戻るも地獄だし、終わらない坂は無いと自分に言い聞かせて行こう。これこそワールドヘリテージな世界遺産の体感に他ならないのだから。
こんな達成感のある峠は久々。だが下りもキツい。倒木の難所は、たまたま近くを測量に来ていた人に手伝って貰う。車道に出てガッツポーズ、しかしさらにまたキツい“遊歩道”に入る。仕舞いにはパンクする。
暗くなる前ギリギリに街道の終末、温泉津の温泉街に着いた。ここの薬師湯は泉質評価がオール5らしい。まるで進研ゼミみたいだ。確かにこれは良い湯で、湯冷めもしない。
ナイトランとなり、真っ暗な国道9号をダイナモを焚いて江津市まで進む。腕も脚もプルプル震えている。もう開いてるスーパーは無い。あ、モスバーガーだ、ここでいいや。あとはまた適当な緑地でテント泊し、帰りの始発を待とう。
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