6/28-29 ツールド出し尽くしヶ原

Tshirt土曜昼、新宿駅前で配布しているTurkey!アニメの紙団扇を貰ってから、特急あずさで松本に上る。小径自転車カラクルSを展開して、浅間温泉のツールド美ヶ原受付会場へ。H岡さんがうろうろしている。来年は参加しような!?

スタッフが着ている大会Tシャツのデザインが気に入って、参加18回目にして初めて購入してみた。ホテルのチェックイン時刻までまだ時間があるし、どうしよう。プラネタリウムには間に合わないし…と美ヶ原温泉方面へぶらぶら。そうだ、カフェピラータのミートソースが食べたい。今日は脚を使わない予定だったが仕方ない、林道湯ノ原線をゆっくりゆっくり、標高差450mを登って美鈴湖へ。無事ミートソースにありつくのだった。

夕食後、街へ下りて東横インへ。自転車を畳むのが面倒で駐車場に放置していたが、気が変わって部屋に持ち込む。折り畳み自転車なんだから。

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Start日曜。一般男子E(46〜50歳)のスタート時刻は8:05〜なので、バイキング朝食もしっかり食べていける。・・・食べ過ぎたかも。貴重品以外のレースに不要な荷物はフロントに預け、スタート会場へ。会うのは乗鞍同宿のT橋さんくらい。配布アミノバイタルの青・赤をその場で頂き、行列の後方からゆっくりとスタートを切る。ネットタイム方式とは言え、周囲にライバルは多い方が良い。

温泉街を抜ける前から苦しいのだが。激坂に入ると、もっと軽いギアが必要だ!と後悔しつつ、蛇行は避ける。激坂終了ヘアピンまで8'55"、もう暑い。ここから呼吸を整えたいが、それもなかなか上手く行かない。練習と言えば先週末にゆっくりと長野原草津口〜毛無峠を走ったくらいで、呼吸を追い込むような事はしていないのだ。

Takeshi20分くらいでピラータ前を通過するよ、って昨日宣言していたが無理だった。第1チェックポイント22'55"。Pretty PANDAの2台や竈門炭治郎ウェアをライバルとしつつ、淡々と美ヶ原スカイラインを登っていく。乗鞍同宿のK島さんに声を掛けつつ第2CPが42’43”。こりゃ目標の1:30'どころか1:35'も無理っぽいぞ。ボトルの塩水だけじゃ足りなそうなので、ここで給水を受けておく。なぜか脳内にはずっとツキマカセが流れている。

林道は下の方から徐々に綺麗な再舗装が進んでいるけど、まだの所はガタガタだ。中間地点56'05"、中だるみするなよ。ストップ坂を経ていよいよ脚に力が入らなくなってくるのは、明らかに練習不足だ。腰痛が比較的穏やかなのは救いだが、食べ過ぎが祟って常に吐きそうなのは困る。3CP1:20'07"。まだだ、まだ終わらんよ。

腰痛坂を経て「思い出の丘」から、いよいよハイスピードバトル区間。こんな絶景の美ヶ原は何年ぶりかしら? 小さく歓声を上げつつも、レース的に小径車は分が悪い。去年は濃霧なので地の利で無双できたのだが、今回は下りで踏めない不利が大きく次々抜かれる。最後の登りで何とか一人抜き返し、最後の右カーブ「死ね坂」で呼吸を倍にする捨て身アタック! 下山待ちの行列がどよめいていたように感じた。

Fin結局もう一人は抜き返せずにフィニッシュ、手元の時計で1時間36分01秒(公式記録同じ)。しまった。

ぜーぜーぜーぜー! これがツールド美ヶ原だ。これが最高に気持ち良いんだ。他のレースじゃこんなスパートは掛けられないのだ。すぐに、先にフィニッシュしていた乗鞍同宿のI川さんが出迎えてくれた。彼は年々私との差が縮まり、今回はチェーン脱落のロスがありながら1:38'台とのこと。いよいよ抜かれたも同然ではないか。むらよしは倒れたままなのか?

配布アミノバイタル金とバナナを頂き、ゴールエリア観戦へ。これだけ晴れると写真も映えるし、寒くならないからいつまでも居られる。つーか下山したくない。間もなくK島さんもフィニッシュ、初参加だが「これはまた走りたい!」とのこと。T橋さんもフィニッシュして、名残惜しく下山待機列へ。

下山はずいぶん待たされてからようやく順番が来る。まぁ時間は大丈夫。登り返しでばらけるので、写真を撮るのも良いだろう。3CPまで下ってまた長い待機となる。先の下山集団で救急車沙汰が発生してしまったらしい。これだけ運営が安全な下山に知恵を絞っているのに、どうして…。舗装の悪化もあるだろうな。

Pirataカフェピラータのスープがまだあって良かった。一応ウインドブレーカーを着ているがもう暑いので脱ぐ。スタート会場まで無事下山し、記録証と菓子と水を貰う。締めにきのこスープを頂いてイベント終了。表彰式までは見ていけない。応援に着ている乗鞍同宿のK野さんに挨拶してリーブ。

ホテルの預け荷物を回収して、駅前通り「菊の湯」でさっぱり。駅ビルのGAKUチョコソフトを食ってあずさに乗り込む。車内で半分くらい寝てりゃ新宿着。昼食抜きだったのに胃が全く動かず、夕食も食えそうにない。体調面が敗因の一つだったかも知れない。次の乗鞍ヒルクライムこそ、記録の下落に歯止めを掛けたい。

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むらよしギムナシオン(参戦記サイト)に去年11月のサイクルロゲイニングin川口をアップロード。ディフェンディングチャンピオンとして今年も参加すべきだが、日程は10/4。翌10/5は絶対リベンジしたい定峰峠ヒルクライムだし、カフェピラータが育てたけろんフェスティバルも外せない。どれか一つだ。

5/9-11 ぼんちのみち

金曜、有休を取って中央本線を乗り継ぐ。久々に特急券をポンせずに普通列車での旅。大昔に買った麻雀教本を読み返す時間が確保出来れば良い。夕刻の穂高駅に到着し、小径車カラクルSの輪行を解かずパークホテルにチェックイン。明日のコース確認がてら少し散策するが、ぽつぽつ降り始めた。天気が心配だ。

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Start土曜、信州サイクルロゲイニング2025_安曇野Stageのスタッフとして穂高支所に集合する。安曇野は5回目を数え、私がコースプランナーを担当し続けている。これまでは盆地の地形に合わせて縦長サイズの地図を提供して来たが、去年の優勝者にパーフェクトを達成された事もあり、満を持して横長のフィールドとした。要するに西山(安曇野市MTBコースなど)と東山(長峰山など)の両方がある山岳ステージとしたのだ。もちろん大半のコントロールは平地なので初心者も安心。

参加者は60名近くを集めたが、人数の伸びとしては踊り場か。とにかく今日は来て頂いた方々に快適なイベントを提供しよう、と言っても拙い競技説明をしたらプランナーの仕事はほぼ終了。主催者が公式カメラマンを雇ってあるし、競技が始まったら写真撮影の練習がてらぶらぶらするだけである。山岳ステージが土砂降りだったら目も当てられないが、どうにか回復して路面はドライとなった。

Wasabi午後には晴れて、代わりに南風が強くなった。かくして五時間の競技終了。無事故が何よりだし、多くの方が割と山岳の方も頑張ってくれたようである。また4人(組)による総合トップ争いがめちゃくちゃ熱く、ゲーム性では想像以上に成功していたかも知れない。イベントを通じて、皆さんの目が輝いていたのも印象的。ロゲ全般に言える事だが、能動性の高い競技である事が流行の妨げにもなっている。こんなにキラキラしているんだって、どこで叫べば良いのかしら。

解散後、強風のため松本へは自走せず大糸線を利用。Suicaエリアが穂高駅まで拡大したのは実際便利な。北松本駅で輪行を解き、浅間温泉から激坂を登って美鈴湖へ。カフェピラータさんで雑魚寝をさせて頂く。代わりに(?)常連の一部で流行っているという麻雀に付き合う。牌に触るなんてここ二十年は無かったし、コンピュータでやってた訳でもない。だから慌てて付け焼き刃をしたのだが…。やはり慣れなくてノーテン立直や少牌をやらかすし牌勢が掴める筈もなく、4半荘を打って全部マイナスに終わった。リベンジが必要だ。27時就寝。

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Bessho日曜、絶好のサイクリング日和。武石峠は越えられないから三才山トンネルを抜けて軽井沢を目指すのだが、スポークが折れて心も折れた。鹿教湯温泉を散策して入浴、さらに別所温泉も散策して入浴する。上田電鉄としなの鉄道を輪行で乗り継ぎ、軽井沢駅で下車。ここから横川への下り坂だけなんて、なんたるズク無しか! まぁこうやって小刻みに輪行できるのが小径折畳自転車の存在意義よ。

車輪が酷く振れているので慎重に、でも荻野屋ドライブインの営業時間があるからと気持ち急いで走っていると、力餅で有名な玉屋さんがある。ここで良い、力餅とソースカツ丼を頂く。個人店で早い安い旨い優しい、また来るよ。横川駅から輪行で東京に下る。まずは寝不足解消を目指すが、サイクルロゲの反省もしなくちゃな。

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→Facebookアルバム: 信州サイクルロゲイニング2025_安曇野Stage(地図やコントロール写真など)

4/30-5/2 会津バンゲリングベイ

50riGW中の平日が職場の休工となり、その三日間をツーリングに充てる事にした。今年も行き先は「アニメで観たから」というざつなもの。とりあえず東武鉄道の北端である新藤原駅でランドナーの輪行を解き、会津西街道を北に向かって走り始める。五十里ダム湖の新緑に包まれつつ道の駅でダムカレーを食えば、もう帰ってもいいよと思うくらい満足する。この旅、どうなっちゃうのか。

初日は昼からの走行で80kmを進む必要があるため、時間が押している。山王峠は無理して通行止の旧道に突っ込むような事はせず、大人しくトンネルで抜けて栃木県から福島県に入る。すぐに西へ折れて、中山峠の新道アップダウン。なかなかの高度感で道端の残雪が多く、もう寒いのだが、そばソフトは食ってく。

Hisakawa沼田街道を北上して伊南(いな)地区の久川ふれあい広場キャンプ場に到着、700円。久川城跡は九年前に訪れているからスルーでいいや。テントを設営してから食料品店へ買い出しに行ったら、閉店ギリギリ時間で危なかった。先日に(また)肋骨を負傷してしまい、今度こそ自炊用具持参をと意気込んでいたのを諦めて、夕食朝食は全て買い食いとなる。もう一つアテにしていた温泉は定休日、ありゃ。

夜、星空はなかなかのもの。三脚すら持ってこなかったのは残念。

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Tagokura二日目の朝、あまりの寒さに手がかじかみ、テントの撤収作業がつらい。重ね着をして走り出し、ホットの缶コーヒーで生き返る。伊南川の川霧を見ながら北上を続ける。只見町に入り、寄り道めいて只見ダム、そして田子倉ダムへ。このあたりの素晴らしさは筆舌に尽くし難い。さらに奥地には奥只見湖や尾瀬ヶ原があると云う、まさに深山幽谷!

西へ新潟方面に抜ける道は通行止らしい。ダム展示館では今回の旅で唯一の自転車旅行の方(シルクテンション)に会い、情報交換をする。只見駅前に戻ると、二十三年前に泊まった只見荘が懐かしい。新しい観光施設でマトン丼を食っていく。只見川沿いに下り、マッターホルンめいた蒲生岳などいちいち風光明媚だ。

Numazawa金山町に入っても炭酸水の湧き水スポットが二箇所あったり、濁り湯の掛け流し湯倉温泉に入ったり…と五感に畳み掛ける情報量が膨大だ。今回の旅は非日常感を高めるためスマホを家に置いて来たが、どのみちそんな物に齧り付く暇はないのだ。

スキー場の坂をひいこら越えて、二重カルデラの内側へ。本日走行100kmほどで沼沢湖畔キャンプ場に到着。料金は昨晩の倍で自炊無しで使うには高価いが、湖畔というロケーションは格別と言える。もう少し首都圏に近ければ盛況なのだろうけど、客は10組に満たない。時間的に湖一周トレッキングは諦め、夕食の前後に散歩などする。星景撮影は、もう月齢が三日なのと、施設の街灯も明るくて不向きかな。

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鳥のさえずりで起きる最終日の朝、暖かくて助かるが天気は下り坂の予報。郡山までは進めないかも知れない。カルデラを離脱し、三島町の第一只見川橋梁ビュースポットでありきたりな鉄道写真を撮る。APS-Cの15mm単焦点しか持って来ておらず、望遠ズームレンズも持ってくるべきだったと少し後悔する。

Fukuman柳津町は福満虚空蔵尊(ふくまんこくぞうそん)の門前町との事で、せっかくだから寄ってみる。何でも赤べこ伝説発祥の地であり、堂内の天井に飾られた絵画も凄い。粟饅頭の名店がいくつも軒を連ねるなど、実は会津観光の特異点めいた街だった。いなばや菓子店でお土産を買っておこう(広告をやたら見かけるのは小池菓子舗)。

奥会津とサヨナラして会津盆地に入る。強烈な向い風だし、東の方で雨が降っているのが丸わかりで、もう心が折れた。郡山は諦めて、代わりに若松をがっつり観光しよう。お前、いつも諦めてばっかだな。会津坂下(ばんげ)駅前では春日八郎の像が、ボタンを押すと歌う。赤いランプの終列車。

Haguroという訳で鶴ヶ城を散策していると、平日なので小学生グループがたくさん、観光客に聞き込み調査をするフィールドワーク中だ。「会津に来たきっかけは何ですか?」ワイ「えっと…アニメで観たから…」。流石に深夜アニメは知らなさそう。その『ざつ旅』の聖地である東山温泉を訪ねると、1225段を登るという羽黒山湯上神社がある。俺が挑戦せずに誰がする?と思ったらオタクが一人先行して行った。段数を数えながら追うが、追い付かないし数も間違えたわ。往復を終えるとすっかり膝が笑う。

幕末の歴史には疎いが、飯盛山も寄る。さざえ堂のぐるぐる登るやつ、やりたかったんだよね。すっかり本降りの雨、白虎隊自刃の地にて我が旅も終焉を迎える。走行70kmに満たないまま会津若松駅で輪行し、磐越西線と東北新幹線で帰宅。三日間でデジタルデトックス的には物足りないが、想像外に濃厚な旅で、実際すっきりした。残りのGWは自宅で出来る事をしよう。

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→Facebookアルバム: 2025GW奥会津(44枚)

2/22-26 阿佐線の夢見し 酔いもせず

元々は11月に予定していた四国行き。弔事で全部キャンセルとなったが、再度同じ旅程で組み直した。新しいカメラレンズ、新しいペダル、新しいシューズが旅アイテムに加わり、土曜の午後に満を持して家を出る…が、ジョギングシューズFreshFoamX1080のアウトソールが広過ぎて、狭いフラットペダルを踏めない事が発覚。慌ててスリムなHanzoRに履き替え、改めて出発。

Gateお台場近くの東京港フェリーターミナルに到着。小径自転車カラクルSを折り畳み、乗船の時を待つ。かつては様々な旅客航路があって賑わったのだろうか、現在はオーシャン東九フェリーの東京〜徳島〜北九州航路を残すのみで、売店すら無い。今日は三連休の初日とあってそこそこ客は集まってくる。暗くなって「フェリーどうご」に乗り込み、嬉々として写真を撮り回る。

19時出港。ターミナルが離れて行き、東京ゲートブリッジを潜る。飛行機がひっきりなしに発着する羽田空港や東京湾アクアラインを通過…。やはり、船の旅情は一番良い。デッキはかなり寒いのだけど。残念ながら船内レストランは無いので、食品スーパーで買った惣菜を夕食とする。風呂に入ってぽっかぽか。今時のフェリーは大部屋でも寝台特急めいたカプセルタイプで助かる。

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エンジンの「どぅん、どぅん、どぅん、どぅん」というノック振動が、寝るための施設としては間違っていると思うが、慣れるしか無い。日曜の朝を迎え、冷食自販機のハンバーグカレーを朝食とする。潮岬通過など撮影ポイントはあるけど、基本はぼーっと過ごすしか無い。それが良い、こんな旅がしたかった。

Wabisabi定刻通り徳島沖洲にて下船し、自転車を展開。四国本土への上陸は実に15年ぶりとなる。すぐ近くの新鮮なっとく市にレストランがあり、昼食として刺身三種とアジフライ定食を頂く。さらに新町川沿いに少し遡ればもうJR徳島駅、今日の走行はこれだけだ。また輪行して、南へ向かう牟岐線に初乗車。「あり方」が問われるローカル線だが必殺徐行とかは無く、美波町の日和佐駅で下車。

日和佐が舞台地だったNHK朝ドラ「ウェルかめ」も15年くらい前か。あと、ここらのメーカーが作っていたMac用ワンセグチューナー「PCTV-hiwasa」を持ってたなーなんてことも思い出す。駅前のケアンズホテルにチェックイン、夕食はまたスーパーの惣菜等。

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Oohama祝日の月曜、まずは早朝ジョギングに出る。計画が綿密すぎて、想定通りの景色を見るばかりになりがちな旅行だけど、大浜海岸から貴重な「だるま朝日」を眺めることが出来たのは僥倖と言えよう。日和佐城から高台の快適なトレイルを周り、ホテルに戻る。シャワーを浴びてチェックアウト。まだ時間はあるのでFieldDiscoveryGameアプリのスポット拾いをしつつ、八十八ヶ所霊場の第二十三番札所、薬王寺をお参り。戒壇巡りなんてのもある、ありがたやありがたや。

Dmv単行列車を阿波海南駅まで乗って牟岐線完乗を達成し、すぐに阿佐海岸鉄道DMV(Dual Mode Vehicle)に乗り換え。バスとしてやってきた車両はモードインターチェンジで鉄輪をレールに乗せ、鉄道に変身する。これだ、これに乗りたかったのが旅のきっかけだった。予約客と飛び入り客でちょうど満席となり、この便だけを見ると成功しているように感じられる。なお車体はマイクロバスを魔改造したもので、輪行は無理。終点の宍喰温泉まで往復利用となる。復路の客は1/3ほど、それも観光客である。往路は最前席、復路は最後席に座ったけど、乗り心地が違うな。

さて、そろそろ私もモードチェンジしようか。カラクルSを展開して、国道55号を南へ高知県に入り、ようやくサイクリングらしくなる。美しい海と山、最高だ。順調で時間も出来たので、むろと廃校水族館に寄り道。校舎の懐かしい雰囲気と、プールのウミガメなどを見る。

Muroto夕刻の室戸岬に到着。高い知名度の割に観光地化されておらず、室戸荘が唯一無二の民宿となる。鮫、鯨、鰹、金目鯛など豊富な海鮮の夕食に、大変親切な女将さんたち。奇跡の宿と言えるのではないだろうか。

夜は岬の岩場にて星空観察。何しろ日本最強の灯台があって10秒毎に光線が横切るのだけど、それでも都市部とは全く違う! 漆黒の空に無数の輝く星々は天然のプラネタリウムそのもの。かに座や冬の天の川も目視し、カノープスが見放題! APS-Cカメラα6700に、新しいレンズE 15mm F1.4 Gも持ってきておいて良かった。地味にトラベル三脚も重かったのだ。

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火曜、日の出の時刻だがカマス焼き等の朝食を優先して済ませ、2時間で帰ってきますと断ってジョギングに出る。西海岸の旧道を北上し、室戸スカイラインに入って南へ戻る。標高260mの山頂からは、東西それぞれ北に伸びる海岸が絶景だ。第二十四番札所、最御崎寺(ほつみさきじ)をお参りし灯台にも寄って、厳しい石段の遍路道を降りて何とか2時間で帰って来る。改めてチェックアウト。また来られるかな?

9640室戸岬西海岸の国道55号を北上し、先を急ぎたいが第二十五番札所、津照寺(しんしょうじ)はお参りしておく。行当岬(ぎょうとうみさき)、吉良川の町並み、羽根岬と岬めぐりのチャリは走る。このまま土佐湾の向こうまで旅をしたくなる風景だが、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線に乗るんだ!という目的もある。阿佐線の東西を繋ぐ夢は俺の脚で達成した。奈半利駅で輪行と昼食を済ませ、「しんたろう号」に飛び乗る。

平日とあって客は地元民数人。車両は海側がオープンデッキになっている大胆な構造で、夏場は気持ち良いだろう。安芸駅でもうちょっと普通な気動車へ乗り継ぎとなる。車体や各駅にキャラクターが書かれているし、このあたりでやなせたかし氏の功績は計り知れない。後免駅で下車、またチャリを組む。

ラストランは、とさでん軌道に並行して西へ進む。路側帯がレールに接していて、そのまま走っていると電車に衝突しかねないのでスリルがある。やがてドンキが出来たばかりの大都会に入り、はりまや橋交差点を経てJR高知駅でフィニッシュ。お土産を買って、特急南風号に乗る。平日の半端な時刻にも関わらず大変な混雑である。3両編成⋯せめてもう1両増やせないものか。

Sunrise大歩危小歩危の車窓を経て、そのまま岡山まで乗っていれば良いものを、多度津から快速に乗り継ぎ。高松駅に寄る。銭湯に入って讃岐うどんを食って駅に戻れば、いよいよアイツが入線してくる。あこがれの寝台特急「サンライズ瀬戸号」! 27年前の車両と云うが、車内Wi-Fiが無いことを除けばめっちゃ新しい感じがする。へーこうなってるのかぁとうろうろ写真を撮り回っちゃうし、どうも落ち着かない。

部屋はBシングル上段。窓が広い! 輪行自転車もカラクルSなら個室内の玄関?に入る。やがて出発進行。瀬戸大橋を経て岡山でサンライズ出雲を併結。こんな究極の非日常、眠るのが勿体ない。

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水曜、気がつけば沼津付近。往路のフェリーよりずっと寝心地が良かった。車窓に日の出が昇り、通勤ラッシュが始まる頃の東京駅に到着。有休は今日まで取ってある、グフフ。

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→Facebookアルバム: 2025/2徳島高知旅(写真65枚)

11/17 ゆけゆけ川口広し探検隊

Autorace月初は四国をツーリング予定だったが、弔事となったため全キャンセルとした。ばたばたな日々も落ち着いた日曜、葛飾の自宅からチャリで足立区を横切り、芝川を遡って計1時間。川口市のオートレース駐車場にもう100人余が集合している。プラネタリウムを観に来たことはあったけど、それ以外は通過するばかりだった街が『第3回サイクルロゲイニングin川口』のフィールドとなる。今年から(?)ソロ参戦が認められ、晴れての初参加。もうみんな地図を開けて作戦会議してるが、自分はいちおう開会式後の合図を待ってから地図オープン。

信州サイクルロゲイニングプランナーとしての視察が目的であるから、まずどんな地図かを手にとって読みたかった。上下2枚に分かれており、いちおう地理院地図ベース。方位記号どころか縮尺表示すらないが、そこはまぁ感覚で何とかなるでしょ。チェックポイント詳細一覧は5枚に分かれ、場所により飲食写真で+100点というでっかいボーナスが目に付く。近場の20点以下をちまちま集めるのが馬鹿らしい位だ。

Bashi3時間のファミリー部門は後ほど、その前に6時間のチーム部門&ソロ部門が9時15分にスタート。15時までに帰ってこなくちゃいけないから、実際は5時間45分が競技時間となる。とりあえず地図縮尺と走行感覚をキャリブレーションするため、若干の土地カンがある芝川沿いを下る道から走り始める。オリエンティアが作る地図ならコントロール円の中心が絶対のCP位置だが、ここのプランナーはあえて外しているように感じる。迷う事自体を楽しんでね、という趣向だろう。

大会会場内で時間限定で行われる交通安全教室に100点のボーナスが付くため、時刻を睨みつつ一旦帰還する。もう一つのブンブンバイク体験100点と合わせて意外と早く終わったので、また芝川沿いの方へ。11番CP「ぷりん研究所」が開店時間を迎え、合計111点の高値に化けているのだ。効率良く遠方のコントロールを結ぶというロゲの定石がまるで通用しない。時間と共に得点が変化する、まさに四次元フィールド!

Trainさてこのイベントの目玉企画に埼玉高速鉄道サイクルトレインがある。上下3本ずつ計6本も用意され、何とタダで乗れる。出発時刻の30分前に集合する必要があるし、浦和美園駅まで途中下車できずまたその付近にCPが無いため、ボーナス200点といえども非効率。でも鉄道好きの俺が乗らずにどうする。と言う訳で下り最終便の30分前きっちりに鳩ヶ谷駅に集合。待っている間に食事や「SNSフォローでボーナス点!」みたいな作業をこなしておく。いよいよサイクルトレイン初体験。貸切6両編成に参加者4名! ありがとうございました。

後半戦は高得点の並ぶ北半分で一気にまくる。とは言え「ゆる~く川口市内を自転車で巡って楽しみませんか」がこの大会の宣伝文句だ。飲食ボーナス店舗では座ってゆっくりとおやつを頂いたりアイスカフェオレを飲んだり。ようやく終盤戦のルートも定まりつつあった。こんな楽しい時がずっと続けば良いのに。

Brunが、69番CP「川口自然公園」。見本写真と同じカツラの木を撮らなくちゃいけないのだけど、公園内をぐるぐる探し回っても見つからない。前述の通り円記号がまるでアテにならない。実際には10分少々だけど、感覚的には30分以上掛けてやっと見つけた。周囲の高得点群を泣く泣く諦め、大慌ての撤退戦となる。本日搭乗のカラクルSは、小径自転車ならではの加速性能がストップアンドゴーの多い街ロゲで実際強力だし、急ぐ時のスピードもなかなかのもの。

制限時刻5分前にオートレース場帰還。この時撮るべきデジタル時計の場所があまりに分かりづらかったのが、この大会に対する唯一の不満である(だいたいどっち向けてんだよと)。総得点2681。結果ソロ部門では圧勝、チーム部門の常連強豪さん2566点をも上回って最高得点となった。行く先々で調子を聞かれて「ルールがよく飲み込めなくて・・・」と答えていた。僕が一番、ルールを上手く使えたんだ。

Routeそんな自分でもまだまだ回れていないCPが沢山余っているし、川口市は思った以上に広く奥が深い。また地図を手に、探検しに来たいね。「こういうルールでも楽しめるんだ」とサイクルロゲの新たな可能性も感じた。さて往路と競技で計7時間駆けずり回った後の復路はしんどい。すっかり暗くなって帰宅。去年のせきやどチャリロゲ制覇に続くこの快挙、第一に報告したかった父はもう居ない。

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→Facebookアルバム: 第3回サイクルロゲイニングin川口 #かわロゲ2024(通過した全チェックポイント証明など)

10/12-14 塩山塩尻塩不足

Oodarumi秋晴れ予報の三連休、まず土曜は特急あずさを山梨県の塩山駅で下車する。小径自転車カラクルSの輪行を解いて9時過ぎサイクリングスタート、北へ行こうランララン。恵林寺前のコンビニで買い出しして、山梨市牧丘町のクリスタルラインに入る。早くも心が折れそうな急坂が続き、強そうなロードバイクが追い抜いて行く。

標高差1100mを登ると琴川ダム湖。普通のヒルクライムルートなら試合終了だが、ここはまだ半分ちょっと。一休みして川上牧丘林道に入り、さらに先を急ぐ。残り距離表示があるのは助かるが、あと1kmって所でいよいよエネルギーが枯渇し腕がじんじんに痺れまくる。立ちゴケの恐怖と闘いながら、峠の路駐群が見えて来た。塩山駅から四時間弱、小さくガッツポーズして大弛峠に到達し、すぐに補給食を貪る。標高2365mは日本一高い車道峠なんだそうな。

Yume暗い雲が被りつつあるけど、徒歩15分と云う「夢の庭園」は見ておきたい。一気に標高差2000mを登って来たのが良く分かる絶景がスゴイ級。自転車乗りとして他ではなかなか味わえない感覚だ。下り階段で攣りかける脚を引き摺りつつ峠へ戻るとありゃ、お天気雨が降って来た。合羽を装備する。

ここからが最難関! 長野県側に下りる道はガレガレの未舗装路。ここぞとばかりにオフロードのオートバイたちは元気だが、なぜか押し歩きで登って来るロードバイク一台、私もライディングを諦めて押し歩くシーンが多い。下るほどにかろうじて乗れるようになるのだが、腕力がすぐに悲鳴を上げる。休み休み、一体どこまで続くのか。

Dirtようやく舗装路に出て、ぶっ飛ばす。川上村のナナーズで一休みしたいという予定もぶっ飛ばして、信濃川上駅1555発ハイブリッドトレインに何とか間に合わせた。輪行で佐久市に向かう。これがカラクルS標準仕様の機動力だ!と言いたいが、折り畳み自転車に掛けて良い負荷ではなかったと思う。タイト過ぎる計画もそろそろ身体が付いて行かない。

滑津駅で降りて、麺匠佐蔵で安養寺ラーメンを頂く。この全身疲労困憊では何を食っても美味い。安養寺みそ最高、ツマヨウジ助かる。中込のホテルナカジマで一泊。

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日曜、朝食を摂らず北へ行こうランララン。夏待ちの聖地「あの道」を走ってみるが、浅間山は雲の中。小諸駅から戸倉駅まで輪行する。

Mori上山田の千曲観光局で500円の参加費を払い、サコッシュを受け取る。チクマサイクリングクエスト4、今年はスイーツスタンプラリー形式で実施中だ。早速回りたいが、近くにある店は10時からの営業が多く、空腹のまま長めの作戦タイムとなる。

サコッシュ提示で特典を受けつつラパンエレガントでジェラートを、フロスタでフローズンヨーグルトを頂く。かめ乃湯入浴券が付いているので温泉も堪能、これだけでほぼ元が取れちゃうね。

北上しつつメリメロカフェでカラメルバナナチーズケーキとコーヒー、地図が読めず迷ってミミでカヌレとアイスティー、杏花堂で杏アイスを頂く。もうだいぶ血糖値が上がっている気がするので、歴史公園に自転車を置いて森将軍塚古墳と有明山将軍塚古墳を散歩。すっかり良い天気、来て良かった。

Meliちゅら雲でアフォガードを、主催店であるカフェ自転車屋で洋梨タルトと紅茶を頂く。聞けば全16店を達成した参加者もそれなりにいるのだとか。私はその半分で良い。最後に栄泉堂で杏プリン等を買い、棚田をひいこら登って姨捨駅の待合室で頂く。

どの店も優しい接客、味わい深い工夫を凝らしたスイーツで、すっかり千曲市スイーツ博士になった気分だ。好みで言えばメリメロさん、甘さ控えめで苦味が旨かった。ただ二箇所押すべきスタンプを片方忘れたのが心残り。あとスイーツラリーをやるならマイ塩を持参しないと、深刻な塩分不足に陥るとの知見を得た。

南の塩尻駅まで輪行、ビズホテルに宿泊。彗星は…見えないか。

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Gate何の日だっけ、祝日の月曜。朝日村の朝日が眩しい。信州朝日村サイクルロゲイニング2024に、安曇野ステージより多い参加者が集まっている。サイクルロゲが徐々にだが軌道に乗っていることがまず嬉しい。コンビニでカラムーチョを飲むように貪って、塩分不足はようやく解消。松本ぽたりんぐクラブのM重さんとNaviTabiアプリのテストコースを回れば準備万端? 今回自分は順位の付かないエンジョイクラスで一般参加、作戦なんて臨機応変でいいや。ツーリングの荷物も全部背負ったまま。人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し…。

10時30分に一斉スタート。それからカメラのレンズ交換作業をするし、のっけから大迷いしている有り様。みんなどこかへ行っちゃったが、慌てず風景写真を撮り回る。果樹園や信州の山々がもう有り難き幸せなのだ。だいたい一昨日の疲れが癒えてる訳がないし、急ぐべからず。

Yatsuフィールドは朝日村域は少なく、山形村・松本市・塩尻市に広く跨っている。コントロールはプランナーの百戦錬磨なセンスが面白い。さて一番離れた辺りで昼食を摂ろうとしたらちょっと遅くなった。のまどさんでたこ焼きを食べたかったがもう終わったと言う。向かいの蕎麦屋も、近くのパン屋も同じ返事。すっかり意気消沈して、もうちょっと進んでやっぱり空腹がキツいので、昨日のスイーツの余りを口にする。

気が付けばあと一時間。写真を撮るにも飽きて、もう頑張るしか無い。限られた時間でいかに高得点を目指すかに全力集中している時が、ロゲイニングで一番輝く刹那。結局五時間制限を目一杯使って帰還するのだった。もちろん得点は上位勢に及ぶべくもない。安全教育を重ねて来たここのシリーズで事故などの問題はなく、和やかに閉会。次回の松川村ステージは別予定を立ててしまい、参加出来ない。後で地図だけ見せて貰おう…。

塩尻駅まで戻り、特急あずさで東京に下る。イベント続きだった怒涛の三週間、最後の三連休も怒涛だった。回復できるのかこれ。

→Facebookアルバム: 大弛峠越え&チクマサイクリングクエスト4&信州朝日村サイクルロゲイニング2024

10/5-6 東が秩父で西峠

Sakado東京と上州を結ぶ東武東上線にあって、池袋発の電車が到達できる限界がさいたま県比企郡小川町。ここから先は群馬県、そう誰もが認める地の果てである。ところが、急に思い立って坂戸で一旦下車。支線の越生線に乗り換えてみたくなったのだ。そこそこの客数を乗せた四両編成は単線を進み、終点の越生に到着。寂れているように見えるが、わざわざ支線が存在するくらい昔は権威ある地方都市だったのだろう。

ってか午後には止むはずだった雨がしつこく降り続いている。少し後悔しながら小径自転車カラクルSを組み、北へ慎重に走る。明日のレースに向けて泥除けを外してきてしまったが、湿潤気候の日本において、つくづくそれは欠陥状態である。夕闇の小川町に到着する頃にはすっかり背中が泥だらけ。予定していた外食は断念し、小川町が創業地であると云うヤオコーでの買い食いとなる。

宿はふじのや旅館。土木作業員向けなのか、土曜は他に客がいない。部屋はリフォームしてあるし鍵もちゃんと掛かる。楽天トラベルとかには登録されておらず電話予約だったが、まずまずの穴場と言えよう。細かい事を気にしなければ。

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Fureai日曜の未明、雨は止んだか。宿を出てウエットな路面を、西の山間へ6km移動。秩父市とはさらに西方の峠で隔てられているし、流域的に比企郡であっても良さそうなものだが「秩父郡東秩父村」。かつての秩父は武蔵西部の大都会で、周囲への影響力が強かった。そんな歴史の名残を感じさせる、さいたま県唯一の村である。ふれあい広場駐車場に続々と自転車乗りが集まる。

定峰峠ヒルクライム。一昨年のプレ大会を経て昨年から本開催となっており、龍勢ヒルクライム亡き今さいたま県唯一のヒルクライムイベントだ。日程が箱根ヒルクライムと被っているにも関わらず、募集定員250名は埋まったという。それだけ武蔵国民に愛されている山域と言えようか。私も今年に入って度々奥武蔵グリーンラインをツーリングしており、その流れでエントリーした。

Startゴール地点行きの荷物を預けてしまうとちょっと肌寒い。アームウォーマーくらいは付けておけば良かった。開会式のあと、槻川沿いに4km上流のスタート地点まで移動。まとまって行くのかと思えば各自ばらばら。自由なのは良いけど、県道分岐に立哨ひとり要るんでないかい。橋場信号付近から25名ずつ号砲を受け、自分も7:34にスタートを切る。

あっという間に上位勢は前方へ消え、斜度が緩いうちはなるべくペースの合う集団に付いていく。それもだんだん人数が減っていく。コースはなんかの手違いで昨年より短縮されたとのことで約11.8km、570mUP。いずれにせよボリュームは美ヶ原や乗鞍の半分以下だ。自転車や身体に腕時計以外の計器は付けておらずペースは毎度カン任せだが、短いコースなりに消耗の激しいペダリングを心掛ける。

Finishいっとき陽が射したように感じられたが、また暗い曇天に戻る。後半ペースアップを図るライバルに着いて行けない。秩父盆地との境である定峰峠を左折して奥武蔵グリーンラインに入り、さらに登りが続く。今回は白石峠がゴールとのことだが、あとどれくらいあるんだっけ? 残り距離表示なんて気の利いたものはなく、次のカーブを曲がれば・・・と頑張ってしまう。背後からまたライバルが迫る。

これがなかなか辿り着かず、すっかりへろへろになってしまった。最後の右カーブでようやくフィニッシュ! ゼェゼェ肺がぶっ壊れそうだ。そのぶん達成感も大きい気がする。落ち着くまでだいぶ時間を掛けてから振る舞いの豚汁を頂いて、カラクルcozにゆるキャン△ウェアな方に挨拶。私のカラクルSに「ちくわ」の小さなステッカーが貼ってあるの、良く気が付いたな。

Doudaira晴れるどころかまた霧雨が降っている。けれどもう少し先、堂平山まで足を伸ばしたい。天文台が見えてくるとテンション爆上げだが、標高876mの山頂からは真っ白な景色しか見えない。これは再走確定だ。白石峠に戻って預け荷物を受け取り、着込んで下山開始を待つ。寒いけど、今年の美ヶ原や乗鞍ほどの地獄じゃない。それにしても今年参加のヒルクライムは全部天候に恵まれなかった。

無事下山し、表彰式を見届ける。大会運営は行き当たりばったりに見えてしっかり進行している。エキップアサダさんの統率力によるものだろうか。完走証を受け取ると38分51秒。富士ヒルめいたランク分けがあり、ゴールド・シルバーにはまるで届かないブロンズステッカー。男子40〜49歳の部で74名中41位と、半分より下位に落ちてしまった。ぶざまだお。という訳で来年の明確な目標が出来た。まずは痩せなくちゃね。道の駅でラーメンや餃子を食ったり土産を買ったり和紙資料館などを見学したのち、曼珠沙華咲き乱れる東秩父村を後にする。

小川町駅前のおからドーナツはおからだから実質ゼロカロリーな。東武東上線とJR武蔵野線を乗り継ぎ、実質千葉県の葛飾区に帰る。

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むらよしギムナシオン(参戦記サイト)に今年4月の松本城ロゲイニングをアップ。またあれくらい走れるようになるだろうか。

8/24-25 暑さ寒さも乗鞍から

土曜、臨時E257系あずさで松本に上り、アルピコ交通の往復券を買って電車とバスを乗り継ぐ。稲核付近の車窓に若い熊を一頭見た。乗鞍高原観光センターで下車、標高1460mは期待したほど涼しくない。小径自転車カラクルSの輪行を解き、乗鞍ヒルクライムの受付と荷物預けを済ませる。さすが乗鞍はツールド美ヶ原よりずっと賑やかで出店もたくさんある。昔ほどでは、とは言うけれど。

Roadここから付近を散策しつつ番所地区にある宿に降りて行く訳だけど、断続的に通り雨があるのであまり遠回りはしたくない。案内地図を見ると六兵池くらいなら寄れそうだ。誰も利用しないのにシッカリ整備されているサイクリングロードを進み、池を一周。池と言うより草地だが、まだまだ知らない乗鞍があった。

定宿の寿家に到着。チーム乗鞍連盟の元気な面々が二十名集まっている。久々に少し酒を飲む。

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日曜、実はメンバーの半分しかレースに出場しないと言う状況。年齢的に仕方ないのかな。私もここ一週間続いた腹痛でDNSも覚悟していたが、当日ようやく治った。さらに二ヶ月前の美ヶ原直前に腰を痛めてから、レースに向けたトレーニングらしいことも出来ていない。まぁ毎年そんなもんだよ。

Startスタート会場まで登って、間もなくゼッケン6000番台のスタート。「俺が一番楽しむんだ!」…脚力や呼吸との折り合いを探りつつ、序盤の緩い坂をライバルたちと競い合う。今年から乗鞍連盟ウェアをチーム員がみな着ているので、すぐに発見して声を掛け易いのは良い。第一チェックポイント23'42"、去年より7秒速いぞ。

でも苦しいなあ。今日も断続的に降雨があり涼しく、タイムアタックには好条件のはず。だが中間地点以降、ライバルに置いて行かれるシーンが多くなった。九十九折りはいつものようにインコースを攻めるのだけど、ちょっと無理をしているように感じる。第二CP1:01’36”、逆に去年より22秒遅くなり、自己ワーストペース。しまった中弛みした!

いよいよ脚が売り切れている位ヶ原ハイマツ帯。こんな状況だからこそ、諦めが付かず楽しめてはいる。力押しよりケイデンスを意識すると調子が上がる、気がする。乗鞍岳剣ヶ峰は雲に隠れ、大雪渓の残雪はどんなものか、それすら確認出来ず。残り1kmでスパートを試みるもすぐに呼吸が売り切れ万事休す……いや、まだ終わらんよ。ボルテージ最高潮でもがくだけもがく。

Tatamiハンドルを投げるように標高2716mフィニッシュ。これが全力を出し切った後に観る畳平の絶景だ。すぐに路肩で記念撮影中のI川さんと合流。以前ならレース中に追いつけていた筈なのに、彼の方ばかり年々速くなっている。タイムで逆転されないようにするのも今後のモチベーションになりそうだ。

ゴールエリアで預け荷物を受け取り急いで着込むのだが、そのタイミングでまた雨がザーッと降ってしまい十分に乾けなかった。以降ぶるぶるぶるぶる、やっぱり晴れて欲しかったー。かじかんだ手指で補給食を摂り、少し生気を取り戻す。チーム全員の合流を待てず、下山待機列に加わる。ちょうどチーム幹事のM輪さんがフィニッシュするシーンを見届けて、後はスタート会場まで一目散。ブレーキシューをだいぶ消耗する。

Cert完走証を受け取るとタイム1:27'03"。終盤盛り返したものの去年より10秒遅く、自己ワーストはギリギリ回避。要するにカラクルSで出場し始めたここ三年間は誤差程度の違いしか無い。シンシュウエナジーなどの振る舞いを受け取り、寿家に急行して温泉にとんとんと突進。やっと指がまともに動くわ。

昼食後、後ろ髪引かれつつ宿を離れスタート会場まで登り返し。バス輪行に間に合わせると、同志の者十二名。全国的な運転士不足の折り、新島々駅直行の臨時便を出してくれているのが有り難い。それにしても、とんでもない深山幽谷に道路を通したものだ、と車窓を眺めて思う。松本のクリエでケーキセットを頂き、E353系あずさで東京に下る。車内はとても寒いけど、関東平野はまだまだ暑い。

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むらよしギムナシオン(参戦記サイト)に去年12月のフィールドディスカバリーゲームin知多をアップロード。今は足首痛のためランニング系のイベントはエントリーも見合わせているが、そろそろトレーニングを再開したい。

8/3-4 ガタガタ言うなよ これが山形

Station土曜。バカに余っているJR東日本ポイントを消化すべく、何度か目の「どこかにビューーン!」利用。指定された行き先は山形新幹線赤湯駅となった。今年デビューしたばかりの最新鋭E8系つばさに乗れるのが嬉しい。福島でE5系やまびこと切り離され、秘境めいた板谷峠区間もなかなかスピーディーに越えていく。

せっかく南陽市赤湯に来たのだから、ラーメンくらいは食っておこう。いもせ食堂、なるほど良い雰囲気のお店に美味しいラーメンで、エネルギーと塩分補給はバッチリだ。輪行で持ってきた小径自転車カラクルSを駆り、北へ行こうランララン。国道13号の旧道を辿りつつ、上山市へ。

Sky41中心市街地を探訪する予定だったが「!?、あれは何だ」。その威容に惹かれ、東側のバイパスを進む。そう、ネットミームめいた田んぼにぽつんと建つタワーマンションはここにあったのだ。スカイタワー41、良い写真が撮れた。

道路の気温計は35℃と容赦ない。国道を右折し東へ、県道14号のヒルクライム区間に入る。標高190mから850mなら大したことはないと思っていたが、日陰の少ない尾根道が続きオーバーヒート。何度か休憩を余儀なくしつつ、爆裂火口壁に囲まれた蔵王温泉を望む樹氷橋へ。もう一息だ。

Shigi鴫の谷地沼(しぎのやちぬま)に寄ると、子供のイノシシが何匹か逃げていく。個人的には熊よりレアな存在、野生で見るのは初めてかも知れない。もう少しだけ登って、温泉街のロッヂスガノにチェックイン。一休みのち、気さくな宿主から入浴券を頂いて外湯巡りに繰り出す。やや混みの上湯、熱い下湯、湯船の下から湧く川原湯の3つを堪能した。酢川温泉神社を経て温泉街の北端あたりに、かすかに見覚えのあるエコーハウス。中学一年時のスキー教室で泊まった宿ではないか。

ロッヂスガノ併設のレストランで山形ピザを頂き、すっかり夜。意外と雲がすっきり晴れて、新月に近いお日柄で星景写真を撮るシャッターチャンスだ。チャリで鴫の谷地沼に行き、APS-Cレンズ交換式カメラα6700を空に向ける。沈みかけのさそり座から天の川が立ち上がるさまが肉眼でも分かる。しかしどこかのホテル?がサーチライトを放っており、下品に振り回してはいないのだけど、夏の大三角あたりを避けて撮影しなければならない。すなわち、星景撮影には不適であった。宿の温泉に入って就寝。

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Shira日曜。コンビニパンを朝食とし、西へ山を下りていく。悩ましい暑さが続くなかでこの涼しさがたまらない。山形市街地の南を掠め、富神山の麓からは県民の森に向かって今日も登り坂だ。脚の筋力を鍛えるとかじゃなく、いかにオーバーヒートを抑えるかが最優先事項だから、あまりヒルクライムのトレーニングにはなっていない。

伝説の礫石(つぶていし)を経て、大沼へ。ここらは他にも無数に沼があるけど、熊に逢いたくないから県道17号を離れず進む。いつの間にか登りは終わり西黒森山の西側に回れば、最上川が刻む谷の向こうに朝日連峰の山塊を望みつつの下り基調となる。風光明媚な快走路、やがて白鷹町の市街地へ。食堂が開く時間ではなく、スーパーで早めの昼食を摂る。

Aratoせっかく赤湯に来たのだから、旅に山形鉄道フラワー長井線を絡めたい。という訳で最果ての荒砥駅からフラワー!なラッピングの単行気動車に乗り込む。カーテン全閉で車内はちょっと暗い。置賜盆地の車窓風景もそこそこに、宮内駅で途中下車(完乗は21年前にやったはず)。かつてウサギの駅長で名を馳せた有人駅で、ウサギの絵をあしらったグッズを2点ほど買っておく。

いくら水をがぶ飲みしても足りない暑さに苛まれつつ、日本三熊野と云われる熊野大社へ。南陽市役所ラーメン課とコラボしているラーメン大好き小泉さんのポップがここにもある。本殿裏にはウサギが三羽隠し彫りされていると云うが、滝のような汗を流しつつ目を凝らして、見つかるのは一羽のみ。写真を拡大すればもう一羽…。

Furin自転車で少しの距離を移動し赤湯に戻ってきた。元湯が休み時間のため湯こっとで入浴。観光センターで土産を買えば、あとは帰りの新幹線に乗るだけ。E3系は秋田新幹線の運用で乗ったことはあるかな。空いているせいか冷房が効きすぎで、猛暑ながら羽織るものを持ってきておいて助かった。また暇を見つけて利用したいどこかにビューーン、一度くらいは盛岡以遠を当てたいものだ。

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むらよしギムナシオンに「せきやどチャリロゲ2023」参戦記を追加。あの時は寒かった。

6-29-7/1 凍るド美ヶ原

Wear土曜、特急あずさで昼過ぎの松本駅に降り立ち、小径自転車カラクルSを組む。ツールド美ヶ原の受付へ駆け付けて乗鞍仲間のIさんKさんと落ち合い、「乗鞍連盟」のサイクルウェア上下を受け取る。チーム員に関連するロゴが随所に配されており、CARACLEの文字もある。明日はこれを着て走ろう。

出店は随分少なくなった印象で、せいぜいジェラートを食べるくらい。急坂を避けて三才山集落経由で美鈴湖畔に登り、カフェピラータさんに到着。だべったりツールドフランスを観たり食事を頂いたりギターを弾かせて貰ったりして、そのまま雑魚寝。寝袋は持参してきた。

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Drum日曜。フィニッシュ地点で受け取る荷物は前日預けとなっており、当日朝は自分の出走時刻までゆっくりしてて良い。とは言えチャンピオンクラスがスタートする頃、ぼちぼち山を下りる。ここ数年は疫病騒ぎがあったり私の転居があったりで、「ここがホームコース」のつもりが5年ぶりの参戦となったツールド美ヶ原。フルコース開催では7年ぶりとなるが、それでもイベント別では自己最多17回目の出走となる。やっと帰ってきた…。

練習状況から目標タイムは1:30‘と見込んでいたが、数日前に寝返りが打てなくなるくらい腰を痛めてしまった。慣れない筋トレなんてするからいけない。痛みは引いたものの「目標は完走」に切り替えて、伸縮式ハンドルを高めに設定するなどタイムより安全衛生重点な。サービスのアミノバイタル🟥🟦を頂き、8時05分の男子46〜50歳クラススタートを迎える。

Start天候は雨の気配がする曇り。気温が低くて条件は良い。序盤の名物激坂は何とか蛇行せずに乗り切り、呼吸と折り合いをつけながら美鈴湖畔へ。沿道の熱い応援が嬉しい。1CP21’44”。ここから同時スタートのライバル数名が定まっていく流れが、昔のままで懐かしい。ただ、やはり今回は腰痛の到来が早い。頻繁に伸びをしないといけないし、長い登坂に慣れてないから出力(呼吸の荒さ)に波があってなかなか安定しないのも悩ましい。2CP40’33”。

リカンベント以外では小径車をあまり見かけないが、カラクルcozを見つけて頑張れと声を掛ける。またEバイク部門が最終スタートから異音を立ててどんどん抜いてくる中盤戦。1速より軽いギアが欲しかったのかシフトをミスってフロント脱チェンを起こし、足を付いてしまった。すぐに立て直してライバル集団に復帰する。標高が上がってくると、涼しいと言うよりちょっと寒いな。3CP1:17’22“、ボトル塩水で足りていて給水は受け取らず。

Finish腰痛坂をクリアして、思い出の丘からいよいよハイスピードバトル区間。冷たい雨が降ってくるし強い向かい風がライダーを苦しめる。二つある下り坂は小径車じゃ怖いよなーと考えていたが、この風ではどうせスピードが乗らない。それより深い霧も相まって、周囲のロードバイクの方が大幅に減速している。まさかここで小径車の方がゴボウ抜き、という奇妙な展開となった。ここはホームコース、目を瞑っても走れるわ(大袈裟)。

霧に見え隠れするレンゲツツジを横目に、最後の全力もがき…これがツールド美ヶ原だ。FINISH1:32’47”、無事に走り切れて良かった! 順位は上位1/3ほど。荒ぶった呼吸を整えながらカヴェンディッシュ(バナナ)とアミノバイタル🟨を頂き、荷物を受け取って急いで着込む。それでも時折の暴風雨が容赦なく体温を奪い、とても写真を撮り回る余裕などない。年々パワーアップして少し先にフィニッシュしていたIさんとさっさと下山待機列へ移動するが、ここでの待ち時間がやたら長く感じてしまう。集団遭難めいた光景に思わず「隊長、あの木に見覚えがあります!」…。

Pirataようやく下山の順番が来る。例年は煩わしい二ヶ所の登り返しも、脚を回せば少しは温まるのだから今回は有り難い。武石峠まで下りてしまえば風雨は止み、心配していたほどの絶叫下山にはならなかった。今年もカフェピラータさんのトマトスープ振る舞いがあり、みんなで命拾いする。スタート会場まで戻って完走証、菓子類ときのこスープを頂きイベントは終了。表彰式などは廃されたが、それでも充分にホスピタリティの高さを感じた。

Diorama・・・さて、明日は休みじゃグフフ。という訳で浅間温泉の宿を予約してあるが、チェックイン時刻まで暇だ。ホテルのロビーもいつまで居られるわけもない。時折の雨が悩ましいが中心市街地に下りて、レース参加者用の招待券で松本市立博物館に入館する。移転リニューアル後は初めてで、目玉展示の「城下町全部再現しちゃいましたジオラマ」?が素晴らしい。様々な町人のドラマまで小さく目に浮かぶようで、しかも今の見知った街並みと脳内で対比出来るから、ずーっと眺めていられる。せっかくだから他の展示がもっとジオラマと興味関心を増幅し合うような仕組みに改善できないかな。

伊東園ホテル浅間の湯にチェックイン。今日まで使える値引券があったので夕食バイキングも付けた。あまり旨くはないが、過ぎた贅沢である。お酒飲み放題も、私にはワイン一杯が精一杯。

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Obasute月曜、朝風呂とバイキング朝食を済ませてチェックアウト。安曇野の気になる店を巡る予定だったが、本降りの雨でとても走る気がしない。レース仕様のため色々外して来たが、つくづくCfa気候の日本において泥除けのない自転車は欠陥品だと思う。バス輪行で松本駅へ。

天気予報によれば、千曲市の方がマシ。篠ノ井線の長野行きに乗って姨捨駅で下車する。小雨が残っているが、自転車を組み走り出して間もなく止んでくれた。目的は、平日しか開いてないであろう千曲市役所内にある、アニメTurkey!祭壇。じっくりと制作が進んでいるようで、来年?の放送が楽しみである。

Jitensha昼食はcafe自転車屋さんで。去年のチクマサイクリングクエストでスタッフ仲間だった。諸事情で今年はロゲイニング形式ではなく、以前のスタンプラリー形式に戻すようだ。それにしても、美味しいものは美味しいな!

しなの鉄道屋代駅で輪行し、上田から新幹線で東京に下る。平日の夕刻に通勤電車は避けたくて、上野駅から自走で帰宅。昨日体が芯から凍っていたのが嘘のように、酷暑の時季である。

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