9/8 スクリーンにスクリーム
台風の影響による小雨がわずかに残るなか、田溝池へ10.5kmのジョギングとシャワーを済ませ、歩いて街に降りる。上土ピカデリーホールという古い映画館を活用した建物があって、サイトウ・キネン・フェスティバルを同時中継したスクリーンコンサートが入場無料で行われるのだ。チラシに書かれた開場時間より早く着いたが、240席は既にほぼ満員。松本城公園での上映が雨天中止となった影響もあるようだ。
午後7時過ぎに小澤征爾登場。立って歩くことさえ痛みをこらえてやっとという容態だが、ファンの為にチャイコフスキー弦楽セレナード第1楽章だけ指揮を振るう。なんという人だろう。音楽の才能だけではない高み。SKOが日本で別格のスーパーオーケストラであり続けた理由がここにある。
指揮は健康的な下野竜也による代行となり、権代敦彦デカセクシスの世界初演が始まる。意味不明な現代音楽もSKOの手にかかれば面白く、グッと集中してスクリーンを凝視し続けた。休憩時間の後はブラームス交響曲第1番。これを作るのも凄いが演じ切るのも凄い。圧巻のフィナーレに会場は興奮の坩堝と化し、スクリーン越しと言えど拍手は鳴り止まないのだった。音響もそこそこの広さで量感たっぷりだったが、いつかは本会場でもっと繊細な高音の響きを味わってみたい。
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