11/23 野越え山越え川越街道
少し明るくなってきたところでさっさとテントをたたみ、群馬藤岡を出撃。松本のような盆地に住んでいるとまず見ることがない、地平線の太陽が眩しいのは、さすが関東平野。上州の山々を背に神流川を渡ると埼玉県に入り、赤城乳業の工場が迎える。さらに荒川を渡ると、男衾(おぶすま)駅がある。
かつて東京と新潟県長岡を結ぶ計画だった鉄道は上州の渋川までに縮小され、東武東上線と名付けられた。それも埼玉県寄居までしか開通せず、運転系統は小川町で分断されている。ここら辺は仕方なく単線で普通電車だけ通しているという風情だ。男衾という駅名はインパクトもさることながら、何と言っても日本映画の最高峰、緒形拳主演「鬼畜」の聖地で、一度訪れてみたかった。想像以上にこじんまりとした駅舎。もしも発車のベルが鬼畜のオルゴールだったら、知ってる乗客はみな列車を飛び降りるだろうな。東京タワーに連れて行かれたら大変だ。
渺々右に富士山を眺めつつ、今日も国道254号の旅。東京スカイツリーまで見えてきて、観光の目玉は小江戸川越。独特の心地よさがあった朝ドラ「つばさ」の聖地で、歩行者天国じゃないのが不思議なくらい賑わっている。これがアマタマ堂か。自転車を置いて歩き回り、菓子屋横丁で長さ80cmはある麩菓子を買って、すぐに食い尽くす。あと、なんで川越に八十二銀行の支店が?
ちょっとのんびりし過ぎた。川越街道をふじみ野市、三芳町、新座市、朝霞市、和光市、成増市…あれ、いつの間に東京都に入っている。シグナルストップの頻度も増しつつ、池袋。自転車が通れない山手線の跨線橋が最大の難所で、何とか抜けると後楽園のコースターがみえてくる。もうひとつ谷を過ぎて、とうとう本郷三丁目が国道254号の起点。誰も松本に繋がってるなんて思わないだろうなぁ。
これで旅の目的は達したが、全ての道は日本橋に通ず。もう少し進んで秋葉原をかすめ、日本橋の道路元標まで到達。もう暗くなった。ライトをつけて国道6号方面へ、葛飾区の実家まで走ってサイクリングは終了。思う存分走れて良かったよ。 明日はつくばマラソンの応援だけして、嶺上開花(電車で帰ろう)。
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