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5/23 プランナーズハイ

Mapcp先週痛めた右足底も自転車を漕げるくらいには回復したので、浅間温泉の激坂を登る。標高1000m、今日はカフェピラータで行う「美鈴湖サイクルオリエン」の主催者として、受付から集計まで業務をこなすのだ。

ロゲイニングに何度も参加していると、自分でもプランニングしてみたくなる。またピラータには以前「”美鈴湖”がぴーくす」という、周囲の坂を全部登ろうというイベントがあった。それらをベースに素案を持ち込んで話し合い、改良して誕生したのがこれである。参加者は主に「松ぽた」方面から募って頂くとして、いきなりスコアオリエンテーリング(ロゲイニング)とか言われても何をしてよいか分からないだろうから、地図・写真例一覧は事前公開とした。いちおう色覚特性にも配慮して作製したつもり。印刷以外にもデジタル時計を買うなど若干コストは掛かっているが、参加は無料とした(松ぽたのカレンダーを無料で貰ってるし…)。

Info一週間前のウルトラオリエンテーリングよりよっぽど今日の天気予報に気を揉んでいたが、爽やかな晴天に恵まれた。ワクチン業務等で仕方なくキャンセルもあったが、最小催行人数3を大きく上回る方が集まり、松ぽた様様である。車種はロード、MTB、Eバイク、そしてランニングと様々。サプライズとして愛知県からTさんが急遽駆けつけてくれた。また通りすがりの人を強引に?誘って計10名が出走。個人的には十分だが、お店への貢献を考えるともう少し集めたかったかも。そして、受付で待っているのは案外ヒマである。

自転車イベントで一番怖いのが、誰かが事故るんじゃないかということ。特に疲れてくるとリスクは飛躍的に高まるので、制限時間は中途半端ながら2時間30分とした。遅刻やメカトラがありつつも無事みんな帰ってきてくれた。「順位付けはしない」とは言ったがやはり上位戦線は気になるもの。何と愛知県のTさんがトップスコアを叩き出した。土地カンがないのに凄い読図力である。彼の主催する知多ロゲイニングin東海市、FDGinみよしで私が優勝しているので、その意趣返しを果たしたという訳だ。

Marker余った地図に各々のルートをマーキングして頂き、これで感想戦にも花が咲いたようだ。イベントはアフター重点な。地図が事前公開だったのでそうなると予想していたが、高得点者は似たルートになりがち。誰も激坂ルートを通ってないのはプランナーとして敗北ポイントである。北のほう、小日向集落の湧水を穴場として紹介できたのは勝利。意外に多くの方から「面白かった、またやろう!」と言って頂いたのは嬉しい限り。地図読みスポーツはきっとまだまだ面白くなる。

「ウルトラオリエンテーリング・元善光寺-善光寺」176km完走、「美鈴湖サイクルオリエン」企画成功と、二週連続で人生最大級の経験を得た。この高揚感が過ぎれば元のしがない求職者に戻る訳で、落差がありすぎる。旅に出たいわ。

今回のイベントの様子を、短い動画にまとめてみる。先週の自分褒美でMac miniを6年ぶりに買い替え、Apple M1チップのパワーで編集作業はすこぶる快適になった。しかしゆっくりボイスを細かく調整できるアプリが動かず、そこだけ旧機を使っている。→ニコニコ動画: 美鈴湖サイクルオリエン2021

また、今更ながらむらよしギムナシオンページに「サイクリングin乗鞍2019」「松本マラソン2019」の参戦記(詳細版)をアップ。今年も参加予定、走れるといいな。

5/14-16 距離的にありえんオリエン

Mazda金曜、JR飯田駅に降り立ちキラヤスーパーで買い出し。夕食は満津田で牛焼肉丼を頂く。飯田に来るといつもここ。今場所は三段目スモトリ・満津田の調子も良さそうだ。

シルクホテルアネックスにチェックインすると、ロビーで大会運営のKさんMさんYさんに遭遇。このご時勢で多くの方が出場を辞退され、あと戦友のGさんも辞退されたとのこと。明日は誰を追ってレースをすれば良いのか。

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土曜、朝食とFDGみよしの賞品にあったUTAサプリの試供品を摂取し、電車で元善光寺へ。ざっと60名が乗り込んでいて、つまり参加者の大半である。まずは寺の階段を登り本堂に手を合わせる。アイサツは大事。古事記にもそう書かれている。

Startウルトラオリエンテーリング・元善光寺-善光寺』コースプロフィール176km、累積標高3,020m・・・「そんなの絶対無理!」と思って当初はエントリーを見合わせていた。だがこれに出ておけば長野県のマラソンイベントに思い残す事は無いだろうと、だいぶ遅れてエントリー。以来、出来る限りの準備はしたつもり(ツーリングを楽しんでただけ)。カフェイン断ちによる頭痛も解消して頭は冴えている。受付で地図セットと専用GPS端末を受け取る。このGPS情報はWeb公開され、誰でも観戦できる仕組みだ。

午前6時、辞退された方々に申し訳ない気持ちを残しつつ、でも待ち焦がれたスタートの刻を迎える。地図上で指定されたコントロールと呼ばれる特徴物を、制限36時間で順番に写真撮影していくルール。とりあえず自分の順位が分かる位置でレースを進めたい。ところが二万五千分の一スケールにまだ慣れていない先頭2名が次々と、最初のコントロールを500m〜1kmオーバーランして引き返しを余儀なくする。その次の選手も分岐を見逃して、あらぬ方向へ走り去る。

…俺がトップじゃん。まぁちょっとだけ良い気でいさせてくれや。河岸段丘登りに入り、私も分岐を100mほど間違え、やはり追い付かれるのだが。コントロール「延命地蔵尊」は写真見本とだいぶ草木の生え方が異なり、しばらく走ったあと不安なって引き返して再確認、ヨシ! 176km走っといてDSQ(失格)は避けたい。

20km地点の飯島エイドはルールブック上は通過不要だが、貰えるものは貰っておこう。ところが現場では通過必須の判断で、その混乱で私がトップ到着になってしまった。・・・ここまで上位争いを演じてしまって、「La victoire est à moi(調子に乗んな!)」って方が無理じゃんね。かかり気味になって、駒ケ岳SAからはとうとう単独トップに躍り出る。ちょっとしたトレイルを経て善光寺…ならぬ光前寺、こまくさ橋を渡り北へ北へ。

Ina追い風は助かるが、いよいよ晴れて暑くなってきた。これは相当数のリタイアが見込まれる。伊那地方の国道や県道は狭くランニングには不適なので、配布地図には交通量の少ない推奨ルートを示すピンクのラインが引かれている。またその道を通らせるためのコントロール配置になっている。これが案外複雑で、ロゲイニング慣れしてないと心が折れるだろう。あまり頭が疲れないよう、ずっと真っ直ぐで良い道はあえて地図を見ないで心を休める。おっと、なるべく全ての通過市町村でマンホールを写真に撮るという遊び心は忘れない。

田切地形によるアップダウン、羽広観音へのアップダウン、暑さと給水不足にダメージを負いつつ63km地点の箕輪エイドにトップ到着。ヘッドライトの点灯チェックを受けて、ここからの地図セットを受け取る。エイド食はハッピーターンやカントリーマアムといった喉を通りそうにないものばかりだが、なるべく食べる。せめてバナナでもあれば…。配布スポドリもカロリーオフタイプだし。小さい羊羹2個を補給用に持ち出しリスタートする頃、Y選手が到着。強豪は私みたいにエイドでだらだらしないから、すぐに追い付かれるだろう。

案の定じわじわと追い付かれ、一気に追い抜かれる。ここまで本当に良い夢を見させて貰った。ツインターボばりの「大逃げからの逆噴射」が始まる。徳本(トクホン)水がコントロールになっていて水分不足は解消するが、今度は圧倒的カロリー不足に悩まされる。エナジージェルをちょびちょび摂っているだけでは足りるはずもなかった。事前にちゃんと計算をしていなかった私が悪い。

ルートは初期中山道・牛首峠へ大きく西に迂回する。とうとう歩き混じりになり、喉を通らないカロリーメイトを少しずつかじりながら峠越え。去年近くの蛇石キャンプ場で熊を見たから熊鈴必須な。ここからはほぼ知っている道で、ハッピードリンクショップがどこにあるのかも把握している。桜沢に下りて早速、弾けるレモンの香り、ポッカレモネード!…ってこれカロリーオフタイプじゃん。人工甘味料は滅びろ。コンビニでパルムアイスとタピオカミルクティーを摂り、やっと走れるようになるが3位転落。

Castleこの大会を知っていると言うジョガーに声を掛けられ、嬉しいけど心に余裕が無い。もうだいぶ暗くなってきたなか、村井から出川までピンクラインがえらい複雑。ツルヤスーパーに行くとき良く使う抜け道だが、踏切の使用は避けたい。とうとう反逆して国道・県道を進むことにする。カフェインドリンク解禁としてコーラを呷りつつ午後8時、114km地点の松本エイド(松本神社)に到着。いつの間にか2位に返り咲いているが、これも風前の灯火だろう。

ヘッドライトの他にスマホのバッテリーチェックも受けて、新しい地図を貰う。デポジット荷物の食糧少なすぎたかなー。半袖Tの下に長袖Tを着こみ、仮眠は取らずに出撃。このへんは自宅から500mの位置だし帰ろかな、帰りたい、おふとん夢の中…。四日目の月が沈み真っ暗な林道の防獣柵を越え、刈谷原峠は完全に歩き。下り坂もとうとう走れなくなり、眠気で目の焦点が合わずふらふら歩き。やはり私はここまでの男だった。挫折感に打ちひしがれながら順位も落ちていくが、自販機前でコーヒーナップ(小仮眠)をとり、歩けるようにはしておく。そうすればいずれゴールに着く。さすがの星空もあまり観察する余裕は無い。

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Tachi日曜、地獄の立峠に入った。山の中は松の花粉だろうか、ヘッドライトの光にずっと大量の粉が照らされている。喉がいがいがするわ。「山に体を立てちゃいけない、体を沿わせるんだ」という格言?を思い出しつつ、ふくらはぎが死ぬのではと懸念していたトレイルの急登は案外大丈夫。だが大腿四頭筋?の踏ん張りが効かず、坂を下るほうが困難になった。もう一つ中ノ峠を越え、命からがら137km地点、最終の西条エイドへ。メンタルもすっかりやられているのか、私にしてはスタッフとべらべらしゃべる。

自己最長距離は24時間ロゲイニングの時の132kmなので、もう完全に未知の領域に入った。2km区間だけ走れたが、歩きに戻る。もう一度数分の仮眠を取り、麻績へはまた推奨ルートと違う道を通る。草木も眠るウシミツ・アワー、国道もほとんどクルマ来ないしね。ガッタリを経て最後の山場、猿ヶ馬場峠へ。ロスト気味の他選手と少し協調しつつ、聖湖に登り着く頃には朝になった。ヘッドライトをしまう。

Kuwabara下り坂がますます無理になって、ここでリタイアすることもできず、気の遠くなるような長い時間を掛けて桑原集落へ。本降りの雨になりウインドブレーカーを着込むが、低体温症の心配も出てきた。稲荷山のコンビニに寄りコッペパンを購入すると、なんだ、ちゃんと喉を通るじゃん。これで走れ・・・ない。右足裏に激痛が走る。雨による靴濡れでアイシングされていなかったら、気絶もんだ。

「とうとう地図に長野駅が見えてきましたよ!」と嬉しそうな他選手。彼なりにここまで至ったドラマを感じ、私も少し前向きな気持ちになる。女性トップらしき(後日注:混合チームの方)にも抜かれつつ、丹波島橋で最後のインゼリーを投入。駅前からの参道はマスクを着用。トイレを探しているうちにまた順位を落とすも、善光寺信号直前で1人抜き返す。ここからは走行禁止でほどなく駒返橋、176kmフィニッシュ地点に午前11時23分37秒、つまりタイム29時間23分37秒、全体12番目での到着となった。記念撮影には笑顔を返すが、無心に近い。

Zenko徳寿院という宿坊に移動。全58コントロールの写真確認を経て、元善光寺&善光寺の御朱印を完走証として受け取る。DSQにならなくて良かった。シャワーを浴び、眠くならないうちにリーブ。改めて善光寺本堂にお参りすると、ようやく涙が滲んでくる。ここ数ヶ月は甲斐善光寺・関善光寺・元善光寺・善光寺東海別院・岐阜善光寺・善光寺大勧進・善光寺大本願そして長野善光寺(ようするに元善光寺サイトのリンク先すべて)を巡り「完走できますように」と手を合わせてきた。完走というか完歩になってしまったが、ついに成就できたんだ。「ありがとうございました!」。

大会カメラマンという激務をこなすHさんにも別れのアイサツをし、もうほぼ歩けないのでバスで長野駅へ。駅のエレベーターを使うなんざ、9年前の群馬遭難時以来だ。電車で松本に戻り、モスバーガーで1,400円の豪食。バスで帰宅…ここのバス路線を使うのも9年ぶり。

Prize敗因をまとめると、大逃げからの逆噴射、圧倒的カロリー不足、大腿四頭筋の力不足、右足裏の謎故障。勝因をまとめると、前半の地図読み(自分が一番短距離ではないか?)、暑さ耐性くらいか。まぁとにかく経験不足。かといってこれから経験を積もうとか、今はそんな気分じゃない。足が治ったところを、このレースのゴールとしたい。

→Facebookアルバム: ウルトラオリエンテーリング・元善光寺-善光寺2021

4/30-5/1 全身渋イェー

Kiri朝6時、松本の自宅から北へ、いつもの善光寺街道ジョギングをスタート。すぐに刈谷原峠の未舗装路に入り、熊鈴を鳴らす。走り始めの脚でも歩きが入るほどキツい坂。ウルトラオリエンテーリング本番ではおよそ120km地点にあたるが、どうなることやら。

次の立峠トレイルはほぼ登山道で、ふくらはぎを殺しに来る。今から強化できるかなあ。下りの石畳も走りづらい。麻績村セブンで昼食をとり、猿ヶ馬場峠へ。天気はまだ良好だが、下りトレイルはぬかるんでいるのが難儀だな。桑原宿まで下り座って靴の汚れを落としていたら、鳥の爆撃を食らう。帽子があああ。

Zenずっと似たような右カーブの道で考えるのを止めるころ、丹波嶋宿へ。犀川を渡って参道を登れば長野善光寺到着、60km余りの道のりだった。最近隣県の善光寺巡りをしていたが、やはりここはデカい。昔の善男善女が感動の涙を流した気持ちがよく分かる。大本願、大勧進、善光寺本堂をお参りし、御守も授かっておく。

今回のジョギングはあとちっとだけ続くんじゃ。東へ村山橋を渡り、須坂駅前へ。以前に群馬県境の毛無峠までジョギングした道と繋げた。ここでいよいよ雨が降りだし、もう電車に乗ってしまおうか五分五分で迷う。雨よけの帽子が使えないのも悩ましいが、やっぱり予定通り走ろうよ。北へ向かい、道の駅小布施へ。走路がジグザグしているのは距離稼ぎもある。

Yuda中野市街へ向かう頃ようやく小康状態になって、大きな虹が現れたのはサプライズ。登山列車の様相となる長野電鉄線と何度も交差しながら、終点の湯田中駅に到着。ローソンで最後の補給をとり、もうひと頑張りで渋温泉。ちょうど100kmで今日のジョギングを終えた。夜8時、チェックインの都合を考えるとこれくらいが精一杯だろう。途中で諦めた別世界線の自分に「ざまーみろ」。

宿は養田屋旅館。内湯は熱くて入れないが、屋上の露天風呂はいい感じ。無粋な電灯を(勝手に)消して空を眺めると、春の星座たちや流れ星。こんな贅沢なかなか無い。だが本来、ゴールデンウィークなら賑わってないといけない。今夜の客は私ともう一組のみ。時節柄とは言えなんてことだ。会食を伴わない一人旅ならがんがんすれば良いのだ。普通はそんなことしないか?

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Shibu朝起きたらマスターキーを持ち、浴衣に下駄で外湯巡り。渋温泉宿泊者の特権である(今は大湯のみ日帰り可能になったらしい)。さすが良い雰囲気の街で、モンスターハンター「ユクモ村」に模したイベントがあったり「千と千尋の神隠し」のモデル館があったりするだけのことはある。とは言えやたら熱い湯が多く、かぶるのがやっとの所も。九ヶ所のうち五ヶ所を巡って宿に戻ると朝食タイム。ボリューム十分、味は満点、山菜も嬉しい。

地獄谷野猿公苑でもまた散歩して湯田中から電車で帰る予定だったが、体調良好で今日も走れそう。渋峠を越えて草津温泉なんて夢だが、昨日の今日では無理ぽ。路面凍結との情報もあるし…。ジョギングで夜間瀬から北へ、無名の峠を越えて須賀川地区へ。さらに下りて木島平村を経由し、飯山市「菜の花公園」に到着。凄い香り。花の名所としても県内有数で、一度は見てみたかったんだ。だが斜面いっぱいではなく段々畑状だったりで、映える写真を撮るには工夫がいる印象。

Nano

千曲川を見おろす景色は絶好で、その河川敷にも広い菜の花畑が見える。あっちも行ってみよう。という訳で「道の駅花の駅千曲川」前へ。すっかり黄色に包まれるし、将来もっと畑を広げそうな気配もある。相当ゆっくりだったけど、飯山駅まで33km走ってトレーニング終了。鈍行で松本に帰る。

相変わらずウルトラオリエン176kmを完走できるイメージは湧かないが、必要な装備や、今からでも強化すべき点など見えてきた。これが最後の長距離練習というのも寂しいが、万全の体調と準備で本番を迎えたい。

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