4/28 うしろ髪心技体
昨日上高地で開山祭が行われたとの報に接し、GW直前の本日チャリで出撃。天気は晴朗だが、向かい風が強い。さかた菓子舗に寄ると、まだ朝9時半というに次々と客がやってきて繁盛している。私も昼食用におやきを3つ買っておく。これくらいの楽しみがないとここから先、地獄のトンネル街道は抜けられない。
西へ西へ登り坂が続く国道158号線。キロメートル級の狭くて暗いトンネルが目白押しで、面かぶりクロール気分の数時間。その最終関門がマイカー禁止の「釜トンネル」だ。去年、あまりにも酷だった旧トンネルに代わって新トンネルが開通した。すなわちニューカマー。ここでカマを掘られちゃかなわんので歩道部分を走ってみるが、幅60cmほどと狭くて気が抜けない。新トンネルといえど、斜度11%が1310m続くのだ。抜けてしまえば「ヤッター!」と達成感はあるが、昔と比べると歯ごたえに劣る?
まず微妙に噴煙を上げる焼岳がお出迎え。太兵衛平のカーブを曲がると、西穂高岳・間ノ岳・億穂高岳・前穂高岳の順で真っ白な連峰が一瞬でまみえる。この強烈なインパクトはバスで来たのでは得られないだろう。どんな麻薬よりも効く。疲れなんか一気に吹っ飛ぶ。
ウチから4時間かけて、ようやく上高地観光の中心、河童橋に到着。早速おやきを食べる。具沢山で皮が薄いので、カロリー補充としては不十分だったかも。
圧倒的な空間美の中をウロウロする。こんな青空の上高地は初めてだし、今年は雪が多く残っていてまだ冬の様相なのが面白い。いくら写真を撮っても飽きないよ。新緑の季節にまた来れれば素晴らしいだろう。帰り道の苦行を考えると、ずーーっとここに居たい。テント持ってくりゃ良かった。
日が傾いてくると、山の魅せる表情も変わってゆく。帰らなければならない。うしろ髪を引かれる思いで少しずつ穂高岳から離れて行く。未練タラタラで振り返る度に写真を撮るから、予定よりどんどん時間が遅れる。寒くなってきた。
太兵衛平のカーブを曲がると、まず釜トンネルがお出迎え…。登りも下りもこのトンネル街道は、後方からのゴォォォオオオという音の恐怖に耐える心、荒れた路面でも安全運転をする技、長距離のアップダウンを一気に越えうる体、の心技体を高いレベルで消費する。無事松本平まで下り切った頃には、すっかり衰弱してしまうのだった。
明日からは見ろ、ゴミが人のように押し寄せるのだろう。新島々ターミナルで大量のシャトルバスが待機していた。
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