7/1 梅雨明けの須高と
土曜は自暴自棄に過ごした。
日曜、例年ならツールド美ヶ原で激走する朝。あの約90分は一年で最も自分が生きてることを実感する時間で、大袈裟に言えば残りの364日と22時間半は死んでるも同然だ。しかし「今年は聖域なきレーススケジュールの見直しをするぞ」と息巻いて、乗鞍ともども申し込みしなかった。ちょっぴり後悔してるが、一旦離れてみるのも良いだろう。
という訳でこの日に自由を得た。来月の鉢盛山マラソン(とチャリの整備不良)を睨み、須坂駅からジョギング開始とする。天気予報によれば最高気温33℃。早朝からなら少し楽だったろうが、松本始発だと8時半スタートがせいぜい。ルートは去年の逆回りでまず豊丘から登るのだが、じりじり照り付ける梅雨明けの太陽、すでにあり得ない汗のかき方をしている。暑さには滅法強いつもりでも、これは引き返す勇気も必要かと諦めかけたが、集落を抜け林間に入れば楽になる。坂はまだしばらく急だけど。少し下り坂があり、豊丘ダムを見下ろす所からゆるゆると登れば80のカーブが終わり五味池第一駐車場。500PETドリンク3本のうち2本を消耗してたから、環境協力金200円をぶち込んで水場とトイレが有難い。乳山三角点の遊歩道を登って行き、振り返れば遥かに善光寺平。村山橋の手前に須坂市街、向こうに長野市街だな。レンゲツツジは見頃を過ぎたが一部残っている。
13時に破風岳1999m到達。この大パノラマを見渡せる刹那の幸運。私だっていつまでもこんな丈夫ではないだろう。毛無峠に下りると、群馬県を目指して来たライダーやチャリダーでいつにも増して賑やかだ。少し喧騒から離れたところで小串鉱山、さらにその向こうに手を合わせる。薄れゆく愚かな過去をこうして自分の中に呼び戻す。あれから心は何も乗り越えられていない。体だけが野を越え山を越えてゆく。
下山は県道112号か湯沢林道か。距離はどちらも同じ、つまりどちらも地獄だ。レスキューを求める可能性があるなら県道だが、そうでもないのでレア感のある林道にする。じゃりじゃりダートで、トレランシューズでも油断するとすぐ足首がぐぎゃってなる。閻魔橋を渡ればようやく締まったダートとなり、走りやすくなる。体力切れで時々歩いちゃってるけど。小田島勇君遭難碑にも手を合わせる。雪の道はもっともっと長く険しかったのだろう。
ドリンクや補給食を小刻みに摂り続け、尽きるころ高山村の人里。下界はやっぱり暑くて、自販機にとんとんと突進! ああ文明の利器。17時、須坂市街地の「かねき」で時計を止める。六月のジョギング総距離52km(かと言ってチャリを頑張ったわけでもない)という体たらくで走力が衰え、やはり時間が掛かってしまった。しかし成せばなる本日51km、1720mUP。食欲は無くてもカレーオムライスを平らげ、駅でコーラを呷って電車で松本に戻る。夏の星座を数えて帰ろう。
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