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4/26 むらよしのウルトラ次回走にご期待ください

この、身の程知らず!

Fuji5start 朝2時に起床。相部屋の人達がわりと夜中に大人しかったので良く眠れた。こうなるとウルトラランナーがみな良い人に見える。去年の野辺山で覚えた嫌悪感とは逆である。飯を食ってバスで会場の富士北麓公園へ。こんな朝早くからマラソンなんか走れるかい!と思うが、昨日より気温は上がっているし、案外ぶん回せそうだ。パワージェル・アミノバイタルプロ粉末・塩熱飴を後ろポケットに満載した自転車用レーシャツ2枚とアームウォーマー、ありあわせの下ジャージ、靴は安全策でアディゼロCS5を選択。最前列に陣取り、4時30分いよいよチャレンジ富士五湖112kmの部、スタートの号砲である。
いきなり飛び出して、最初の10mだけ先頭。あわてて下がり様子を見る。前方には僅かに明るみ出した空に巨大な富士山のシルエットが浮かぶ。まさに霊峰と呼ぶに相応しい。ともかく喉から手が出る程欲しい入賞を意識して、6位グループに付ける。向きの定まらない風が強いので単独行は避けたいとついつい速い人に食らいつき、10km地点で43分49秒。身の程知らずとしか言いようのない極端なオーバーペース。既に死亡フラグが立っていた。
山中湖周回こそ単独6位で回るが、以降調子を上げてきた選手に次々と抜かれる。自分はと言えば、今更ペースを落ち着かせても脚が硬くなって行く一方である。ウェア脱ぎ捨てコーナーで薄着になっても改善せず。コースは河口湖畔に入り、42.195km地点を3時間20分余りで通過。昨秋の河口湖マラソンより速いのは良いが、これからペースの低下をどこまで食い止められるのか。
河口湖から西湖への急登で最大の懸念だった左膝痛がついに炎上。びっこを引いて休み休みの登坂を余儀なくする。これじゃ完走もままならないが、西湖の平坦路でどうにか痛みは引っ込んでくれた。コースは樹海地帯に入る。信用取引きで追証を払えなくなったらここに来るんだ。
西湖同様に溶岩が直接入り込んだような精進湖を回り、五つ目の本栖湖へ。これを一周出来るのは112kmの部の特権である。100kmの部以下はちらっと観るだけで引き返さなくてはならないからだ。真っ青な本栖湖越しに聳える富士山は、まさに日本の自然を代表する景観。紙幣に描かれたのも頷ける。
ここからは会場に戻るだけだが、もうすっかり脚が止まってしまい、さらに順位が下がって行く。エイドステーションで止まると支え無しではしゃがめないほど脚が死んでいて、リスタートも苦痛。ちっともスピードに乗れないのだ。
「だったら止まんなきゃいいじゃん」。そう気付いたのでエイドでは最小限の給水にとどめ、すぐリスタートを切るようにした。ついでにゾンビ化していたフォームの修正も図る。するとどうだろう、強い追い風やふしぎな樹海パワーによってキロ5分ペースが復活。次々と前走者を抜き返すことに成功したのである。青木ヶ原樹海大好き! これは楽しい。こんな楽々順位が上がるなら、残りの距離は長い方が面白いんじゃないかと思った程だ。
そんなノンストップ作戦もやがては翳りがみえてくる。100km地点は9時間17分34秒で通過し、河口湖を離れて最後の登り坂。もう一人抜こうとじりじり距離を縮めていたところ、最悪のタイミングで一番長い信号に引っかかってしまった。その場駆け足はしていたが、それでも一度止めてしまった脚に、もはや登坂に耐えうるパワーは残っていなかった。得意なはずの登り坂で、また次々と抜き返されてしまう。走っている格好を維持するのが精一杯。くっ、72kmの部の選手にまでクサクサ差される。ついには112km女子のトップ選手にまで抜かれてしまうが仕方ない。
間違っていた距離表示に惑わされ、10時間半という残念目標も諦めかけていたが、気が付いたらもう富士北麓公園に帰って来ていた。あわててラストスパートを掛けぎりぎり間に合わせる。両手を上げてゴール、完走メダルとタオルを掛けてもらう。ストレッチをしようとうつむいた時、未体験の長距離を無事完走できた“喜”、トレーニングを活かせなかった自堕落な生活とレース序盤に欲張った自分に対する“怒”、入賞だの十時間切りだのといった目標に遠く及ばなかった“哀”、あとは飲み食いするだけだという“楽”、それらの感情が極まって涙が滲んだ。でも泣くにはまだ早いよ。
Fuji5goal 脚を引きずりながら給食コーナーへ向かうと、女子高生によるマッサージコーナーがありまだ空いていた。いつもならスルーするがそれならばとお願いする。そこ、もっと痛くやって〜。あーっ、少し楽になった。あとは豚汁やパン・菓子を頂いたり、体育館でまったりしたり、シャワーを浴びたり、写真を撮ったりと暫くゆっくりする。そろそろ帰ろうって時に相部屋のオヤジが帰って来た。完走するかしないかなんて言ってた割にかなり速いじゃん。ともかく完走を労い合う相手がいて良かった。
送迎バスで富士吉田駅に向かい、あとは鈍行で松本へ帰る。あ、駅からウチまで歩かなきゃいけないんだ…。

記録10時間29分39秒、男子三百余名中16位。はっきり言って惨敗だが、これも経験。収穫も多かった。ボクのウルトラチャレンジはまだ始まったばっかりだ!

コメント

どうもお久しぶりです。
いつもながら手に汗握りながら読ませて頂きました。
もうすっかりウルトラランナーですね。

お疲れ様でした、納得はいかない結果のようですが私から見れば充分すぎるくらい速いですよ。
次回も期待しています。

タダノブさん、norikura1059さん、コメント有り難うございます。
今年のウルトラ参戦はこれにて最終回ですが(一回だけでw)、いずれもっと経験を積んでベストを尽くせるようになりたいです。
納得のいかない点があることが、むしろモチベーションの維持にはプラスになっています。これからの自転車ヒルクライムも頑張れると思います。

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