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8/13分 どこ どこ どこから来るのか黄金道路

ザッザッザッザッザッ…。テントのすぐ近くをたくさんの足音が行き交う。「バンガローで小学生が合宿するからうるさいかも知れませんよ」と管理人が言っていたのを思い出す。肝試しでもしてるのだろうか。

Ougon じきに落ち着いて、前夜は座席泊で寝心地が悪かった分ここは芝生の上だしよく眠れた。ゴウゴウと海の声ばかり聞こえる百人浜を、生憎の小雨模様のもと6時に出発する。北に向かい国道336号に合流すると、日高山脈の絶壁が海に落ちるところに無理やり通した『黄金道路』が始まる。名前の通り莫大な建設費が掛かっており、犠牲も多かったであろう。私はそんなコンクリートの塊を有り難がる、一人の観光客に過ぎない。長大トンネルは快適だし、覆道は芸術的だし、防波堤テトラポッドまで愛らしい。

フンベの滝を過ぎると、もう一息で広尾の街に着く。廃線となった国鉄広尾線の終着駅が鉄道記念館として残されており、楽しさと無念さが同居する。ここからほぼ旧鉄路沿いに内陸へ入る旅。海岸を離れるので、北海道一周系ライダー&チャリダーとのすれ違いが激減する。直線状の道が続き、左右に入る農道も直線状。『○○南6号』といったバス停名が続く。
ぞれにしても晴れそうにないなー。ケータイを持ってきていないので時事ニュースやオリンピック、天気予報さえどうなっているのか分からない。大樹町にある道の駅に寄って、ようやく天気予報を知ることができた。どうやら今日いっぱい辛抱する必要がありそうである。それなら距離を稼ぎましょ。虫類のセイコーマートで昼食にし、リスタートを切る。

Sareabetsu 国道236号はトラックを含め交通量が多い。更別村に入ってから、右の道道238号へ逃げる。左右の丘は防風林で仕切られた広大な畑の風景。ぱっとみ長野県の野辺山高原に似ているが、それがどこまでも続くのだからさすが十勝平野! あっちもこっちも冒険してみたいけど、私はこの直線道路を前に進む。とかち帯広空港の近くで国道に復帰するように左折すると、広尾線の幸福駅がある。カップルでごった返すなか、売店で『愛国から幸福ゆき』の切符を買ってしまうのが悲しい性。
対して、もう少し走った所にある愛国駅は客層が落ち着いており、これなら「爆弾を仕掛けて、離れた所でスイッチを押したい」という衝動にかられることもない。

Sakusaku 帯広市街に入り雨が止んだところで、帯広南温泉という銭湯に入る。わずかに黄土色の湯が、疲れを取ってくれそうである。JR帯広駅の観光案内所で「ナイタイの通行止め、どうなりました?」と聞くと、「解除にはなったが今日の雨で地盤が緩んでどうなるかは分からない」とのこと。まぁ大丈夫だろう。明日走る予定の、一番気がかりだった所だ。さらに六花亭にも寄って、賞味期限3時間を誇るサクサクパイを食べる。140円でコーヒー無料。サクサクだぜ。

今夜は北海道で一番大きな花火大会が開かれるとのことで、キャンプするには不向き。と思ったら明日に順延されたようだ。それなら市内の公園でも良かったが、十勝川を渡ってもう少し進もう。再び降り出した雨が本格化し、音更町の希望が丘公園に逃げ込んだら屋根付き駐輪場を発見。ここでいい。本日の走行134km、フル装備としては良く走ったんじゃないかな。夕食はキャンプの定番にしている麻婆豆腐に、もやし1袋も投入する。

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