8/14分 ナイタイの風になりたい
雨を降らせていた前線は南へ下がり、雲の隙間から青空が見えてくる。これはきっと素晴らしい一日に、いや素晴らしい夏休みになりそうだ。はやる気持ちを抑えて濡れた荷物を乾かしたり、チェーンに注油したりする。朝7時半出発。
気が付けば旅程はもう中日。国道241号は相変わらずの直線道路で、始めちょろちょろ中ぱっぱと走ってゆく。上士幌町に入って西に折れると、ナイタイ高原牧場の道に入る。つい下世話なスポーツ新聞を連想する名前だが、それとは無関係のアイヌ語が元で、日本最大の公共牧場らしい。昨夜の雨でまた通行止なんてことはなく、入口が開いてるのを見て一安心。ピストンコースになるけど、対乗鞍トレーニングを兼ねて重い荷物を積んだまま、敷地内の丘を登る。
「これは現実なのか?」と疑って眼鏡を外すほど、緑の草原と所々の樹木が美しい。古いファンタジーゲームだがハイドライド3のフェアリーランドに迷い込んだようだ。ゆっくり登ってどこでも停めて、ぼうっと風景を眺めたり写真を撮ったりできるのは自転車の特権。それにしては他のチャリダーを見掛けないけれど。
やがて標高800mのレストハウスに登り着く。牧場を一望し、麓に広がる平野は安心のとかちブランド。さらにその背後には道東の山々が連なる。ここではもう、お金を使っちゃおうね。『メガドック・煮込みハンバーグ』780円。そうそう、こういうの食いたかった。さらに『どら焼きサンド』450円。こちらは焼きたてなのは良いがすぐにソフトクリームが溶けてしまって、急いで食う必要があった。
名残惜しく丘を下り、街で買い出しを済ませ、国道273号を北へ行こうランララン。見ろよ青い空白い雲、サイコーの旅だ。十勝平野縦断を終え、北海道の中枢部たる山岳地帯に入っていく。時々並行する国鉄士幌線のアーチ橋梁跡は、その上に木々が生い茂っていて、無常な美しさに息をのむ。いくつかトンネルを抜け、ぬかびら源泉郷に到着。
まだ14時だけど、今日はここまで。85km走行、獲得標高差1030mくらいか。キャンプ場にテントを建てておき、サンダルを履いて散歩に出る。糠平湖を見て、鉄道資料館を見て、温泉街をぶらぶらして、風呂は中村屋を選択。\中村屋/。古い銭湯みたいな男女別内湯と、男しかいない混浴露天。ロビーではエスプレッソを頂いて本を読んでまったり。夕食はレトルトハヤシに、レトルトハンバーグ3ヶ一束の。昼食に比べると味は大幅グレードダウン。だけどご飯は一番上手に炊けたよ。
私の20代前半は北海道での生活でした。見ていて懐かしくなりました。
糠平湖は昔、結婚前の妻と一緒に行ったことがあります(クルマでですが)
タウシュベツ橋梁を見たかったのですが、水没していて見られませんでした。
投稿: kinotty | 2012-08-22 20:05
北海道に暮らしておいででしたか。やはり冬は厳しそうなイメージがありますね。
糠平付近は長距離に渡ってガソリンスタンドがなく、困っているドライバーを見掛けました。タウシュベツは渇水期にまた見に行きたいです。
投稿: むらよし | 2012-08-22 23:22