8/9-10分 ほんまや、三厩
何もできないから、何もしなくていい。北海道&東日本パスという18きっぷに似た乗車券でのJR鈍行旅。廃人的な長距離輪行が松本から長野、新潟、庄内、秋田方面へ続く。期限は一週間。日常から離れる旅本来の雰囲気を蘇らせるため、ケータイの類はまた家に置いてきた。
盲腸線の男鹿線まで無駄に往復しつつ、追分で駅寝。俺みたいな人間が近付かないように、待合室のベンチは手すり付きになっている。始めは座って眠ろうとしたが苦しいので、床に銀マットを敷いて横になる。明日の天気以前に、無事に朝を迎えられるのか不安いっぱい。
…無事に8月10日が始まった。体調管理が甘くて少し喉が痛いのだけど。始発で新青森へ向かい、ハイブリットトレインの快速リゾートあすなろ龍飛1号に乗り換える。こんな日は客数少なく、サービスの三味線ライブもちょっと寂しい。
という訳でやって来ました津軽線最果ての駅、三厩(みんまや)。頭の中はすっかり「雲のむこう、約束の場所」のBGMなんだけど、本降りの雨、どうしたらいいものか。こんな日にマラソン大会やってやがるし、負けるわけにはいかないな。
こんな日、こんな日…。そう、台風が絶賛接近中で風雨がキツいのだ。今年晴れ男の自分だが、台風には勝てなんだ。とにかく序盤は追い風に乗って北西の果てに向かう。岬が近づくにつれ突風になる。行き止まりになり、端島に渡ってみるも物凄い横殴りで潮ももろに浴びる。
それでも国道339号の「階段国道」は登らなくちゃな。スロープがあるので担ぎはあまり必要なく362段、標高差70mを押し上げた。灯台付近もモーレツな風で、最果ての景観はもうたくさん。階段とは別の戻り道を行くが、切り通しの部分はまっすぐ進めず何度も吹っ飛ばされそうになり、乗車は断念。時間は掛かるけど押し歩きで進む。
あじさいロードまで来れば一安心。向い風が強いけど、道の左右にせり出す青や紫のあじさいがキレイで和む。徐々に高度を下げ、三厩駅に戻る。ここからさらに松前街道を東へ進む。高野崎を過ぎると海岸沿いは本格的に向い風が強烈になり、「自転車は旧道を」という定石を破って内陸側の平舘バイパスでしのぐ。バイパスが終わればまた酷い風雨。まさに台風の中を突き進んでいる。こういう困難な旅ほど、後年記憶に残るものだ。らくらく観光旅行の、いかに印象が薄いことか。
蟹田町内のマエダストアで買い出しして、近くの公園に逃げ込む。何とか風を半分くらいしのげる場所を見付け、そこで炊事、設営を敢行。こんな悲惨なキャンプ今まであったっけ? あ、群馬遭難の時に比べればマシか。一応人里にいる以上、サバイバル感を楽しむ余裕はあるんだ。しかし一体いま台風はどこらへんを進んでいるのか、情報源がまったくない。
(お盆休みツーリング分のブログは多分一日おきくらいに更新していきます。)
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