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8/11分 期待値ヤン

自分の叫び声で一旦目が覚めた。テントの外は雷雨、そんなに怖かったか。朝には止むが、濡れたテントを自転車に積むことに。

まず来年度の廃線対象である留萌本線の増毛〜留萌間に沿って北上。珍駅名とされる阿分(あふん)駅は阿分小学校の裏にある木造ホームで、待合小屋には駅ノートがある。何か書いてこ。留萌から先も線路に沿って内陸へ向かう。こちらもJRが全線廃止を沿線自治体に打診しているらしい。

Ashimoi峠下駅は周りに人家がなく、秘境駅とされる。ここからは魅力的な駅のオンパレードで、全て寄ることになる。恵比島峠を越えてすぐの恵比島駅は、NHK「すずらん」明日萌駅のロケセットがそのまま残る。あしもーい、あしもーい…。初めて全話観た朝ドラだったので、個人的な思い入れは強い。あの頃の遠野凪子さんはみんなの憧れだった。今はほとんど朝ドラを観なくなってしまった。

ドラマの劇中歌「星の線路」を歌いながら、真布(まっぷ)、石狩沼田、北秩父別、秩父別(ちっぷべつ)を訪問していく。セイコーマートで北海道メロンソフトを食べ、最後は難読駅として有名な北一已(きたいちやん)。どこの駅ノートにも先客によるデレマススタンプがある。こうして半日で並走が終わってしまうくらい、短い「本線」であった。

通信を断絶して4日目ともなると、ようやく自分の時間を取り戻した、というか「着地」した感じがする。ネットに振り回されて、どんだけ宙を浮いていたんだ。

Marine深川市から石狩川自転車道を南下し始めるが、また雷雨が来てしまった。雨のランドナーとは言え、これはやり過ごしたい。橋の下で待っているうちに時間が押してきたので近道の国道12号に切り替えるが、うう、トラック多い。昨日列車内でツーリングマップを見てて気になった、滝川市の喫茶マリンで昼食にする。おそらく初心者向けと思われるカツカレー(750円)を注文すると、大きな皿に2合近いご飯とはみ出んばかりのカレー。なるほど「爆盛り」の店、地元フードファイター集いの場であった。

札沼線さいはての駅、新十津川に寄ってから砂川市に入る。ぬかるむダンプ道を行くと、道端にたくさんの花や飲み物が供えてある。ひき逃げの現場だ。ここは脱帽、グラブも外して合掌。もう少し進んだ所が2ヶ月前の、あの交通事故の交差点だ。同様に手を合わせていると、怒りと悲しみがふつふつ沸き起こる。この事故は被害者一家の悲劇性と加害者一味のクズっぷりがニュースソースとして喜ばれたため、連日大きく報道された。しかし実際は、日本国内だけでも毎日10人くらいは交通事故で死んでいる。負傷者はその200倍くらい。殺人兵器めいたパワーを持つクルマは、平和主義者どもには似合わぬ代物だ。

Utashinai東の山に入り、かもいトンネルを抜ける。日本の地理・地誌好きなら一度は訪れたい歌志内市がここにある。かつて炭鉱で栄えたが、今は人口三千人余り。廃線跡サイクリングロードで中心市街地まで行ってみるが、どこかの村の一集落のよう。ここのスーパーで買い出ししたかったが、コンビニしかないわ。キャンプ場も潰れているので南隣の上砂川町に入る。ここも似たような寒村だが、無料の奥沢キャンプ場がある。隣接する上砂川岳温泉は循環こそしているが、ツルツル系のよい泉質だ。あちこちに貼られた飲酒運転禁止の貼り紙が、件の加害者一味を輩出した町だけに生々しい。

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