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7/15-16 二十四時間戦えました(ロゲイン)

Start支度が遅れに遅れ、大慌てで自転車ヒルクライム。最「近」方参加者の私でも標高差250mを登らなくてはならない場所にあるのが松本青年の家、第1回日本ロゲイニング選手権大会の会場である。勝てば初代日本チャンピオン!?、ゴクリ…。レスキュー等の観点からソロの部は無く、チーム「L3豆戦車」を組んでくれたのがガクさん。ウルトラオリエンテーリングで優勝するなど、抜群の走力と知力が頼もしい。一方少し身体を絞りはしたものの相変わらず重戦車なのが私。いったいこれから何度足を引っ張って「ゴメン」を連発するんだろう。競技内容は制限24時間でどれだけスタンプっぽいのを集められるかという過酷なものだが、女性の参加者が1/3を超えているあたり、体力一辺倒のマラソンレースとは質が異なる。

7月15日正午、82チーム181人が一斉にスタート。ここは私の庭だ、とばかりに最初のコントロール(ポイント)は我々がトップで通過する。あとはチーム「山とヤギ」にじわじわ離され、一条ヶ峰のピストンを終えてからは向かう方角が違った。どのように周るかはチーム次第、自由度の高いナビゲーションスポーツである。僅かながらロゲ経験の多い私の発案で取った戦略は、まず北東の四賀村エリアをぐるり、次に東の美鈴湖エリアもしっかり稼ぎ、夜になって南東の宮入山エリアを総取りしてからハッシュハウス(スタート/フィニッシュ兼休憩所)に戻る。翌朝から北の長峰山エリアと西の安曇野エリアでまとめる。その通りに周れれば勝てるという、無茶な話である。

順調に四賀村エリアを幾つか取ったあたりで、それまで前を引いてくれていたガクさんに異変発生。熱中症だ。これで走力は二人同等となったのだが、本来の力が出せない苦しみは察して余りある。私なんか「脚が痛いよママーッ!」程度のもので、第二ハッシュハウスのペレファカフェで菓子をガツガツ食ってる有り様。歩きを多くし、コンビニ休憩もしっかり取りつつ、美鈴湖エリアに入る。チーム結成の場であったカフェピラータでは、今日はロゲ選手向けにコーラを販売している。これで元気を取り戻し、すっかり暗くなったトレイルを無事クリア。ハッシュハウスに戻るか打診してみるが、行けると言う。その責任感とプライドに甘えるしかない。私はまだ上位への欲に目が眩んでいるのだ。コンビニ休憩ではモンスターエナジーを投入。これ飲むの、群馬で遭難した時以来だ。吉と出るか凶と出るか。

Nightいつ脱出できるか想像もできない、最難関の宮入山エリアに突入開始が22時頃。凄い非日常感! こんな無茶をしているのは我々くらいだろう、と思ったら数チームと行き合うあたり、もしかしてこの大会って強豪ばかりじゃね? コントロールフラッグはライトを当てると強く反射するので、昼間より分かりやすいくらい。しかし林道からトレイルへの入口などは難しく、常に現在位置を正確に把握しながらのナビゲーションになる。使って良いのは配布された地図と自前のコンパスのみ。スマホでGPSを…なんてもってのほかだ。いつしか深夜0時を跨ぐ。ハッピーバースデーとは何だったのか。最高標高地点の宮入山三角点1530mに至り、最高得点コントロール(134)となる大和合ピストンも決行。スコアに見合った見付けづらさで、運と勘が試された。

私の大腿四頭筋が悲鳴を上げていたことと、気絶を繰り返すガクさんの様子を見て、下山はトレイルでなく林道を歩いた。夏の大三角形が西に傾き、白んでくる空。そして沢の音。人里に降りれば野良仕事が始まる時間である。西南の空港エリアはもちろん切り捨て、中山トレイル経由で松本中心市街地へ。終盤のルートを何度も何度も練り直して、出た結論は「今さらハッシュハウスには戻らない」というもの。長峰山エリアのアップダウンにも脚が耐えられないだろう。入賞への最後の望みとして、安曇野エリアでコントロール数を稼ぐことにした。朝の涼しさで再び元気を取り戻したガクさんが、その意図を汲んで前を引いてくれて、地図読みも冴えている。

1000しかし私のペースがどうしても上げられない。あと2.5kmばかり北にあるコントロールを諦めた時点で、入賞の目は消えたと確信した。時間制限の正午が近づくにつれ、のん気でおめでたい顔してる太陽が確実に体力を奪う。果たして間に合うのか、完全にストップしてしまわないか。膝がもげそうゲージがMAXなのに、最後に標高差300mを登らなくてはならない場所にあるのが松本青年の家、フィニッシュ地点である。こうして23時間48分26秒にわたる旅を終えた。信じられない、本当に無事終わったんだ。

結果、得点2081/3000、獲得コントロール34/50。男子チーム及び総合4位で、惜しくも入賞は逃した。しかし限界を越えた体力、知力、チームワークを発揮でき、かつてない満足感がある。それに裏打ちされた自信も確実に血肉となるだろう。移動距離132km、積算標高差4,740mという数字も自分がやったとは思えない猛烈さで、とうてい一人では成し得なかった。そして、一気に肩の荷が下りた。シャワーを借りて24時間の汗というか泥を落とす。

E競技中は一睡もしなかった。さすがに眠くなって少し目をつむり、交流会の時間が来る。唐揚げを食べない人種に唐揚げメインとは、喜ぶのは私だけでは? 食べ残しはとても悪いことだから、目の前のオードブルだけは平らげておく。酒は自転車で帰りたいからやめておく。交流会とは言え皆疲れ切って移動しないから、せいぜい隣りのグループと話す程度。全員1分程度の紹介があるのは良かった。

やがて解散、無事帰宅。シャカリキに駆けずり回った後はアイスクリーム。またコンビニに寄って、ハーゲンダッツを買い食いして寝る。寝る。寝る。

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↓GPSトラッキングサイトで我々を追うなど、熱心に応援してくれた@F4jiHNsoA1WMkoaさんが動画を提供してくれました!Mov

追記: Facebookアルバム「第1回日本ロゲイニング選手権大会in松本24時間」

7/8-9 カルボナーラ・チャージ

Corona土曜、昼前にうだうだとジョギング出撃。山田集落周辺の、未走破だったトレイルを埋めに行く。問題は芥子望主山の北北東にある868ピーク。北側はイバラ廃道で、トヨペット・コロナが棄ててあるのは味わい深いが、体じゅうクモの巣だらけになって何とか新田集落に脱出できた。もう帰りたい…けれどようやくの、夏らしい蒸し暑さは貴重だ。暑熱順化ってやつをするべく、もうひと頑張り、北洞からの美鈴湖へ。途中で会ったランナー曰く、数年前まで諏訪湖を十周するマラソン大会があったんだって。ひー。

ピラータでカルボナーラを頂き、うだうだしているうちに雷鳴が近づく。あまり雨雲が広がらないうちに、もりの国から妙義山古墳へ下りるトレイルで帰宅。

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Nature日曜こそは早起き。中央西線の始発で木曽福島まで輪行し、王滝村へチャリで向かう。今回は御嶽山の方ではなく、西へ西へ王滝川を遡る。やってきました、通称「自然湖」。昭和59年大災害の副産物で、趣は異なるけれど湖に沈んだ朽木といい諸行無常感といい、夕張のシューパロ湖を彷彿とさせる。あまり変わらないうちに、今度はカヌーしに来られたらいいな。

信州最西端の集落である滝越は山奥ながら空が広く、とても長閑。かつて岐阜県側から鞍掛峠を越えてこちらへ来たことがあるけど、今は閉ざされているのだろうか。ここで引き返し、村の中心部から少し御嶽山の方へ登る。清滝の様子を見に来たけれど、報道の通り先月の大きな地震で滝壺への遊歩道は通行止になっている。道中の石碑群も一部倒れてしまったのが見受けられる。

Ontakeまた木犀舎で昼食とする。カルボナーラも美味しい。そしてひめやの朴葉巻、まだ扱っていて良かった。実家などへガッツリ発送を頼んでおく。御岳百草丸の店でもちょっと買い物をして、今の私に出来ることはこれくらい。自然災害と言えば九州北部が現在進行形で心配だが、王滝村も泣きっ面に蜂なんてレベルじゃない状態が続いている。スキー場は次の管理業者が見つからず、日増しに閉鎖の可能性が高まっているらしい。

木曽町三岳も地震の被害が大きく、ビーズベーカリーというパン屋は店舗が壊れ、店主宅の玄関で逞しく営業中。3つ買って、特急しなの号の車内で食べながら松本に戻る。

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という訳で第一回日本ロゲイニング選手権大会in松本24時間まで残り数日。チーム「L3豆戦車」を組むガクさんは生活をだいぶ犠牲にしながら取り組んでくれているようだし、私も一番大切なものを失って折れてしまった心で、何とか最小限の練習を積んできた。丸一年以上風邪を引いてないので免疫がないのが心配。寝冷えに気をつけて、疲労回復と読図力アップに努めて本番を迎えたい。

もし入賞できたら、ぼろぼろになった輪行袋とフロントバックを新調するんだ。

7/2 地図に載ってない道を僕は走りたくて

ロゲイニング日本選手権in松本24hが二週間後に迫り、チーム「L3豆戦車」を組むガクさんと合同練習をすることになった。前半は私が地形図「豊科」から、後半はガクさんが「松本」からそれぞれ東半分に10ヶ所ずつコントロールを出題し、回答者側のナビゲーションで周る形式だ。

Hirase浅間温泉の野球場をスタートし、まず北へ向かう。3つ目のコントロール「伊深城山」から、地図にない北尾根をつたい安土集落へ下りたり、「一条ヶ峰」からこれまた地図にない鉄塔巡視路で馬飼峠を経由したりと、解き明かしたかったルートを探索してもらう。おかげでこの辺りの土地勘はそうとう補完された。いったん田沢に下りて「平瀬城跡」、ロゲのメイン会場となる「青年の家」を経由し、ファミマで一休みしてから後半へ。

平地のナビゲーションなら不安なし。「梶海渡集落」〜「村井駅」など最善ルートを探すのが楽しい。しかし今年のウルトラオリエンテーリングでダントツ優勝しているガクさんがいくら走っても衰えないのに対し、私はフルマラソン程度の距離を過ぎてしまうとみるみるペースが鈍ってくる。時間も無くなってきたので、南端の2コントロールは諦めた。「米澤神社」から中山尾根をつたい、「八坂神社」が最後のコントロール。美ヶ原温泉で解散とした。

Geトレイルに入る度にタイツが種子だらけになるのは、仕方ないけど悩ましい。油断して序盤からあちこち怪我をしたり、曇りなのに全然水分補給が足りてなかったり、スパッツが無くて靴に砂利が入ったり、夜間のナビゲーションが未経験だったりと残った課題も盛り沢山。集合場所へのアプローチを含め、本日走行距離65km、積算標高差1,440mを10時間掛けたが、本番は倍以上走らないと勝ち負けにならない。火事場の馬鹿力で頑張ろう…。

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