8/29-30 乗鞍ユルクライム
土曜朝6時の予定を40分過ぎ、松本市街地の自宅をチャリで出撃、一路西へ向かう。松本電鉄の終点新島々駅で一旦呼吸を整え、あとは一気にトンネル街道へ突っ込んで行く。まだ交通量は少ないし国道は慣れたものだが、乗鞍方面への県道に入ってからが毎度怖い。路面が悪い上にクルマも無茶しがちだ。
最後のトンネルを抜ければ一安心、ではなく本格的な登り坂が始まる。ようやく観光センターに到着するも、チーム寿の面々は既にスタート後。トイレとゼリー補給だけ済ませ、10分も休まず再スタートを切る。午前9時半、いざ今年の乗鞍ヒルクライムはお泊り荷物を積んだままだ。
早く追い付かなきゃ、と焦ってもロードバイクに抜かれまくる一方。今日はレース以外で過去最多692台の自転車が入山しているという。既に疲労困憊で、どこで止めようかと思案しつつ三本滝レストハウス通過。ここからはマイカー規制区間となるが、自転車天国ではない。バスやタクシーが、通行止の岐阜県側の分まで頑張って営業中なので、キープレフトを守らない奴は死ぬ。
冷泉小屋前の水場(滝左側の水が飲める)で給水のためチャリを降りると、まともに歩けない。両膝に相当きていて、やはりもう戻るべきかと。もう一度ゼリー補給し、とりあえず弱い力で恐る恐るペダルを漕いで、ゆるゆるリズムを取り戻していく。
位ヶ原のハイマツ帯に入り、ようやくチームの3人に追い付く。各自バラバラのスタートだったが、たまたまここで近接しているらしい。もうひと頑張りして観光センターから2時間余の午前11時半過ぎ、長野県と岐阜県の境にゴール。その名も「標高2716m」というバス停がある。松本市街地の580mからの標高差2100m余、単純計算で気圧変化-210ヘクトパスカルをほぼ一気に登り切った、達成感はひとしおだ。久々に本当の「疲れたー」って台詞が吐けた。
とっくにゴールしている他の3人にも無事会う。数年ぶりというIさんの復活は皆に勇気をもたらす。ぶるぶる震えながら畳平の売店でソフトクリームを食い、補給食も摂ってしっかり着込み下山へ。スピードがあるぶん植生や気温の変化がダイナミックだ。
定宿の寿家まで下りて、午後はうだうだ。大会としての乗鞍ヒルクライムは中止になってしまったが、例年の半分ほどのメンバーが集った。来ていない人も諸事情で断腸の思いだろうし、いろんな考え方の人がいるなかで幹事さんも難しい判断だったろう(実際私が幹事の集まりは放り投げっぱなしだ)。宴会も密を避け換気を確保し、フェイスシールドをする徹底っぷり。
乗鞍を走らないと夏が終わらない。宿の人をがっかりさせたくない。今日乗鞍に集まった全ての自転車乗りは、悪い人じゃないと胸を張って言える(私以外な)。
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疲労のあまり、夕食時のコップ半分のビールで潰れてしまった。年々アルコールに弱くなり、情けない限り。うっかり解除し忘れたスマホ目覚ましが日曜の未明に鳴ってしまう。仕方ない、疲労抜きを兼ねて早朝ジョギングに出よう。昨日は見えなかった剣ヶ峰が眩しく、観光センターあたりは今日も自転車乗りたちが姿を見せ始めているが、天気は下り坂という。今年は遅れて蒔いたという蕎麦の花が見頃で美しい。ここならフラッグ式のロゲイニングも開催できるんじゃね?などと妄想しつつ1時間で宿に戻り、温泉と朝食を。
本来の乗鞍ヒルクライム開催日で缶バッジの配布もあるらしいが、もういいや。自分で自分の行動を考えるのが面倒臭くて、上高地へ散策に行くという先輩方のクルマに同乗させてもらう。沢渡の大駐車場に駐めるとタクシーが営業を掛けてくるのもお約束。4人だとシャトルバスより安くなるし、すぐ出発できるし、運転手の小話も聞けるので実際おトク。
チャリだと地獄となる釜トンネルも楽々と通り抜け、大正池で下車。まだ川霧と焼岳の美しい朝。奥穂高岳は雲に隠れがちだが、それでも何度来ても美しい日本屈指の山岳リゾートだ。田代池を経て河童橋へ、憧れの上高地コロッケは初めて食べる。このさき明神池方面を勧めてみるが、雨雲の動向もあり散策はここまで。私の帰りの足を心配して下さっていたなら申し訳ない。
乗鞍高原に戻り、昼食は合掌という人気店で美味い蕎麦を頂く。ヤムヤムツリーのバームクーヘンを買い、降りだした雨の小康状態を狙ってチャリで別れる。松本市街地はやはり晴れて暑い。こうして夏は無事終わった。
むらよしギムナシオン(参戦記アーカイブ)に去年6月のツールド美ヶ原(雨天短縮コース)を掲載。せっかく今年の参戦が少ないのにアーカイブの執筆が遅れる一方。いつか追い付く。
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