10月12日 時をかける大和

あちこち歩き回ったせいで、足がつらい。もう一日頑張ってくれ。ちょっと寝坊して8時に宿を出る。朝日を浴びる瀬戸のさざ波。ミニフェリーは通学の足。
Onomichi尾道大橋を目指して街を縦断する。丘からやや見下ろす尾道水道は、また独特の美しさがある。橋は歩行者無料。いっそこのまま歩いて四国を目指す? まさかね。デジカメがメモリーカードも電池も終わりかけてるんだ(歩く根性がないだけ)。
向島側に降りると、そこは造船所や鉄工所が並ぶ工業の島。パチンコが島の娯楽だ。やがて日立造船所の門に辿り着く。映画「男たちの大和」ロケセット行きのシャトルバスに乗る。大した距離じゃないが、造船所構内を通るためバス移動になるようだ。つーか、もうここは船なんか造ってなくてガランとしてるだけじゃん。
Yamatoすなわち映画の撮影のため、6億円かけて原寸大の戦艦大和を一部端折って再現してある。撮影が終了したので、こうやってしばらく一般公開している訳だ。プラモデルでしか触れたことがないあの大和を、本当のスケールで体感できるのは感激ものだ。じっくりと観察したいが、時刻の都合で早足で回る。しかし出口で待ち構えている1,200円の映画前売券を買ってしまった。12月になったら観に行かねば。それ以前に、尾道を舞台にした大林映画6作も観たくなったので、近いうちにレンタル屋に行こう。
昨日今日さんざん見送った渡船にやっと乗る。激安。尾道駅前に到着し、街に別れを告げ列車に乗る。あとは適当に腹ごしらえしつつ、東へ帰宅する旅。車窓には福山城、岡山城や姫路城、さらに日本離れした威容を誇る明石海峡大橋。
大阪を過ぎれば見慣れた風景に退屈なだけ。音楽でも聴いてまどろむ。松本駅に到着して外に出ると、寒っ! さすが信州。アパートの部屋に戻っても、まだ夜行フェリーの揺れてる感覚が残ってる気がする。

10月11日 秋の宮島

夜行船は未明の北九州・新門司港に到着。JR駅への送迎バスが3分後には発車。これで小倉駅まで乗ることもできるが、門司駅で途中下車することにした。みなさんさようなら。
きっぷに今日の日付スタンプを押してもらい、門司港駅まで列車で移動。こういったぶらぶら旅でないとまず寄らない土地だ。夜が明けてゆく。レトロチックな駅舎や旧館たち、雄大な海峡風景、そこに浮かぶ関門橋、強い潮流に負けじと行き交う大小の船。門司いいよ門司!
Kanmon関門橋のたもと、和布刈(めかり)公園を登り、ここからもその俯瞰を満喫する。すっかり門司港が今日のメインになってしまったな。さらにエレベーターで海底トンネルに降りて、下関を目指す。さあ、歩いて本州に帰ろう。
本州側の地上に出ると、そこは壇ノ浦。大河ドラマ出演者達の手形が飾ってあって笑える。こちら側は昔チャリで走ったことがあるが、ゆっくり歩いてみるのも格別。潮流がいつの間に凪いでいるのが、時の流れを感じさせる。門司港から10kmは歩き回って、下関駅に到着。予定よりすっかり遅くなった。鈍行列車に乗って東へ急ぐ。
下関発岡山行という7時間超の長大な運行設定にJR西日本の投げやりさ(?)を感じつつ、眠気でうとうとしたり多島美にうっとりしたり。4時間経った途中の宮島口駅で下車。青春18きっぷで宮島連絡船に乗るのが夢だった(今回のきっぷは18きっぷとは微妙に違うが)。
Miyajima1関門でゆっくりし過ぎたしわ寄せで、宮島は早足で回る。ここって日本三景でしかも世界遺産なんだっけ? 台風の度に話題になる所だよね。時間を気にしつつ、オタフクソースののぼりに誘われて広島風お好み焼きを食べることにした。
おいしくて、何か心もお腹もいっぱいになってしまった。これ以上、何を観光せよと言うのだ。こういうタイミングで死ねれば幸せかしら、なんて考えないけど。
本土に戻り、JR鈍行でさらに東へ東へ。姫路あたりの安いカプセルにでも泊まろう、などと思いつつ地図を眺めていたら、急に尾道案が浮上。もう暗くなっちゃったし、列車に乗り続けるのもしんどいしなぁ。とりあえず尾道駅で降りてみる。お、4,000円のビジネスホテルがある。よっしゃ、ここに泊まろう。
Crane・・・それでも安いとは思えないようなお粗末な宿だったが。まあいい。風呂を済ませてから、夜景でも撮りに外出する。向島にある造船所クレーンや尾道大橋のライトアップがキラキラ奇麗。ひんぱんに往復する何系統もの渡船もここならではだ。さらに尾道といえばラーメンなので食べてみる。まあまあ。

10月7日 夢見る時間に起きてる

チャリ用のペダルを買いに行く。ついでに駅前にも所用があるから、クルマは使えない。ということで10kmほど歩いて街を回ることにした。
スポーツ用品店でオーストリッチブランドのケータイホルダーを衝動買いする。いままでNORTH FACEのを使ってて、そのミニマムなデザインが気に入ってたのだが(他社のがダサ過ぎ)、旧式なので今時のデカいケータイが入り切らず、たびたび滑落を起こしていた。おかげで傷だらけ。よくCCDとかイカレなかったなと思う。
雨が降ってくる。洗濯物が干しっぱなしだし、急いで帰ろうと駆け足になる。しかしすぐにバテてしまった。今日は走れる体調じゃない。やがて止んだので、とぼとぼと帰る。
ここ二日ほど、ゴールデンタイムに眠ってしまい観たいドラマを見逃したが、今夜はそうはいかない。最後の「白線流し」だ。私がよくトレーニングに使う道が画面に出てくると、やっぱ嬉しい。いやそんなことより、日本一後ろ向きだった自分の青春時代と比べてみてしまう。

※明日から数日ネット環境を離れるので、このBlogはケータイを利用して続行する予定ですが、更新やレスが不安定になると思います。

9月22日 牛歩

bambashitaチャリで浅間の激坂を登る。もう何十回ここを走ってるのだろう。そして一向に楽に登れるようにはならない。美鈴湖まで400mアップして帰る。
また村井町に用事があるので列車に乗る。帰りは歩き。強い追い風に煽られて、かなりの早歩きになった。途中で牛丼セール中のスキヤに寄る。牛肉ってマクドのミートパティかこういう機会でもないと口に入らないわ。計12km歩き、夜10時までには帰宅。

9月20日 ウォー王

長距離走というのは麻薬みたいなもんで、それをやった日の夜はいくらでも夜更かしができてしまう。その代わり、翌日受けるダメージが倍増してしまう。
というわけで、今日の昼間は全然体が動かなかった。一昨日の筋肉痛も一緒にやってきてるし。夜になりようやく活動開始。市内村井町に用事があったので列車に乗る。娑婆はええなあ。村井からは歩いて帰ってきた。若干の寄り道を含め、計13km歩くことができた。膝の強化の為にも、ウォーキングというのはなかなか良いトレーニング方法かも知れない。特に今日みたいに走る気になれない日は。

9月7日 Zと書いて津と読む

昨夜はビジネスホテル(朝食バイキング付5200円)に泊まった。昔は駅寝とか当たり前だったのに、すっかりひ弱クンになってしまったものだ。
朝には雨も上がり、風は強いがいい天気。まずは津を少々観光する。歩いてみると結構都会だ。
伊勢神宮に向かうべく、JR線に乗る。しかし昨夜の暴風雨の影響で、次の松阪駅止まりになってやがる。まぁ近鉄線での振替輸送くらいしてくれるだろう。
が、列車は途中で急ブレーキ。「この先の踏切で陥没箇所があるとの報告で、暫く停車します。」…こういう“カンヅメ”状態をいっぺん経験してみたかったんだよね(?)。1時間20分後、やっと動き出す。
もういっそ、松阪牛だけ喰って帰ろうかしら、とも思ったが、元々今回の旅はフェリーで北九州へ行って、返す刀で安芸の宮島にお参りする予定だった。それが時化のせいで廃案になり、やっと副案の伊勢神宮にここまで近づけたんだ。「一生に一度は伊勢参り」を敢行したい。近鉄線に乗り換えて伊勢市駅へ。
駅から少し歩き、まずは外宮。これが?ってくらいアッサリしてる。もちろんそれだけでは片参り。さらに4km歩いて内宮へ。こちらは門前町が賑わっているし、境内もなかなかのもの。名物の赤福も食す(松本の百貨店でたまに販売されると行列になるんだよね)。バスで伊勢市駅に戻り、伊勢うどんも食べておいた。
かくして18きっぷの旅は終わりに近付き、今晩中には松本に帰れる見込み。旅に出る前は、ブロードバンド環境を何日も離れるなんてイヤで、往生際悪く完徹した有様だった。今は、お金さえ許せばまだまだ旅を続けたい気分である。帰って自由にインターネットできたとて虚しくなるだろう。
そういった意味で、本来の自分を少し取り戻せた、それが今回の旅の収穫だ。
(写真は伊勢内宮)050907_1419.jpg

9月5日 心斎橋奇行

午前中は親戚の和菓子屋の店番。
午後には古市を離れ、電車で大阪中心地へ。今夜は予約しておいた二等寝台で、ワイングラス片手に豪華ナイトクルージングだ。
ところが、その北九州(新門司)行きのフェリーは、どういうわけか欠航だという。がちゃぴーん。
途方に暮れて、とりあえず天王寺から歩き出す。新世界を紀行したり、難波をウォークしたり。大阪の活気と歪みを垣間見る。何でこいつら働いてないんだろう。俺もだが。
「聖地」アップルストア心斎橋店にも寄る。ウワサの透明階段、登ってみたかったんだ。
そのまま心斎橋筋商店街を通り抜け、ミナミからキタに至る。梅田のヨドバシカメラで、何か欲しい物はないかとさんざん物色するが、わざわざ旅の途中で買うこともない(ER6iを探したが置いてなかった)。
さらにキタの繁華街を彷徨い、夜は更けてゆく。「自分はどんなに歩いても疲れない」なんて過信していたが、現実は両足が棒のようだ。
で、今晩の身の振りはどうしよう。もう歩けないよ、パトラッシュ…。
(写真は通天閣)050905_1428.jpg

8月28日 ノリクリ ノリクラ

生きてこの部屋に帰って来れるのか? とアパートを出たのが午前4時。チャリでトンネル街道を西へ、乗鞍高原に向かう。標高600m前後の松本市街地から、たかが900mアップ。余裕で登り切らないと先がないのだが、かなり足が売り切れてしまった。“全日本マウンテンサイクリング”出場者でごった返す乗鞍高原に着いたのが7時前。筑大サイクリング部関係者としてSさんYさんTさんの参加を確認(他に後輩のGを見掛けたが見失った)。
私も参加したかったが、人気の大会ゆえ申し込みが間に合わなかった。だから今日はチャリでここまで登って、応援。
3minutesだがもうひとつ目的がある。(クルマやバスを使わない)完全自力による乗鞍岳登頂である。元々は大会に迷惑がかからず山が静かな別の日に実行予定だったのだが、面倒くさいので一緒くた。その見返りとして、大会規制によりこれ以上チャリではアプローチできず、大幅に目標達成が困難な事態になってしまった。無理っぽかったら大人しく引き返そう。
daisekkeiチャンピオンクラスのスタート3分前に、ジョギングで先行出撃。しかし登坂練習をサボっていたのが祟り、すぐへたる。自転車が雲霞の如くオーバーテイクしていく。だがレースが行われている県道とは別に、それをショートカットする登山道というものがある。熊鈴を装備して、徒歩あるいはジョグで山の懐に飛び込んで行く。このワープ作戦が功を奏し、やや遅いグループとはいい勝負になった。登れば登るほど後には引けなくなり、ハイマツ帯を駆け抜け、レースのゴール地点に到達。
yariho_from_norikuraさらに登山道を進み、正午ついに乗鞍岳3026mを制覇。山頂神社に賽銭をトッこんで目をつむると「てっぺんのてっぺんまで来たんだ!」と涙が出そうになる。
しかも、期待以上の景色。残雪の少ない季節は雲がコントラストの決め手になるんだけど、その雲の出方が絶妙なのだ。幻想的かつ強烈なシャープネスで視界に飛び込む北アルプス、御岳、白山。さらに嬉しいことに、広大な乗鞍高原の向こうに松本市街地が霞んで見える。自分の住むアパートの判別は全然無理だけど、こうやって見下ろしてみたかったんだ。
kuraigahara問題は下山。いくら登坂では自転車と渡り合えても、下りは惨敗。つーか既に一台残らず下山しきっていて、とても寂しいし。…いやそんな問題じゃなくて、既に体力は猛烈に消費し終えており、膝も笑っている。それでもレース参加者が帰ってしまう前に乗鞍高原に戻るべく、走れる所は走るプチ韋駄天。何とか三人に再開できた。
あとはチャリで高原を降り、魔のトンネル街道を抜ければ松本市街地。午後6時、アパートの部屋に生きて帰ってきた。引っ越してきて以来6年間暖めていた夢が、やっと叶った。

(さらに写真等を追加したサイクリング&登山日記はこちら。)

7月13日 プロジェクタX

生活の乱れ極まり、夜更かし暁を覚えまくり。左足首は相変わらず使い物にならず、ならばチャリに乗ってみてはどうか。腰痛以外の万病を治す不思議なチャリ、大事にしていたランドナー。お庭で雨に濡れていた。17日ぶりにまたがってみる。チャリンコ人生でこれほどのブランクを空けたのは初めてで、久々の感触は何だか重い。だけど足首には負担が掛からないみたいで、ガンガンと大町市へ向かう。やがて緩い登りが延々と続くのだが小雨の中、完全ノンストップで標高1433m、扇沢に着いた。まだ朝8時10分である。
kurobe-rainbow実はここ扇沢からアルペンルート最高点の室堂までの往復が¥8,500¥5,770と安くなるクーポン券を後生大事に持っていたのだが、期限が明後日で切れるので是非使ってみたかった。天気悪そうだけどな。まずトロリーバスに乗り込む。バスなのにサウンドが電車だし、架線のあるトンネル内をけっこう飛ばす。頭の中には中島みゆきの「地上の星」がエンドレスに流れる。黒部ダムに着いて、左足をかばいながら展望台へのトンネル階段を登る。そこでむらよしが観た景色とは…?
tateyamaEケーブルカーを経由してロープウェーに乗り込む頃には、興奮のるつぼにあった。なんでチャリンコでちょっとの距離に住んでいながら、今までここに来なかったのかと。高度を上げるに従って、Tシャツ一枚じゃ寒くて耐えられなくなる。立山直下を貫通するトロリーバスの終点が室堂。実に標高2450mまで来た。でも足が悪いから軽く散策だけして帰ろうね。
・・・おい、ふざけるな。あこがれの3000m峰、立山山頂はすぐそこじゃないか。足に魔法を掛けてでも登れ。逆に悪化し始めた天候とスピードを競いながら、岩稜を制し私は一番高い所に居た。プロジェクタのスクリーンじゃお話にならない、全方位の繊細で雄大な地球を感じるか。空気は冷たいか。岩を掴む両手は痛むか。
MURODOfromFUJI魔法もクソも無い、左足首は一歩ごとに金切り声を上げる。おかげで下山には時間がかかり、扇沢への帰りは最終便になってしまった。混むんだろうなと思ったら、トロリーバス乗客オレ一人!? ロープウェーもオレ一人!? ケーブルカーも…。
17時51分、チャリに戻る頃には大雨。空腹が限界なので街へ下りた所のマクドに寄る。セットが安くなるクーポン券を後生大事に持っていたのだが、期限が明日で切れるので是非使ってみたかった。
松本への帰路は睡魔との闘いとなった。ともかく、チャリダーむらよし復活である。

7月2日 遥かなる聖地まんせい

渋谷道玄坂の松本ビル前で、ずっと座り込んで耐える。いったいいつになったら酔いの峠を越えてくれるのか。同じ1時間半苦しむなら、チャリで峠を登る方が楽だ。こんな時に悪い人に因縁付けられたら終わり。
どうにか歩けるようになって、5m先の自動販売機でお茶を買う。しつこく勧誘してくる非ピリン系のバイタを振り切るように、その場を後にした。
まだ気持ち悪くてタクシーにも乗れない。かといってその場に留まっても風邪を引いてしまう。歩いた方が被害が少ない。とにかくおうちの方へふらふらと。「どこが前だろう ただ闇ばかり〜(八甲田山のテーマ)」とか歌いながら。
そのうち「日本橋あと7km」の標識が。全ての道は日本橋に通ず。よっしゃ、意地でもそこまで歩いてやる。持久力なんてこんな時ぐらいしか役に立たない。だんだん酔いも醒めて来て、気分も回復してくると「雪の進軍 氷を踏んで♪」とか歌い出す。こうしてありえない時間帯に東京見物をするのもいいものだ。真夜中にタクシーがいっぱい走ってるから東京って・・・すごい!
tokyomorning皇居のお堀を通る頃には、空が白みがかってきた。まもなく東京駅。ついに山手線内を横断してしまった。もう一息歩いてゴールの日本橋。ゴール? でもここじゃ電車の便が悪いから、さらに歩く。そこは万世橋。聖地だ万歳! 聖地だ万歳! 早朝の秋葉原電気街を抜けて、上野に着いた。
いいかげんまぶたが重い。京成電車に乗って、やっと金町へ。ここからもさらに30分歩く(バスは使わん)。
風呂に入って、酔い覚めに食べるそうめんがとても美味しかった。これから寝る。

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