8/28 岳の魔王の山頂にて
至上目標は1時間20分切りのチャンピオンクラス出場権レベルに復帰すること。近年はかつての自己ベストを追って自滅しているので、今年は途中の通過タイムを気にせず、体の声だけを頼りに走ることにした。朝のんびりしたせいでスタート行列は中団後方になってしまったが、序盤抑えるつもりなので丁度よいだろう。
会場ではkinottyさんやhoya_tさん、後輩のN君T君に会う。これほど同じ趣味の人と次々と会えるのは『全日本マウンテンサイクリングin乗鞍』だけ!
7時55分、一般男子Dクラス第1組のスタートが切られる。去年のような呼吸困難に陥ることがないよう、ライバルを探しながらも大事に大事に脚を運ぶ。第1チェックポイントを過ぎ、坂がキツくなってくるとそれまでのライバルは皆後方に沈んでしまった。タイムはやはり遅いようだが、好調に前を追っている。自分と同様にランドナーで挑戦している人には「頑張れ」と声を掛ける。
第2チェックポイントの位ヶ原山荘まで登ると剣ヶ峰が雲の間から姿を現し、思わず「すげぇ」と声が出る。直後に残り5kmの標識。このタイムでどうなんだ? 残り4km地点まで走って計算してみると、目標に対し非常に微妙なラインであることが解る。もうスタミナが切れる「一時間病」を気にしたり脚休めをする暇はない。坂が緩くならないうえ空気が薄いので、呼吸が目茶苦茶苦しくなってくる。残り3km、2km、1km、300m、ぎりぎりの攻防ラインが続き残り100m。
それまで大事にしてきた肺を「もうぶっ壊してもいい」と必死のもがきを入れる。フィニッシュ…手元の時計ではわずかにオーバーしていたような。まぁそれはチップ計測の結果待ちとしよう。それより今持てる力を存分に使い切った、レース展開で言えばベストに近い走りだった。日本の一般車道最高地点で、最高の気分だ。
チーム寿の面々と完走を労いつつ一休みし、裏手の魔王岳に登りに行く。ここからのゴール風景や乗鞍ピーク群のパノラマも壮観である。同輩Hが登山しているという槍穂高の様子は雲の向こうでうかがい知れない。
ほぼ最終組での下山を開始。しかし大雪渓の前で、ある人が路上中央で停止した挙句右に傾き、自分と接触して転倒した。危険を察知してもう少し間を空けておけば良かった。大事には至らなかったとは言え、さらに状況が悪ければ乗鞍山頂で三河島事故を起こしかねないインシデントだった。反省。
気を取り直してまた下り始める。猛虎参號さんの流す六甲おろしを聴きながら走ると、離れても脳内リピートがかかり口ずさんでしまう。所々で休憩し景色を眺めつつ、スタート会場まで戻ったらスイカのサービスがある。
タイム速報が貼り出されているので自分のを探してみると、「1:20:00」…。うわあ、まさか1秒に泣くことになるとは。悔しいけど、練習量そのものが足りなかったということだろう。今月はツーリングの他は一回軽めのタイムアタックをしただけだったからなぁ。また来年!
宿の温泉と昼食を頂き、自走で下界に降りるのが最終難関。慎重にトンネル地帯を抜け、波田支所からの大渋滞はいわゆる波田高速で回避しつつ、無事帰宅できた。こんな日の夕食は万両の肉味噌ラーメンで、疲労回復を急ごう。今日は思いっきりぶっ飛ばしたよ。
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