松本から茅野までチャリンコ〜、なんて無理はせず列車で移動する。駅前からシャトルバスに30分揺られ、やって来ました八ヶ岳縄文の里マラソン。まだ5回目と歴史は浅く、私もエントリー締切間際の新聞広告を見るまでは存在すら知らなかった大会である。
森の中の爽やかな朝。時間に余裕があるので、尖石(とがりいし)や本日無料開放の縄文考古館を見て回る。土偶「縄文のビーナス」は長野県に7つしかない国宝の一つ。重文「仮面の女神」や土器の数々も、いったい何を考えながら作られたんだろう。確実に我々の遠い御先祖様の仕業であると思うと、今こうして対面するのは因縁めいて感じられる。
スタート行列に並ぶのが早すぎて最前列になってしまった。こうなると、後ろをつかえさせないためにスタートダッシュを決めるのが義務となる。低かったテンションは急上昇し、気合いだけは優勝を狙わんばかりだ。9時50分の号砲と共に飛び出し、最初の100mはトップ通過。さすがにマズいので徐々にポジションを下げるが、下り坂でペースを下げるのは難しく、不十分だった。
肺が痛いほど苦しい。脚が体重に抗えなくなり、大きくペースダウンする。1000mを超える標高も一因だろうか。この状態で八ヶ岳エコーラインの長い登り坂に入り、向かい風も強い。なかなか肺の痛みが引かず、大失敗を悟る。一からレースを組み立て直さないと。
暑さも追い打ちをかけ、給水所で頭から水を被っても背中に掛かった水がベッタリして快適ではない。レース本番とは思えないローピッチで、練習並みのペースが続く。
それでもコースの景観は素晴らしい。もうちょっと日陰があるといいなぁと思いつつも八ヶ岳連峰を左手に眺めながら、やがてポジションは安定してきた。
折り返してからは下り&追い風。対向車線に土偶のような人を探しながら、我慢我慢の展開が続く。ラスト1kmは急登。それまで四拍子だった呼吸を二拍子にチェンジし、ゴール前は壮絶な順位争い。どこで諦めようかと弱気になりかけたが、抜かれた選手を差し返してゲートにまっしぐら。「あ、これは吐く」と思うほど無理したのはいつ以来だろう。本当に苦しいフィニッシュだった。
タイムは1時間35分24秒。90分を切るつもりでいたのに、辛うじて自己ワーストだけは免れるという不本意な数字となった。ま、練習量からは妥当と言えるが。最後は良い経験となったので、充実感は好レース並みだったりする。
どうにか吐かずに落ち着き、もう一度考古館を観覧するなどぶらぶらする。大会の運営は良い部分と悪い部分の差が激しく、アンケートが欲しいところ。でも来年リベンジしたいなぁ。シャトルバスで茅野駅に戻り、駅そばを食ってスーパーあずさで帰松する。来月の大町フルに向けて相当な課題を残したが、少しずつ解決していこう。
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