10/29 あゝ乗鞍岳
山本茂実の著書「松本連隊の最後」がたまたま実家に転がっていたので読んだことがある。題名は悲惨そうだが、信州人が南方戦線でいかに生き残ろうとしたか、わりとポジティブに書かれてあり面白かった。ならば同じ作者の「あゝ野麦峠」も読んでみたい。
そうは思っても本屋というものが大の苦手で、探しても探しても見つからない。アマゾンに頼んでも封筒が開けづらそうだし、ここは当の野麦峠へ行ってみるのが一番だ。というわけで久々のサイクリングらしいサイクリングは一路、野麦街道を西へ。東京電力のダム湖群から見事な錦繍に染まる。
奈川渡で国道と別れてからは交通量がグンと減り、気持ちは楽になるが体は楽にならない。こんなに遠かったっけ? 標識から合算してみると、同じ松本市内なのに片道55kmくらいある。登坂力がゲッソリ落ちてて辛いけど、これが今一番やりたい事なのだから仕方がない。
出発から4時間近くかかってやっと岐阜県境、標高1672mの野麦峠に到着した。ああ、乗鞍岳が見える。毎朝まずカーテンを開けて乗鞍岳を確認するのが日課だから見慣れた山だけど、この角度、この近さは有り難い。今までここでスッキリ晴れたことがなかったからなお嬉しい。
さかた菓子舗のおやきを昼食にする。観光客のみならず地元民にも評判の絶品だが、スポーツ時の栄養補給とするには素朴すぎるかな。遊歩道を少し散策してから、「野麦峠の館」という資料館に500円で入館する。マネキンはよく出来ている。
土産屋の「お助け小屋」で、いよいよ目的の本を探す。どこにあるか聞いてみると返ってきた答えは「今は扱ってないです」。
松本奈川側の展望は、少し戻った鞍部から鉄塔巡視路を少し歩くと素晴らしい景色に会える。この標高でも風が気持ちいいほど今日は暖かくなって、下りは快適だった。他に寄り道する余力なくピストンになったが、暗くなる前に帰れれば今日は満足。
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