11名用の船室は日本人部屋。案外やかましいが、旅の貴重な情報も転がってくる。一緒に女を買いに行こうとか、そういうのはあとでやんわり断ろう。レストランのキムチチゲ定食は子供じゃ食えないレベルの辛さだが、酸味と旨味があってとても美味しかった。夜行フェリー星希(ソンヒ)は対馬海峡を渡る。
翌朝未明、もう街明かりが間近に見えてきた。いよいよあれが韓国だ。入港しても下船は入国管理局だかの出勤をしばらく待つことになる。夜が開ける釜山港の街。まじでクルマが右側通行で走ってら。さあ、審査・税関の時間だ。無事通過すれば正式に、晴れてユーラシア大陸に初上陸。おいらの歴史が、また一ページ。アキハバラー\^o^/のノリでプーサーンー\^o^/とやってしまう。まだ船揺れの感覚を残しながら。
早くも人の群れからはぐれ、とりあえず殺風景な湾岸道路を釜山駅へ歩く。喉が渇いたので自販機を使おうとしたら、両替で得た40枚の万ウォン札は使えない(レートは1000ウォン≒100円)。仕方無い、朝食がてら本場のロッテリアで「プルコギボゴセット チュセヨ(下さい)」。伝わったかな?あまり旨くない。で荷物を預かって貰おうと、駅前のプサンインモーテルにWEB予約を入れてある…が、わかっちゃいたけどこの国で予約はあって無いようなもの。それともジジイ、日本語良くわからない振りをしてるのか?したら若いのが来て「チェックインは14時からだから、荷物を預かりますよ」と。ありがたい。
軽荷になって今日はとにかく歩く歩く。まず北へ。道行くクルマは殆どヒュンダイかKIAまたはドイツ。で日本車は予想以上に見かけない。レクサスとホンダを1台ずつ発見しただけだった。やがて商業地の西面(ソミョン)。本屋で「チョギヨ シガクピョ オディイムニカ?(すみません、時刻表ドコデスカー)」とカタコトで聞いてみると「シガクピョ?◆○☆×%*▲!」と大きく横に手を振る。友人N君に聞いてはいたが廃刊の模様。日本ではベストセラーなのにね。言葉が通じただけで嬉しい。多分。
しかし何か食おうにも、どこでどう声を掛けたらいいのやら。もう疲れたよ…。東へ向かう道すがらやっと勇気を出して、3つ千ウォンのタイヤキ?の出店にチュセヨ。「◆○☆×%*▲?」戸惑ったが、3つでいいのかということらしい。陽気なおばちゃんだった。タイヤキはカリッと脂っこく、旨かった。 日本人が滅多に来ないような学生街でまた本屋を見付け、日本マンガの韓国語訳モノを物色。弱虫ペダルを自分用の土産に買ってく。いつか読めるようになるかしら。どこの街もやたらスマホ屋が多く、それ以上に「약」の字つまり薬局が多い。
やばいもう日が傾いてきた。広安里(クァンアルリ)ビーチからは横一文字の吊り橋が映える。夕景が夜景に変わる頃、やっと海雲台(ヘウンデ)ビーチに到達。カジノで遊ぶ時間は無いし、わざわざ割高な焼肉を食う気もしないので、出店のワプル(ワッフル)だけ食って地下鉄で釜山駅へ帰る。23駅分も歩いていたんだ。車内は皆、サムスンかLGのスマホを弄っている。
荷物を預けてあるとはいえ、部屋が確保してあるとは限らないから怖い。まぁ大丈夫だった。ジジイに4万ウォン取られる。WEBでは3万5千ウォンだったが、もうどうでもいいわ。部屋はダブルベッド。この国のモーテルは普通にビジネス・観光とラブを兼用している。布団のオンドル部屋じゃないが床暖房が効いて暖かい。無線LANもある。あとは値段なりに低グレード。
ゆっくり休む暇はなく、南へ走って南浦洞(ナンポドン)へ。チョンボクチュク、チョンボクチュク〜!N君オススメの済州家(チェジュガ)営業時間に間に合った。壁メニューに日本語もあるので「あわびのおかゆ下さい」。最初は味が分からなくて塩を振ってしまったが、やがてその濃厚な旨味に気が付くと病み付きになる。隣りの日本人達があわびバター焼きを沢山分けてくれたし。「ここで韓国のあわびを食い、これからロシアの“あわび”を食いに行くんだ!」って。釜山を訪れる日本人は皆“飲む打つ買う”しか考えて無い、韓国人にはそう思われてるかも知れない。
釜山タワーでしよっぱい夜景を見て、光復路(クァンボンノ)に繰り出すとイルミネーションが凄い。こうして歩いてるだけで楽しく、寝る時間が勿体ない。また出店で何か食おう。…やはり言葉も作法もワケ分からん。どうにか辛いジャンボ焼き鳥にありつき、もう一品。芋けんぴみたいなものをチュセヨ。で「サムチョンウォン」と言われたのにボッとして3万ウォン出してしまい、大恥。そんなに高い訳ないよ。「◆○☆▲イルボン◆○☆×%*▲!」と隣りのおばちゃんに話しながら、お釣りをくれた。日本人だと見抜かれてたし。 調子に乗ってたのが一気に冷めた感じ。
もう釜山駅へ帰ろう。芋けんぴ?をバリバリ貪りながらヒト気の少ない裏通りをトボトボ、あれ意外と治安が良いな。中国人街に入ると声かけが多くなり、退散。駅のロッテリアでアメリカノコピを飲み、一日を締める。
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