8/13 四十二のひとりみ
約束通り朝6時にはキャンプ場をずらかり、蒲刈大橋を渡って下蒲刈島へ。石畳道は風情あるけどスピードは出せない。最後の橋は安芸灘大橋。輝く朝日を浴びつつ、本州に上陸。さよならとびしま海道。ここまで来たなら呉の街も寄って行きましょ。かつて「提督の決断」にハマっていたので圧倒的母港感ある。哀愁のあるBGMがずっと脳内を流れる。また言わずと知れた「この世界の片隅に」の聖地だが、竹原同様ここも予習しないで来てしまった。あのシーンってこの辺だっけな…眼下に大型造船所を望む。戦争の悲惨さ云々より、戦艦大和や海上自衛隊の勇壮さが観光資源という印象の街だ。俺はどっちでもいいけど。
早くも今日のサイクリングはほぼ終わり輪行。初めてJR呉線に乗り、広駅で末期色105系2両ワンマンに乗り継ぎ。先頭車両の一番前でしか下車出来ないことを知らずに、大慌てのすえ次の駅まで乗ってしまう客が複数あり。1時間に一本もない路線でかわいそうだが、これが國鐵廣嶋クオリティ。海の色も山の姿も、昨日に続く車窓風景。
三原、岡山、茶屋町で乗り換えこれも初めての宇野線、ワンマン列車。ICOCAで下車出来ないことを知らずに、時間をかけて証明書を発行してもらう客が複数あり。どんどん遅れるが、まぁ急ぐ旅じゃない。かつて宇高連絡船で栄えたという宇野港で自転車を組み立て、フェリーをゆっくり待つ。やがて「てしま丸」出航。右手、鉱工業が盛んな直島も見応えあるが、目を引いたのは左手の井島。死の島ともいうべき禿島の尾根に送電線が走る。群馬の小串鉱山跡と同様、冒険心をそそられる。(後で調べたら大きな山火事があったらしく、また航路からは見えない谷にちゃんと集落は存在している。)
猛暑だけど、クーラーの効いた客室より展望デッキで嬉々として写真を撮り回る。フェリーは豊島(てしま)の二箇所に寄港しつつ、香川県小豆島の土庄(とのしょう)港に到着。二十四の瞳の銅像「平和の群像」がある。この世界の片隅にの流れでこれもアニメ化してくれないかな。浜辺の歌といえばこの映画だ。せっかくだから小豆島産100%のエクストラヴァージンオリーブオイルを買っていこう。45.5gで1,200円の瓶、これが精一杯。
世界一狭い海峡を渡り、大型スーパーやコンビニもある街を抜けてふるさと村オートキャンプ場に行ってみる。「今日はもういっぱいだよ」…ラッキー、その方が言い訳が立つ。道の駅にある公園でまたゲリラ気味にキャンプ。北十字星からサソリの尻尾にかけて雲の筋のようなもの、あれが天の川だろうか。まどろむ頃、やっぱりやって来る花火ファミリー。涙がでるのは、さっき虫除けスプレーを目に入れてしまったせいだ。
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