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8/24-25 リズムに乗り鞍

Dinner土曜の午後、松本市街地の自宅をランドナーで出撃。波田町のスーパーで遅い昼食を取りつつ、トンネル街道を西へ西へ。渋滞はなく、また自分が渋滞の原因になることもなく、二年ぶりに乗鞍高原にやって来た。受付と買物を済ませ、坂の下の方の民宿に到着。同宿のメンバー達がもう酒盛りをしていて、勧められるがままに缶ビールを飲む。その後に鮎や馬刺し等の美味しい夕食。しかし数カ月ぶりにアルコールを飲んだのが効き、食後は温泉に入るのが精一杯。本番の宴会に参加すること叶わず、部屋に戻ってバタンキュー。

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Start結果的にかなりの長時間睡眠になった日曜の朝。良い天気になりそうだ。朝食後、支度を済ませて会場へ登っていく。これが良いウォーミングアップになる。さすが乗鞍というごった返しっぷりのなか、荷物預けを済ませて待機。涼しいがひなたなら暖かい、絶好のコンディションだ。痛ウェアの人は少なくなったと感じるが、ゾンビランドサガなど比較的新しいものも。あと艦これ加賀のコスプレさんがすっごい目立つ。自分は機材がクロモリ重戦車なので黒森峰女学園、まぁいつもの。

チャンピオンクラスのスタートから一時間余、自分らも号砲を受ける。チャンピオンエントリー基準の1:20'以内は頭の片隅に置くが、惨敗だったツールド美ヶ原以来全く練習してないし、お盆休みツーリングはエブリデイがチートデイだったので、体脂肪率18.9%と良い感じに太っている。ゆえに目標タイムは設けないことにした。それなら序盤思い切って脚力を温存してみては。スタートラインまで25秒、その後も無理に前を追わないようにして緩い坂を登っていく。

第1チェックポイント22'19"(グロス)、やはりちょっと遅い。次スタート組の先頭集団にも抜かれ始めるが、自分もそろそろエンジンが掛かってきて人車一体、リズムに乗ってくる。こうなるともう楽しくてしょうがない。松本山雅ユニフォームの方(K原さん)を抜いてから、脳内はアルプス一万尺が流れ続ける。勝利を信じてガンガン行こうぜ、おいらの勢いは止められない。つづら折り地帯はインベタ戦法、ただしギアをこまめにインナーローと行き来させて、力を使い過ぎないように注意する。

Ken第2チェックポイント56'41"、おっ!? 1:20'をぎりぎり切れそうな位まで盛り返してきた。自分にもまだこんな力が残っていたんだ、嬉しいなー。と浮かれたのも束の間、フロントディレーラーの操作でチェーンが内側に脱落する。「しまった!」左端にチャリを停めて降り、復旧を試みる。チェーンが深い所に嵌って5分ロスした車坂峠ヒルクライムの悪夢が頭をよぎるが、幸い20秒ほどのロスでコースの流れに復帰出来た。ただしリズムを取り戻すのにもうちょっと時間が掛かる。

おいおい冗談じゃない。脱チェンのせいで1:20'を切れませんでしたなんて言い訳できねえぞ。一気に戦闘モードになり、ハイマツ帯の景色を楽しむ余裕は無くなった。坂はあくまでキツく、1kmあたり4'30"を切るのも難しい、つまりフルマラソンより遅い。同クラス内での順位は上げ続けているのでペース配分は間違っていないはず。また昔のレーシングゲームのように他クラスの選手をゴボウ抜きする感覚を味わえるのは、年齢別スタート制の利点だと感じる。右車線は集団下山が始まっているので、薄い空気と意識のなかで気を付けなければならないが。

Tatami残り2km、1km、とうとう脚も呼吸も売り切れたか、見えているゴールが遠い。もう流れに身を任せていいよねと弱気にもなるが、道の右側が開く。後ろから抜いてくる人もいないし、私が行かずに誰が行く。もがいてもがいて、最後は突風に押し戻されそうになりつつ標高2,716mの県境ゴールを跨ぐ。手元の時計で1:20'を数秒過ぎたか・・・。でも公式記録はネットタイム制なので、大丈夫なはず。少し微妙な心境ながら、やれることはやったと自分に言い聞かせるウイニングラン。

早々にゴールしているH多さんH行さんへの報告もそこそこに、やっぱり登っておきたい富士見岳。駐車場から片道10分ちょっと歩いて標高2,818mの山頂へ。周囲の山は雲を被りがちながら、道路上からよりワンレベル上の畳平を堪能できる。これぞ非日常の絶景。風が強くて長居はできず、すぐに駐車場に戻るが。他の仲間達も集まっている。

Fujimiここでもゆっくりできず、スタッフジャンパーを身にまとって下山誘導協力員のお仕事へ。と言っても役割分担はなく、なし崩し的に集団下山に混ざる感じ。一応、困っている人がいたら顔を、じゃなくてエネルギーゼリーを分けてあげようとか考えているのだけど。今年も下りで転んで救急車沙汰があったみたい。この大会はゴールエリアでのエイドが一切無い。昔はそれが当たり前で、水と食料を自分で用意するものだった。今時の自転車イベントはサービス合戦なので、その感覚で参加すると非常に危険な状態での下山を余儀なくする。下りだって相当な体力を消耗するのだから、競技後無補給はノーヘルよりずっと危険だ。下山後に配布しているアミノバイタルGOLDゼリードリンクをゴールエリアで配布すれば、宣伝効果3倍増しじゃね?

Result路上にペンタックスのごついデジカメが落ちていて、危険除去も兼ねて拾っておく。落とし主はもう下山した頃だから、そこら辺の係員よりは大会本部に届けた方が良いだろう。やっとスタッフらしい仕事ができたかな。自分も無事に会場に戻り、水PETやらリンゴやらバームクーヘンやら受け取って、緊張の完走証発行。1時間19分38秒305、ホッと一安心。脱チェンで闘争心に火が付いたのが、かえって良かったかも知れない。自己ベストには遠く及ばないけれど。

宿に下りて温泉、そしてチャリはキャリアを付け直すなど通勤仕様に戻す。昼食にカレー3杯。同宿チームメンバーで記念撮影をしてからお別れ。日焼け止めを塗って、乗鞍を離脱する。たまにアレなクルマに出くわすトンネル街道だけど、波田高速(農道)まで降りればもう何も怖くない。沿道は田んぼやリンゴ畑。信州に実りの秋がやって来る。

8/16-17 日向向日

Kiri最後のゲリラキャンプ地からも無事逃走して、宮崎へ向かう。普通に都城経由でと考えていたが、地図をよく読むと霧島バードライン経由の方が山岳気分が味わえて面白そう。錦江湾と別れて北へ向かい、神社のような霧島神宮駅を経て標高450mの霧島神宮に登り着く。立体的に構える朱塗りの社殿がカッコいい。

妙に暗くなったと思ったら土砂降りに。雨装備に換装しているうちに小降りとなり、国道223号のアップダウンを東へ進む。鹿児島県から宮崎県に入り、日が差してきて水蒸気が上がる森の道。こんな美しい光景の中をツーリングしているんだ。

Miike火口湖の御池(みいけ)湖畔に下り一休み。店は潰れてるし観光客の姿も無いが、晴天に高千穂峰など霧島連山の素晴らしい風景。これで山も走ってきたよと胸を張って言える。天の逆鉾までは・・・見えないか。使われていないボート群や捨て猫たち、さようなら。

下り基調で高原(たかばる)を経由し、台風を追うような風も味方して早々に国道268号に合流。交通量が多いトラック街道で、強引に抜いていく車、よく事故らないものだ。国道10号に合流するとますます増える。蜂兵衛館のはちみつソフトクリームで一休み。いよいよ大都会宮崎の市街地に突入し、本日の走行97kmのうちほとんどを午前中に終えた。

Apolo昨夜は炊事をしなかったので、米が余っている。公園で釜飯の素を混ぜて炊き、半分を昼食に、もう半分をコッヘル弁当にする。百百の湯(もものゆ)という福祉施設がやっている温泉に入ってサッパリし、宮崎科学技術館へ。以前鉄道旅行で通りかかった際に車窓から見えて気になっていたんだ。展示はよくある科学館だがアポロ月着陸船の実物大模型は凄い。1時間ほど潰し、プラネタリウム15時30分の回が始まる。

完成当時はギネス記録だったという直径27mドームは今でも最大級といえる広さで、投影機スーパーヘリオス君の描写力も負けていない。生解説も聞きやすく、客のノリも良い。ただ後半の配信番組「宇宙への第一歩」はクソつまんなくて途中から寝てしまった。

港には宮崎カーフェリー「こうべエキスプレス」が付けている。わぁ、大きなお船。お盆期間は台風接近に伴う航路変更、そして昨日までの3日間は運休と散々だったようだが、今日から通常通りの運航を再開する。ラッキー。輪行して乗り込む。雑魚寝は苦手なので二ヶ月前に寝台を予約しておいた。

Chimneyもう何も怖くない。大船に乗った気分で、船内散歩をしたりバイキングレストランで爆食したり。やがて出航、夕景の街から離れていく。さよなら九州。予定していた椎葉村や西米良村などは走れず残念だが、そのぶん佐賀県が濃厚になったのと、日当山温泉〜霧島神宮〜御池ルートも一つの旅と言えるボリュームがあった。夜になりデッキに出ると、船明かり等で観測条件は今ひとつだが流れ星がひとつふたつ。

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もう紀伊水道に入ったか、雲があって日の出は遅れそうだ。コッヘル弁当を食って6時過ぎ、太陽が顔を出す。風景は去年乗った志布志→大阪航路とだいたい同じだが、この船は兵庫県の神戸三宮港に到着する。定刻より数分早く下船できて嬉しい。船内ガチャガチャで10円引となるシャトルバスに乗りJR三ノ宮駅へ。ここから青春18きっぷでの帰路となる。

Muko時間があるので大阪府の高槻駅で途中下車。旅疲れと船揺れで全然食欲が湧かないが、ここまで来たからには「やよい軒」でもやし定…は無いので目玉焼き定食を頂く。また列車に乗り、今度は京都府の向日町(むこうまち)駅で途中下車。向日神社までふらふら歩き、去年同様に向日市天文館プラネタリウムでplanetarianを鑑賞。今回はショートバージョンにつき、前半は星空解説が付く。けどオートなので味気ない。planetarianは人生化しているので、また来るよ。

あとはひたすら新快速や普通列車で松本へ向かう。宮沢賢治詩集、2/3くらいは読み進んだだろうか。暗くなるころ帰宅。旅行中のスマホ使用は原則として台風情報の取得に限っていたため、ニュースやSNS等は一週間振りに見るが、やっぱり俺が生きていようが死んでいようが世の中は変わらんな。ゆったりとした自分の時間の流れは終わり、洗濯やらゲームやら、いつもの慌ただしい日常に飲まれていく。

こうして夏は燃え尽きた。

8/15 ゾンビランド西郷

ゲリラキャンプを撤収し、雨が降り出すなか佐賀駅に駆け込んで輪行袋にチャリを収める。さて台風10号が豊後水道を北上中で、宮崎方面のJRは計画運休が決まっている。明日はフェリーの予約を取ってあるので夕方までに宮崎港に着かなければならない。このアプローチをどやんすどやんす? ミスタードーナツでカフェオレを飲みながら作戦を練る。こんなことも旅の楽しみのうち。肥薩線に乗って人吉か、欲を言えば吉松まで行きたいが、いつ運行を再開するか判らない。

Chuoとりあえず土産の小城羊羹を買って、青春18きっぷで鳥栖を経由し鹿児島本線で八代へ向かう。逐一気象情報や運行情報をチェックするが、肥薩線方面は土砂降りの予報が続き望みが薄い。うーん・・・八代のひとつ手前、新八代で慌てて下車し、思い切って九州新幹線に乗り換えた。がらがらだ。ちょっとお金が掛かるけど、一度乗ってみたかったし。それに錦江湾沿岸は予報が好転しつつある。鹿児島からの宮崎アプローチという決断を下した。

Kago鹿児島中央駅で下車し、昼食は駅ビルのリンガーハット。鹿児島に来てそれはないだろうと思いつつ、昨日までの道沿いにいっぱいあったのでもう気になって気になって。旨くも不味くもないわ。日豊本線が復旧すれば隼人まで乗って、チャリでえびのまで走って駅寝だなと思ったがまだ運休中。仕方なく輪行を解き、ここから走り出す。去年も走ったこの街、まさかまた来るとはね。

雨はまだ降ったり止んだりで、桜島山は見えない。国道10号は自転車で走るには苦しいトラック街道で、雨宿りを兼ねて重富駅で休憩。あ、列車が運行再開してやがる。霧島市に入り隼人駅でも休憩し、大隅国一ノ宮・鹿児島神宮をお参りする。天井の植物画が素敵。帰宅までの交通安全をよろしくお願いします。本日走行46km。

Sego日当山温泉(ひなたやまおんせん)は大きなホテルもない小規模な温泉街、のように見えて家族湯がやたらと多い。そういう文化なのだろう。「西郷どんの湯」(せごどんのゆ)という温泉銭湯に入浴し、日当山駅で駅寝とする。待合室こそ無いがホームの屋根と壁がしっかりしていて、バッチリ風雨をしのげる。しかも肥薩線の吉松以南は終日運休が決まっているので、終電を待たずに寝られるのだ、ラッキー。さすがに火気はよろしくないので食事は近くのスーパーで買い食い。

Hotaru駅寝とは言えやっぱり狭い所じゃないと落ち着かないのでテントを張る。もちろん明日は始発前にずらかって、都城経由の宮崎かな。ここ数日運休しているフェリーは大丈夫なんだろうな?

8/14 プラネタリウムの中心でブヒィと叫べなかったけもの

Ssl未明、ペルセウス座からひとつふたつと流星が落ちる。左手の暗闇に浮かぶ軍艦島からは3秒ごとに閃光が届く。明るくなってきたが路面電車がまだ動き出す前、長崎駅に到着。急ぎ輪行し、7時くらいの列車に間に合わせる。予定では熊本の肥後大津で輪行を解き、阿蘇外輪山を越えて宮崎へ向かうつもりだった。だが大型で足の遅い台風10号がいよいよ豊後水道を伺う針路で、九州の東半分は大雨の予報が出ている。どやんすどやんす? 西半分はまだそこまで荒れないようなので、もう一日こっちを走ろう。

佐賀県の巡礼は昨日の朝までに終えたはずだが、一つだけ心残りがあった。武雄市のプラネタリウムに行きたい。という訳で大村線を早岐駅まで乗り、そこから走り出す。国道35号は交通量が多すぎるので県道1号で東へ向かう。途中の波佐見という町も焼き物の里なのね。こうしてまた佐賀県に突入する。

Uchuまるで日曜の朝のようなワクワク気分で、やってきました佐賀県立宇宙科学館。チケット販売にかなり並んでいるが、プラネタリウム12時30分の回まであと1時間以上あるし大丈夫だろ。と油断したのも束の間、自分の数組前で売り切れてしまった。呆然として外へ出る。12時30分の回「月、その先の宇宙へ」はココでしか観られないオリジナル番組だったのに。今をときめく声優、小原好美さんのナレーションだったのに。天に遍くぅミルキーウェイ!とか言ってくれる訳じゃないと思うけど。

Tkbついてない。がっかりするあまり、ここまでの疲れがどっと体じゅうを包む。いやプラネタリウムに人気があるのは良いことだけど・・・。とりあえず暑いから武雄市図書館に行こうか。ツタヤCCCによる運用が悪い意味で有名だが、確かに映える施設で、観光地としては成功しているんじゃないだろうか。武雄温泉の元湯は入ったことがあるので、今回は蓬莱湯に入浴。日焼けした肌にかなり熱い。昼食は武雄バーガー。旨い、絶対に旨い。少し元気を取り戻したかな。

雨が降りだしたので合羽を来て東へスタート。と思ったらパンクした。ついてない。タイヤに焼き物の欠片が刺さっている。さすが焼き物の里。チューブ交換をしてリスタート。この旅で初めて(唯一)自転車旅行者とすれ違う。向こうは合羽も着ないで頑張っている。佐賀市に入り、バルーンさが駅や神野公園などゾンビランドサガの聖地を縫うような経路で中心市街地に到着。本日走行110km、雨は一旦止む。

Zns唐津駅で拾ったビラのひとつに「ゾンビナイトサガ」という美しいフライヤーがあった。何だろう、これ。佐賀県庁の展望ホールでで何かやってるらしい。という訳で暗くなってから県庁へ。入口に何の案内表示もないから本当にここでやるのか警備員に聞いてしまうほどだったが、エレベーターで11階に上がると・・・。何か、何か凄い!(語彙力)。佐賀市の控えめな夜景をバックに、プロジェクションマッピングが映し出される。窓をさすって応援するとキャラが変身するコーナーでは、ちびっ子の人気がリリィに集中している。わかってるな。またいくつかの劇中歌に合わせてPVを映し出すコーナーでは、今日まで駆けずり回った各聖地の風景も出てきて、泣きそうになる。サガって、すごい。本当に来て良かった。もう一回観たいなぁ。

台風接近の折、客は少なかった。近くに風雨をしのげる公園を見つけ、ゲリラキャンプ。

8/13 野母まで走れば大丈夫

Kushimaキャンプ地から無事撤収し、嬉野温泉の街外れにある轟の滝公園を散策。朝日が昇る〜♪

さよなら、佐賀。国道34号のラブホ峠を越えて長崎県に入り、新幹線の建設現場を見つつ大村湾沿いを南下する。せっかくだから大村公園を散策しよう。玖島城跡の石垣や櫓が立派だ。諫早を経て東長崎ジャスコで早めの昼食とする。建物の中は涼しいなあ。

ここから長崎半島の東側、県道34号を野母崎(のもざき)に向かって南下。海の向こうに島原半島や天草諸島を望む風光明媚な道だが、海岸沿いに良くあるアップダウンの激しさにたじたじ。休んでいると茨城県から帰省中と言うロード乗りが抜いていく。追い風なのは救いだが、それにしても暑い(この日、長崎市で今夏最高37.3℃を記録したらしい)。早め早めに自販機でスポドリを補充しながら進む。あまり人工甘味料入りばかりにならないように。

Kaba謎のサイクリングロード終点、そして風力発電所の丘を越えて、脇岬の集落に到着。時間はあるし、長崎県最南端の樺島に渡ろう。旧小学校脇の狭い激坂を登り、もうひと頑張りで樺島灯台。ひたすら海のパノラマ。振り返ると地下ダムという地形が見おろせる。すごく気になるけど、あそこまで下りるには飲料水が足りない。

本日最後のヒルクライムは野母崎権現山200mアップ。「手の平の力であらゆる病気を治します」と言う人が近づいてきて丁重にお断りすると、以降誰もいなくなる。展望台からはあまりにも有名な軍艦島が間近。ケムリクサの聖地だ。エンジンを点ければ今にも微速前進しそうな艦容だが、今は廃墟でしかない。アスベスト云々で今は上陸ツアーも無いようだ。遥か西には五島列島がうっすら並ぶ。いつか、あの島々を冒険するんだ。

Hashima海岸に下りて、アレガ軍艦島という温泉施設に入る。アレガって何だろう、星の名前?…浴室から「あれが軍艦島だ!」と叫ぶこと請け合い、程度の意味だろう。山の上から見るより、水平レベルからの方が何故か感動するな。濃厚な炭酸温泉は、他では得られない触感がある。

夕景のなか、公園でキャンプ。夜になるとちょっと雲が出て星が見にくいが、デネブアルタイルベガ…夏の大三角くらいは判る。本日走行123km、細かいアップダウンを積算すると1600mUPくらい。暑さと装備にしてはいっぱい走った。問題は明日、いよいよ台風が近づいてきた。

8/11-12 サイクルイン鳥

お盆休み、例によって青春18きっぷ輪行で、ひたすら西へ向かう。一週間自宅を遠く離れ移動し続けることになるが、ネット・クラウドではなくその土地土地からの情報を五感で最大限に得るべく、「旅情台無しアイテム」スマホは持たない。・・・のが恒例だったが、今回は実家の事情により止むを得ず所持する。折しも大型の台風10号が西日本に接近中で、九州直撃の可能性もある。スマホの使用は原則として、気象情報と運行情報を取得するにとどめよう。

Hakata_2という訳で車内でウトウトしたり、文庫版の宮沢賢治詩集を読んだり。イミワカンナイけど読み易い文体な気がするし、当時の宇宙観が伝わってくる。今とたいして変わらんね。岡山駅からは山陽新幹線でスピードアップ(どうせここまでの新幹線は激混みで輪行が困難)。福岡県に入り、夕暮れの博多駅に到着。ここまで冷房の効いた車内に居たから、駅前で自転車を組み立てているだけで、頭皮の全汗腺から一気にお湯が噴き出すような蒸し暑さ。とにかく西へサイクリングスタートだ。

Toriもうここが日本の首都でいいんじゃね?という大都会を抜けるあたりに室見駅や室見川がある。「波打際のむろみさん」の聖地かな。糸島市に入り、ドライブイン鳥(とり)糸島店で夕食。やや混みだがゾンビランドサガのコミカライズ版が置いてあって、読んでいるうちに順番が来る。「やき鳥一番 鳥めし二番」のCMソング通りに楽しめる一番定食をオーダー。鶏肉がクリスピーに焼けて旨い。鳥めしとスープも味わい深い。また食べたいね。

本日28km走り、公園でゲリラキャンプ。暑いのは仕方がない。

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Kagamiコンビニで朝食を済ませ、玄界灘沿いを西へ。いよいよ佐賀県に突入する。唐津市、虹の松原…ここで一ヶ月くらいキャンプしたい。一旦南へ折れて、鏡山ヒルクライム開始。16のカーブを数えて、標高280mほどの山頂公園に到達。青い海と空、緑の松原…最高の景観である。ゆっくりしてから松原に戻ると、からつバーガーの販売車がもう営業を開始している。ちょっと早めの昼食にしよう。

Houseアルピノにはコスプレの巡礼者がいる。駅前、小公園、砂浜、そして洋館とゾンビランドサガの主要な聖地を周る。無料のプラネタリウムがあるという少年科学館は休館日で残念。もう正午を回ったので次へ進もう。さらに西へ名護屋城なども気になるが、佐賀ばかり走る計画じゃない。南の伊万里へ急行する。いや、暑いので自販機で休み休みだけど。

ドライブイン鳥の本店はやはり混んでそうだし、まだお腹いっぱいなのでスルー。伊万里駅はJRとMR(松浦鉄道)で分かれている駅の構造が面白い。焼き物は展示を見るのが精一杯だわ。あと橋の欄干とかそれぞれ焼き物で趣向を凝らしている。道の駅山内で生姜ソフトクリームを食べ、さらに南へ。

Ureshino本日107km走り、やって来ました嬉野温泉。ここもゾンビランドサガの主要な聖地で、スタンプラリーも捗る。シーボルトの湯は建物内にキャラのポップが。入浴後は歩いて街を周る。うう、まだ暑い。また適当な公園でゲリラキャンプだが今夜はちゃんと飯を炊き、麻婆ソーセージを作ってかっ込む。さて天気予報を確認、明日までは大丈夫そう。

8/3-4 夢が鉢盛

Prime土曜の午後、フル装備のチャリで松本市内の自宅を出撃。うだる暑さだが、東側の鉢伏山にすっごい雨雲が掛かっている。西側の鉢盛山は微妙なところだが、そっちの山形村ルートを選んで走る。「お夏の碑」から朝日村に入り、中心部を通りすぎて御馬越(おんまご)の突き当り、標高950mにあるのがあさひプライムキャンプ場。ちょっと水場とトイレを借りるだけの自転車キャンパーにとって激安ビジホ並みの料金は高く感じるが、スポーツイベントなんてその土地に金を落とすのが存在意義だから、まぁいいか。実際せせらぎのフリーサイトはすごく気持ちが良い。じっとしていると寒い程だ。

Onatsu米を炊いてレトルトカレーとビタミンちくわが夕食。どうやら雨は降ってこないので、チャリで村中心部に下りる。「お夏まつり」…ネットにほとんど情報は無いが村民総出で盛り上がっており、特に子供にとっては松本ぼんぼんよりこっちがよっぽど楽しみだったんだなぁと。私は踊りをちょっと観てパンを買い食いする程度で、キャンプ場に登り帰る。200円で2分のシャワーが、一秒たりとも無駄にできないスリルを味わえる。

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Start日曜、少し明るくなってきた頃に撤収し、これにて本業(趣味)は終了。さて標高806mの朝日村役場に下りて、第2回日本三百名山鉢盛山2447登山マラソンの受付を済ます。距離38.3km、比高1,641m(積算だと+60m程)で、最高気温36℃?の酷暑に見舞われた去年の第1回は完走率54.5%という伝説的なサバイバルレースだった。自分の記録は5:18'余(参戦記)で、いくら標高差があるとはいえ長野マラソンの最終ランナーよりちんたら走ってたのはどうなの?と反省している。今年は予報33℃程度なのと、スタート時刻が30分早まっているから少し楽になるだろう。目標としては5時間を切って、さらに順位20以内が夢かな。トレーニングは7月200kmと、夏季は原則としてジョギングしない私にしては頑張った。須坂駅⇔毛無峠や、近所の城山遊歩道、Gトレイル等でそこそこ高低差にも慣らしてある。

それにしても参加者の雰囲気が一般的なマラソン大会と違う。みな脚がマッチョで太い。大会キャッチコピー「つわものだけが登ることを許される」の通り、本当に強者だけが定員いっぱい集ってしまい、気後れする。直前サプリは初めてベスパプロを試す。山頂コース参加者全員による記念撮影をして6時30分、だらだらとスタート。誰も行かないから、最初だけ私が先頭になってしまった。以降ずりずり下げる。順位を数えるが、アホだからだんだん分からなくなってきた。朝の曇り空は、御馬越あたりからもうかんかん照りに。さあ登るぞ。

Dirtばらけているが、多分10位グループの最後方で林道ゲートエイドを通過。ここからは未舗装路なので、ロード用シューズだと痛いだろう。今日履いているのはトレイル用のサロモンセンスプロ2、だがもうぼろぼろだ。大会攻略法のページにはしつこく「前半は温存して」と書いてあるが、登りの脚は登りのうちに使い切っちまう作戦。というかロゲイニング強豪のBさんにあまり離されたくなくて、つい追ってしまう。手持ちのスポーツヨーカンを食い、林道中間エイドを経て七曲りに入るといよいよ呼吸が苦しくなる。観念してペースを落とす。風は涼しいのに。

登山口エイドでバナナと塩飴を頂き、今回のテーマは「エイドでゆっくりしないこと!」なのでさっさとリスタート。Bさんと同時だったがもう完全に実力差がはっきりし、すぐ突き放される。膝を手で押しながらひいこら登り、村界尾根からは楽になる・・・が一度冷えた脚がつりそうで、やっぱり走れないわ。折り返してきたトップ選手らとすれ違いつつ、なだらかな所だけ少し走る感じ。

Norikura2:32'程で標高2447m鉢盛山山頂、の少し奥にある反射板に到達し登頂証の木札を貰う。穂高岳や常念岳は隠れ気味だが、今年は乗鞍岳が見える。お茶を沸かして1時間はまったりしていたいが、レース中なので1分も居られない。給水もないし、写真だけ撮ってさっさと引き返す。想定よりかなり早いので、後半に大崩れしなければ5時間は切れそうだ。それにしてもトレイル下山はやっぱり苦手で、後ろから迫ってきた選手にほいほい道を譲る有り様。村界尾根からの急坂はいよいよ脚の踏ん張りが効かなくなり、下る人優先なので登る選手を待たせてしまうのが申し訳ない。

腕もじんじんに痺れ一旦休んで補給すべき所だが、もうひと粘りして無事に登山口エイドに戻る。またバナナと、漬物等も頂きリスタート。ここを折り返し点とする林道コースの選手たちと混ざる。重力任せのペースで走っていると、山頂コースの選手が猛スピードで追い抜いていく・・・が、つってしまったようで先の方で止まっていた。以降、孤独なランが続く。いつになったらこの山奥から脱出できるのか。苦しい時は「マッチョアネーム?」を口ずさむと、ちょっとポジティブになれる。

今回ゲイターを装備しているので、靴の中に小石が入ってこないのは快適。だがウェア擦れが痛いのは想定外。汗のかき過ぎが原因だろう。スポーツヨーカンは走りながらだと食いづらいことが判明したので、予備のカーボショッツを服用しつつ林道ゲートエイドに到着。フラスク2本に入れていた塩水がもうからからなので、水を分けてもらう。

Hoseいよいよ熱風地獄のロード、去年ほどじゃないがさすがに暑い。針尾の集落に入ると住民が水シャワー装置などでもてなしてくれる。消防ホースぶっかけにはもちろんバンザイ突撃、生き返る〜。脚はもう終わっていて、また順位を2つ下げてしまうのだけど。20位以内は厳しいかな。残り1kmにある旧役場の新設エイドで給水し、最後に焼き土下座の坂を登らなくてはならない。なんとか走ってクリア。キャベツコーナーを抜けて、無駄に猛スパートして場を沸かせつつフィニーッシュ!

渡されたスポーツドリンクPETをすぐに飲み干し、もてなし給食へ。ああスイカが旨い、解凍トマトが旨い、キュウリが旨い、スープが旨い、サラダが全部旨い。おにぎりはちょっと喉を通りづらいけど…旨い。そういえばタイムは4時間38分位で、予想外の大幅PB更新となった。去年が遅過ぎたせいか。正確なタイムや順位は不明。今回はリストバンドによる電子計測がコース内の各ポイントにあるのだが、山奥で通信が確立できないため、機器を持ち帰ってからの解析になるそうだ。あと、山岳耐久レースチャンピオンという先頭ランナーが林道下りで軽快すぎて、元MTBチャンピオンのMTBによる先導が負けてしまったらしい。

Finish全身傷だらけでゴールした選手は、トレイルで落ちたか。ファミマで買ったコーラを呷っているうちに、林道コースの表彰式が始まる(もっと短いゲートコースはとっくに終わったようだ)。今回はクーラーの効いた庁舎の中なので、多少ギャラリーが居る。やがて山頂コースの表彰式も始まる。アスリートの女性はなんと美しいことか。庁舎内に飾ってある声優・羽多野渉さんのサイン色紙は、誰か気がついただろうか? まだ続々とフィニッシュする選手も居るが、参加賞のキャベツとスイートコーン?を受け取って、そろそろリーブしよう。フル装備のチャリでのんびり、松本市街地はさらに暑い。帰宅して洗濯したりテントを干したり。すぐ乾くから捗る。

完走率は山頂コース90.5%とのことで救急車沙汰も無し、と思ったら帰宅後にぶっ壊れて病院送りがいた模様。私も帰宅後、水やスポドリをいくら飲んでも飲んでも足りない調子だったし油断ならない。Web公開の記録速報によればタイム4時間38分05秒、総合順位19位/出走189名中で、何とかトップ20を確保できて嬉しい。後半だらしなかったので、次回出るなら今度こそ真面目に前半を抑えるべきだろう。という訳でこのコース、終始しんどいけど終始楽しいわ。だから出たのさ。

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