12/31分 東海から日本海へ

Chaga釜山まで来ても貧乏旅行癖は抜けない。昨夜5000ウォンで買ったパリバゲットの売れ残りセットが朝食になる。食べきれない分はまた明日にして、7時前にチェックアウト…受付のジジイ寝てるのでキーを置いてくだけ。地下鉄で南浦駅に移動し、日本建築が残るという乾魚物都売市場を歩き抜ける。昨日行きそびれたチャガルチ市場を観ると、港町の活気が溢れている。何で韓国人って皆元気なんだろな?

国際市場は諦めよう。また地下鉄に乗って北端の老圃(ノポ)駅で下車すると、釜山総合バスターミナルがある。そう、直接日本には帰らずに韓国北東部の東海(トンへ)市に移動するのだ。そこには日本海を渡るフェリー航路があって、今日ちょうどウラジオストク発の便が入港し、鳥取県境港市に向かって出港する。元々船に乗るのが旅の目的だったし、ぜひ利用してみたいじゃないか。…しかしローマ字案内がある高速バスと違い、東海へ向かうのはハングル表記しかない『市外バス』という種別。目的地までの切符を正しく買うことが出来るのか? 途中休憩で置いていかれたり、降りるバス停を間違えたりしないか? 今回の旅で最大の難関と位置付けている。

Bus窓口の運賃表を見ると、ネットで調べたのより値上がりしている。「チョギヨ トンへ ハンミョン(1人)」「(人差し指を一本立てて)한명? ◆○☆×%*▲?」「アホプシ…シパルブン(9時18分)」「◆○☆%▲」精一杯の言葉で、31900ウォンを払いチケットゲット。寝過ごしても大丈夫なように、東海を終点とする便を選んだ。途中で三陟(サムチョク)とムジョンチャ?って所に寄るらしい(追記:ムジョンチャは無停車の意味らしい)。朝の車内はキンキンに冷えてやがる。手袋をしてる人もいるくらいだが、三列シートはなかなか快適。さよなら釜山。バスはまず、高速道路をぶっとバス。

景色は、ハングルさえなければ日本とあまり変わらない。次の海外旅行は植生の違う所へ行こうよ。墓地は形は違うが沖縄のに似てる気がする。こういう車窓風景も旅の貴重な一分一秒だが、寝不足でついウトウトしてしまう。高速道路を下りても一般国道はまるで高速みたいな作りで、制限速度は80km/h。もちろんもっと出してるが、時々信号で止まる。こんな調子で東海岸を北上して行き、11時40分頃ドライブインに入る。アナウンスで「◆○☆%▲ オシボブン(55分)」と聞こえた。あれ、15分しか休憩しないようだ。トイレに寄って、売店を見て2000ウォンでコピを飲むくらい。

Tonghae三陟でだいぶ下車し、東海市に入って途中のバス停でも1人降りる。フェリー乗り場へはこっちの方が近かったな…まぁいいや、13時40分ごろ東海市外バスターミナルに終着した(4時間半弱)。どうせ市内バスとかタクシーとか使い方が分からないし、6kmくらい歩いてみよう。ちょうど市の中心部を抜ける形で、釜山と違って日本語案内なんて無いし、完全に韓国の街だ。いや、ちょっとロシア分がある。

どうにも腹が減って、CU(旧ファミリーマート)でフライドチキンとマックスコーヒーをレジへ持ってく。おばちゃん「◆○☆×%*▲?」??!、こうなったら最後の呪文を唱えるしかない。「チョヌン イルボン サラミエヨ(私は日本人です)」したら、さらに上機嫌に話してくる。自分が海外を旅する時は面白いガイジンたれ、と思ってたけど、今回は最後までダメなガイジンだったなぁ。チキンには韓国らしく辛いソースが付き、コーヒーは遠くチバラギ県の味。

街外れにある東海駅を見て、旅客船ターミナルへはあとちょっと。ところが地図通りの場所には壁しかない。もっと左? と思ったら海軍だし。ここで絶望してたら出国手続きに間に合わないぞ。焦って港湾施設の門番に方向を聞き、右のほうへ。やっと到着した。

Dbs無愛想なカウンターでチケットを購入。2ndクラスだがエコノミークラスの運賃117000ウォンでいいみたい。旅客収入はアテにしてないようで、ネットでもよく見る話だ。他に燃料金など15500ウォン。それでもここまでずっとお金の使い方が分からなかったので、だいぶウォンが余ってしまった。小さな土産屋を見てもピンと来ず、韓国ノリの大袋だけ買ってく。で、出国審査・税関へ。こっちはボディタッチで銃など所持してないか調べられる。こうしてDBSクルーズフェリーの貨客船イースタンドリーム号に乗り込み、ユーラシア大陸から足が離れる。

しかし本当の韓国は、ここから始まったのだった。

12/30分 釜山駅へ帰れ

11名用の船室は日本人部屋。案外やかましいが、旅の貴重な情報も転がってくる。一緒に女を買いに行こうとか、そういうのはあとでやんわり断ろう。レストランのキムチチゲ定食は子供じゃ食えないレベルの辛さだが、酸味と旨味があってとても美味しかった。夜行フェリー星希(ソンヒ)は対馬海峡を渡る。

6b117cd7b1ea49cabe60121a3792166f翌朝未明、もう街明かりが間近に見えてきた。いよいよあれが韓国だ。入港しても下船は入国管理局だかの出勤をしばらく待つことになる。夜が開ける釜山港の街。まじでクルマが右側通行で走ってら。さあ、審査・税関の時間だ。無事通過すれば正式に、晴れてユーラシア大陸に初上陸。おいらの歴史が、また一ページ。アキハバラー\^o^/のノリでプーサーンー\^o^/とやってしまう。まだ船揺れの感覚を残しながら。

早くも人の群れからはぐれ、とりあえず殺風景な湾岸道路を釜山駅へ歩く。喉が渇いたので自販機を使おうとしたら、両替で得た40枚の万ウォン札は使えない(レートは1000ウォン≒100円)。仕方無い、朝食がてら本場のロッテリアで「プルコギボゴセット チュセヨ(下さい)」。伝わったかな?あまり旨くない。で荷物を預かって貰おうと、駅前のプサンインモーテルにWEB予約を入れてある…が、わかっちゃいたけどこの国で予約はあって無いようなもの。それともジジイ、日本語良くわからない振りをしてるのか?したら若いのが来て「チェックインは14時からだから、荷物を預かりますよ」と。ありがたい。

軽荷になって今日はとにかく歩く歩く。まず北へ。道行くクルマは殆どヒュンダイかKIAまたはドイツ。で日本車は予想以上に見かけない。レクサスとホンダを1台ずつ発見しただけだった。やがて商業地の西面(ソミョン)。本屋で「チョギヨ シガクピョ オディイムニカ?(すみません、時刻表ドコデスカー)」とカタコトで聞いてみると「シガクピョ?◆○☆×%*▲!」と大きく横に手を振る。友人N君に聞いてはいたが廃刊の模様。日本ではベストセラーなのにね。言葉が通じただけで嬉しい。多分。

7d15fc820d7543b4b1a18f6667ba225bしかし何か食おうにも、どこでどう声を掛けたらいいのやら。もう疲れたよ…。東へ向かう道すがらやっと勇気を出して、3つ千ウォンのタイヤキ?の出店にチュセヨ。「◆○☆×%*▲?」戸惑ったが、3つでいいのかということらしい。陽気なおばちゃんだった。タイヤキはカリッと脂っこく、旨かった。 日本人が滅多に来ないような学生街でまた本屋を見付け、日本マンガの韓国語訳モノを物色。弱虫ペダルを自分用の土産に買ってく。いつか読めるようになるかしら。どこの街もやたらスマホ屋が多く、それ以上に「약」の字つまり薬局が多い。

85c5a87968e74fc5a15c1f85fe80cc7dやばいもう日が傾いてきた。広安里(クァンアルリ)ビーチからは横一文字の吊り橋が映える。夕景が夜景に変わる頃、やっと海雲台(ヘウンデ)ビーチに到達。カジノで遊ぶ時間は無いし、わざわざ割高な焼肉を食う気もしないので、出店のワプル(ワッフル)だけ食って地下鉄で釜山駅へ帰る。23駅分も歩いていたんだ。車内は皆、サムスンかLGのスマホを弄っている。

荷物を預けてあるとはいえ、部屋が確保してあるとは限らないから怖い。まぁ大丈夫だった。ジジイに4万ウォン取られる。WEBでは3万5千ウォンだったが、もうどうでもいいわ。部屋はダブルベッド。この国のモーテルは普通にビジネス・観光とラブを兼用している。布団のオンドル部屋じゃないが床暖房が効いて暖かい。無線LANもある。あとは値段なりに低グレード。

ゆっくり休む暇はなく、南へ走って南浦洞(ナンポドン)へ。チョンボクチュク、チョンボクチュク〜!N君オススメの済州家(チェジュガ)営業時間に間に合った。壁メニューに日本語もあるので「あわびのおかゆ下さい」。最初は味が分からなくて塩を振ってしまったが、やがてその濃厚な旨味に気が付くと病み付きになる。隣りの日本人達があわびバター焼きを沢山分けてくれたし。「ここで韓国のあわびを食い、これからロシアの“あわび”を食いに行くんだ!」って。釜山を訪れる日本人は皆“飲む打つ買う”しか考えて無い、韓国人にはそう思われてるかも知れない。

6eae46eb32404698ab8efda73373e3b7釜山タワーでしよっぱい夜景を見て、光復路(クァンボンノ)に繰り出すとイルミネーションが凄い。こうして歩いてるだけで楽しく、寝る時間が勿体ない。また出店で何か食おう。…やはり言葉も作法もワケ分からん。どうにか辛いジャンボ焼き鳥にありつき、もう一品。芋けんぴみたいなものをチュセヨ。で「サムチョンウォン」と言われたのにボッとして3万ウォン出してしまい、大恥。そんなに高い訳ないよ。「◆○☆▲イルボン◆○☆×%*▲!」と隣りのおばちゃんに話しながら、お釣りをくれた。日本人だと見抜かれてたし。 調子に乗ってたのが一気に冷めた感じ。

もう釜山駅へ帰ろう。芋けんぴ?をバリバリ貪りながらヒト気の少ない裏通りをトボトボ、あれ意外と治安が良いな。中国人街に入ると声かけが多くなり、退散。駅のロッテリアでアメリカノコピを飲み、一日を締める。

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10/13 それにしても乗鞍、ノリノリである

11月10日に埼玉県秩父市で行われる龍勢ヒルクライムに申し込んだ。例年自転車レースは2〜3程度なのに、今年はもう5つめかよ。そんな金と暇があったらツーリングすりゃあいいだに、でもイベントによる盛り上がりが欲しい気分なんだと思う。

しかし9月1日の乗鞍以降、ほとんどトレーニングらしいことはしていない状況。という訳で今日は乗鞍を登ることにした。クルマを使っちゃうと感動が半減すると知ってはいても、今は体力に自信がない。安直ながら松本市街から乗鞍高原まではクルマで移動する。先月起こした痛い故障は直りエンジンブルブル絶好調、カーオーディオも絶好調。

位ヶ原山荘付近より乗鞍岳を見上げる雲一つない青空のもと、一の瀬園地の駐車場からスタート。脚がヒルクライムの何たるかを忘れているし、こりゃトレーニングじゃなくてサイクリングペースだな。呼吸も追わず、ヒーメヒメヒメなどと口ずさめる程度でいい。紅葉は端境期らしいが、摩利支天バス停付近あたりはなかなか綺麗。時々チャリを降りて写真を撮りながら、レースでは悪天によるコース短縮で臨時ゴールとなった位ヶ原山荘を通過する。

日陰には昨夜?降った雪が残っており、そのせいかは判らないが穂高連峰は独特な灰色をしている。そしてやはり位ヶ原のハイマツ帯こそ乗鞍エコーラインのハイライト。人輪一体となって雄大な景色の中を登るのは楽しいものだ。最後の500mだけ本気出して、今年初めての畳平に到着。

乗鞍剣ヶ峰より位ヶ原、乗鞍高原、松本市街、浅間山方面西風が強いが、用意してきた真冬装備を着込むほどではない。補給食を摂って、小走りで肩の小屋に移動する。ここからは急な登山道だし、老若男女鈴なりなので歩き。トレッキングシューズがそろそろ寿命なのを気にしつつ、トップモストの剣ヶ峰3026mに登頂した。ここが乗鞍で一番いい場所に決まっている。360度の景観は、ずーっとここに居たい気分にさせる。まさに山の中の高山。

オマケの富士見岳を経て畳平に戻ると、夥しい駐輪とバス待ちハイカー。やっぱり自転車って自由で良いものだ(凍結通行止がどうのと耳にしたが、解除されてるっぽい)。自由もルールやマナーを守ってこそ。下りで突っ込み過ぎないよう注意して、一の瀬園地まで下山。手はかじかんでるけどお約束のソフトクリームを食べる。あとはクルマでらくらく、いやヒヤヒヤ帰宅。

トレーニングはこれでOK、ってわけにもいかず、目標が出来た以上、短い期間だがもう一頑張りしたい。

10/5-6 りょうかみとざんの雨と晴

三峰口駅前の鉄道車両公園土曜日、JR松本から長野・高崎・寄居・八王子を回って松本に戻ってくる切符を買った。新幹線で高崎まで飛ばし、八高線は気動車区間。寄居駅前の何もなさに驚きつつ、秩父鉄道のフリーきっぷを買って下り普通に乗る。野上でポンして急行券を付け、終着駅の三峰口で下車。初めて訪れる荒川上流域、さいたま県にもこんな山奥があったんだ。小雨模様のなか、鉄道車両公園にある古い貨物車や電気機関車を見学して回る。車両内に入れるところが良い。

あの花のキービジュアル、旧秩父橋秩父駅まで戻り、乗客は少ないけどサウンドは凄い蒸気機関車を見送り、道の駅で友人と落ち合う。ラーメン屋の見晴亭でちょっとケチャップが混ざるめんまちゃんめんを食い、秩父市内を歩いて巡礼。道から壁からセメントで塗り固められている町というイメージがあったけど、そんなことなかった。旧秩父橋まで行くと、ガチなコスプレイヤーたちが居る。

大野原から鉄道で秩父に戻り、食材の買い出しをして、小鹿野町のハマーズキャンプへ。ここのコテージに泊まる。ネット上に情報が少ないうえ入口看板もないので迷ったが、激安なのにサービスでタープ張ってくれるなど至れり尽くせり、客にアウトドアを楽しんで貰おうという気概に溢れていた。

基本暇人の私はともかく皆は働き盛りなので、4人の日程や希望をまとめるのに気を揉んだ。しかも直前になって宿泊予定の民宿にのっぴきならない事情が発生しキャンセル、涙目でハマーズキャンプに電話したのだけれど、結果オーライ。幸運は我と共にある。猛烈な量のカレーライスを食い、就寝。

日曜日、天気予報が悪かったので登山は諦めていたけれど、明けてみれば雨は上がっている。両神山決行へ。クルマで日向大谷登山口に行き、歩き始める。

だいたい乗鞍某宿でもそうだが、若い頃基準で飯を用意するもんだからたくさん残り、結局私が責任食いみたいになる。今朝も胃がたっぷんたっぷんで、それが不安材料。尤もみな何らかの不安を抱えての登山だ。

両神山の鎖場標高700mほどの緩やかなアップダウンから始まり、沢沿いに何度か渡渉しなからの急登へ。煉瓦色の岩石が多い。さらに清滝小屋を過ぎて尾根筋に入ると鎖場も連続し、短い距離で相当な標高差を稼ぐ。狛犬がオオカミな鳥居から緩急のち、日本百名山の一座である両神山1723mに登頂。好調なペースで登山口から3時間だった。

両神山頂の紅葉上空は青空だが水平は真っ白。富士山くらいは見えないかと期待したが残念。しかし周囲は紅葉が始まってて、良い山の雰囲気だ。軽く補給食をとって、下りも楽ではない。毎年のように死傷者が出る山なので慎重に。登りも下りも口々にキツイキツイ言いながらだったが、終わってみれば丁度良かったと思う。

両神温泉でさっぱりして、ロケット発射の準備をしている椋神社を過ぎたところの道の駅龍勢会館でピザを食い、解散。私は寄居から八高線の旅を再開、これで乗り潰したぞ。八王子から中央本線、大月でポンして特急券を付け松本に帰った。

みんな言いたい放題ながら、失敗しようがもたもたしてようが文句は言われない集まりが、年々貴重になっている気がする。またあるかしら。

9/29 Y線上のアリアケ

カフェ・ド・ラペ付近より有明山いつか自転車で行こうと思ってた中房温泉へ。安曇野の長閑な田園風景を横断し、穂高温泉郷から県道327号「槍ヶ岳矢村線」を登っていく。名前から察するに、本気で槍ヶ岳直下まで車道を通そうと考えていた時代があったのだろう。クルマだと離合困難な道だが、自転車で走るぶんには悪くない雰囲気。

自宅から2時間半。駐車場に入りきれないクルマが溢れるような標高1400mの中房温泉に着いて、十分へとへと。だが来週に登山の予定があるので、その予行演習をしたい。ここから燕岳・大天井岳へは登った事があるので、今回は安曇富士こと有明山を目指す(写真右)。かなり急な道でロープを掴む場面も多く、時々立ち止まって呼吸を整えないと辛い。

有明山で登山道をロスト少しなだらかになって「登山口から1.3km、有明山まで1.7km」の道標あり。10時半という遅い入山だったが、このぶんなら不安はない。と思ったのも束の間、一般登山道とは思えぬほど道が不明瞭になる。あれ?でもテープの目印は続いているし、踏み跡がある限りは進む。やがて巨大な岩壁にぶち当たった。巻く道は見つからないし、こんなのどうよじ登れば…。何ルートか試してみるが、危険過ぎるしどうも違うっぽい。正午を過ぎ、引き返す勇気発動!

さっきの道標近くまで下りて、ようやく正規の道を発見。右に行くんだったのか、わかりづれー。それとも俺がバカなのか。登り直すにも、ここからコースタイム通りだと日が暮れてしまう。既にテンションが落ちてるし、膝も笑い始めている。せっかくの絶好天だが諦めて下山しよう。燕岳方面に比べて極端に人気が低いうえ、中途半端な時間に登り降りしたため、登山道では誰にも会わなかった。いつか、クルマアプローチでいいからリベンジを。

国民宿舎の有明温泉に入っていく。まず膝をアイシングしたかったし、ここの露天風呂は広くて好きだ。あとは自転車で信濃坂という若干の登り返しをクリアし、さらに大口沢経由の登りも追加して帰宅する。

有明山についてネットで調べてみたら、同じように迷った例がいくつかあり、初見殺しの運次第という気もする。私が余計な踏み跡を追加してしまったから、また迷う人が出てしまうかも。反省点としては、山にはもっと早い時間に入るべきだった。でも負け惜しみだが、予行演習としてはちょうど良いボリュームだった。

9/14-15 万座で頓挫

浦倉鉱山軌道跡14日の土曜日。クルマで早朝の松本を出発し、上田から鳥居峠を越えて群馬県嬬恋村に入る。昨年5月に北西側の毛無峠・小串鉱山から山中深くに迷い込み、泣く泣く自転車を放棄した。その現場に南東側から向かうのだ。最大の目標は自転車の回収だが、「あんなものはヘリコプターを使っても無理だ」と思い込んでいたし、少々気が重い。むしろ同行のHA氏の方がノリノリである。

天候は今一つで、ジャージパンツを濡らす笹ヤブやトレッキングシューズを泥だらけにするぬかるみに阻まれながら、浦倉鉱山軌道跡の平坦路を進んでいく。トラロープを掴んで何とか渡れるような崩落箇所も多く、早々に回収を諦めるハラ。新川を渡渉して廃道度アップ。不動沢川に下りてからは自転車の死体を求めて沢登り開始である。時間はかかるが、飢えも渇きも怪我もない今回はまだマシと言える。

赤沢川の門赤沢川に分岐してさらに進むと、川が物凄い巨壁をくり抜いた独特の地形が門のように現れる。ここだ…。しかし裏山の探検隊さんをして「群馬のオーパーツ」と言わしめたそれは、跡形も無かった。増水時にどこか下流の谷底深くに流されたのだろう。正直ホッとした。もし見つかれば、気が変わって意地でも持ち帰ろうとした。自転車より命のほうが大事ではないか。

CL-11Vコンタクトポイント山に粗大ゴミを投げ捨てた罪は生涯背負うことになる。その罰が早くもやってきた。徒歩での山行は無事脱出したが、クルマで嬬恋ヒルクライムの舞台である万座ハイウェーを登り、温泉街入口の下り坂で強くエンジンブレーキを掛けたらストール。以降掛からなくなってしまった。あーだこーだ議論しつつ、良く分からない部分を開けて良く分からない部品を取り出したら、板バネが割れているのを発見。ガムテで繋げてみたらエンジンは掛かるものの回転数を上げられず走行不能に。これはクルマを放棄するしかない。ミイラ(自転車)取りがミイラ(自動車)になってしまった。温泉どころではない。長野市に宿をとってあるので、HA氏のクルマで上信スカイラインを越えてチェックイン。

たまたま持参したMacBookをネットに繋ぎ、部品について調べてみる。それはプラグに電流を分配するディストリビューターの、コンタクトポイントというものらしい。トラブルが多く、今時は廃止されているのだとか。要するにレアなオールドパーツであり、入手困難の恐れがある。翌9月15日の日曜日、開店時間が早いという理由でスバル信州の長野テクニカルセンター/部品センターを訪ねる。クルマはスズキアルトだが、同じ部品を古いスバル車でも使っていることを突き止めてあった。果たしてそれは発掘された。店の人が「まさか在庫があるとは思わなかった」と言うくらいの奇跡。私が新車を買うことは一生ないかも知れないが、もしあったらスバルにしたい。助かった。

万座温泉空吹とは言え私のドジは終わらない。万座に戻り部品の取付に掛かるものの、今日は指先がちっとも言うことを聞かない。コンタクトポイントを留めるネジがディストリビューター内の穴に飲み込まれ、取り出せなくなってしまった。もう一つのネジで何とか留まるので、それで騙し騙し走ることに。死んだと思われたクルマが生き返ったのはいいが、部品取付角度の微妙な調整がなっておらず、550ccのエンジンが300ccくらいになったかのように力が出ない。

毛無峠の巨大群馬県標識とりあえず恐れていた台風による大雨はまだ来ないし、やっと念願の温泉に入る。麓のセブンで日進舘の半額入浴券をゲットしておいて良かった。絶景の露天風呂だけ浸かっていく。その後また上信スカイラインを越えて、毛無峠に寄り道する。深い霧で小串鉱山はおろか峠の廃鉄塔も見えない。群馬県の巨大標識だけが不気味に目立つ。

須坂のホームセンターで磁石を買ってみるが、問題のネジは取り出せず。もうそれは無かったことにして、新しいネジを買ってコンタクトポイントを固定。相変わらず非力でオーバーヒートし易く、信号停止時はヒールでアクセルを踏んでおかないとストールする状態のクルマを、何とか国道19号で松本に運び終えたのは夜7時半。散々振り回したHA氏には感謝するしかない。

骨折り損のくたびれ儲けだが、これはこれで楽しかったのかも?

紹介遅れたが、全日本マウンテンサイクリングin乗鞍の自転車載映像をユーチューブにアップ。ニコ動向け編集はさらに大幅に遅れている。
→YouTube:乗鞍2013短縮コース(等倍速)

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1/11 ハヤカッタ退院

おととい職場から自宅に帰る間もなく入院し、昨日手術だった。麻酔で眠らされる瞬間は緊張したし、朝食と昼食抜きは辛かったが、それ以外は終始消化試合ムードで順調に退院。折れた鎖骨を繋いでいたプレートが三ヶ月余でようやく外され、あとは手術痕の痛みが引けば肩が自由に動くようになる筈である。もっとも骨はまだ弱いし筋力も回復してないから「しばらく転ばないで下さい」だそうだ。

今日帰宅するなりお泊りセットを放り投げ、ウォーキングに出る。昨日だって漫画みたいに点滴ぶち抜いて逃げ出したかったんだ。それをひねもす病床に伏せっていたものだから、身体がなまってしょうがない。安静?なにそれうまいの?転ばなきゃいいんだろ。
Toyoshina 左に山脈を眺めながら、マツモト城からアヅミノの町まで片道2時間の旅。豊科バイキングの平日ランチに、マズイマズイ言いながら事故以来4度も来てしまった。少量でヘルシーだった病院食とは正反対の、不健康な大食いをするぜぇ。さすがに学習して、気持ち悪くて動けなくなるほどは食わなかったが。メロンソーダにソフトクリームをトッこむと、昔懐かしい味に…そう、動物園の帰りに上野駅の日本食堂で、お子様ランチとクリームソーダを頼むのが定番だったのを思い出す。集めていた爪楊枝の国旗は、どこへ行った。

栄養は点滴で足りていたんだがなぁ。復路は国道19号で、計21.8km歩行。

1/4 あら、城 雪や

青春18きっぷの余りで頸城山塊をぐるっと一周するように、松本から長野経由で直江津に向かう。さらに糸魚川を経由し、小谷〜白馬間でいわゆる千国街道ウォークをする予定だった。しかし信越本線の列車が対向列車の遅れだのポイント故障だのオーバーランだのでgdgdとなり、新潟県の春日山駅で途中下車する。途端に凍てつく西風に襲われる。なるほど運行障害がでるわけだ。

Kasugayama そのまま歩いて春日山城に向かう。すると「大手道」を示す標識が左に出ている。これがメインなのかと突っ込んだら、とんでもない雪道だった。けれど一筋だけ踏み跡があるから、引き返したら負けかな。靴の中まで雪だらけにしながら、ようやく本丸に登り着いた。冬の高田平野や直江津港を一望する。

あとは春日山神社だけ参拝して直江津駅まで小走りし、数少ない普通列車に間に合わせる。どうせ今日はgdgダイヤだから発車も遅れるが。糸魚川から気動車の大糸線で長野県に戻り、南小谷へ。待ち合わせの間、小谷村役場周辺を散策する。

Aokiko 臨時快速「リゾートビューふるさと」、これに乗りたかったんだずっと。オール電化な区間に何故ハイブリッドトレインを走らせているのかは知らないが、18きっぷに指定席券だけ追加すればピッチ充分の豪華な座席に座れる。停車駅は特急より少ないが、ビューポイント毎に徐行。深々と降り積もる清き雪、青木レイクや木崎レイクを眺めながら食べるアイスクリームは格別だ。

松本で下車し、あとは買い物をしつつ帰宅する。徒歩計19.5km。

1/2 ラスト中井サムライ

軽く豊橋の街を歩き回ってから駅へ。あとはJR飯田線で松本へ帰るだけの旅である。
しかしこの年末年始、食えば疲れが取れるんじゃないかとばかりに甘い物を口にし過ぎた。よくダイエット法なんかで「一駅余計に歩いてみましょう」とか書いてある。

Kowadasta という訳で、本州最強の秘境駅こと小和田(こわだ)で途中下車。ここから歩いて隣りの駅を目指す。皇太子成婚ブームの名残りが朽ちかけ、また秘境感をアップさせているのが良い。ちょっと寄り道で先に小和田神社へ往復を済ませ、それからコンクリ舗装の徒歩道を登ってゆく。2軒ほど民家の敷地みたいな所を通るが、間違いなく駅前のメーンストリートである。不明瞭な分岐については予習しておいた。こんな山奥で遭難とかマジ勘弁。

1時間でやっと車道(天竜川林道)に着く。ガードレールが見えてホッとしたのは束の間、ここからも道は曲がりくねり、ひたすら長い。境橋を渡ると静岡県から長野県に入るが、とても「帰ってきた~」という気にはなれない。さらに高度を上げ、駅から標高差400mは登った。斜面にへばり付く小さな集落が点在し、はるか谷の下に天竜川や小和田駅が見える。わずかに霧雨が降っている。

Nakaisamurai ラストに茶畑のつづら折りを降りて、「隣の駅」中井侍に到着。4時間余りのウォーキングだった。ベンチに置かれたノートを見ると、他にも同じ事をするバカが度々いるようである。

電車だと同区間を5分で駆け抜ける。両駅や道中にトイレが無いから、次の列車が待ち遠しかった。今度こそまっすぐ松本に帰る。

12/26に病院関係でバタバタしたのを含め、怒涛の8日間をこうして終えた。体調管理が難しい季節に、ギリギリ耐え切れたようだ。明日はひねもす部屋で大の字にくたばっていたい。

2013/1/1 ならよし旅日記

2013/1/1 ならよし旅日記
例年通り姉の手伝いで、4日間にわたる餅販売の激務があった。それでも元旦そうそう近鉄古市を出発する。今まで指をくわえて眺めるだけだった吉野行き急行電車、ついに終点まで乗る日が来たのだ。本当は松本から自転車を持って来たかったけど、片肩での輪行はリスクが高いので断念していた。

急行とはいえ橿原神宮前を過ぎると急いで行かない。カーブが多い奈良の奥地をゆっくりと、やがて吉野駅に到着した。古来より信仰深い山域、もう聖地巡礼は始まっている。まずはそうとう旧式のロープウェイに乗る。稜線まで上がったら、ここからウォーキング開始。

金峯山寺などワールドヘリテージな世界遺産が目白押しだが、初詣の名所ではないらしく人通りはまばらである。だがそれがいい。コンクリの急坂をガンガンズイズイグイグイ上昇していく。昔サイクリング部の合宿で通り掛かったことがあるはずなんだけど、全然覚えてないや。

上千本花矢倉からの点棒が抜群で、中千本下千本を眼下に金剛・葛城・二上山などがはっきり見渡せる。あっちが下市。高城山展望台まで登って今回はここまで。奥千本を諦めて引き返すと、別のウォーカーと競走状態になる。ニワカじゃ相手にならんよとばかりに小走りで対抗するも続かず、あっさり負けた。

下山はロープウェイを使わず七曲りを経由し、計3時間半ほど歩いたかな。桜が咲く時に来たら高遠とは別の良さがあるのだろう。近鉄で吉野口まで戻り、あとは青春18きっぷでJR線の旅。和歌山線もレアだが桜井線は激レア、と思ったらやたら混んでた。この路線は駅名も凄いな、揚げ句の果てに京終とか。奈良から関西本線で柘植まで。これまた未乗の草津線を経由して、あとは東海道本線。

素直に松本には向かわず、豊橋のビジネスホテルに宿をとる。全国民が休みたいはずの元日から働く人たちには、頭が下がるというか申し訳ないというか。気まぐれな旅行者のためにドアを開けてくれてありがとう。

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