11/1-3 骨休めロック

天気予報が雨続きの三連休。残念ながら参加イベントも人に会う用事もないし、この機会に骨休めとする。土曜は玄関から一歩も外に出ず。

Novgotenたっぷり寝て日曜。疲れがどっと出てくるのは、体が正常化してきた証拠だろう。まぁちょっとは走るか、と散歩ジョグで黄葉たけなわの御殿山見晴台経由、美鈴湖へ。サイクルカフェピラータの不定期メニュー、チキンソテーがタンパクで嬉しい。サイクル野郎という漫画は10巻まで読み進んだ。主人公たちと共に旅の意味を考えたりと、成長していく感じがする。冬期も営業しているそうなので、ちょくちょく通って薪ストーブにあたりたい。下山は熊鈴を忘れたので舗装路を三才山(みさやま)集落へ。御射(みさ)神社秋宮にお参りして帰る。計20kmは散歩ジョグと言うには長くなった。雨はほとんど降らなかった。

祝日の月曜もたっぷり寝て、案外好天だし安曇野へクルマで買い物。せっかくなのでスワンガーデンから犀川沿いにジョギングする。大王わさび農場を横目に万水川合流点あたりの草むらを探索すると、ジャージや靴に大量の種子が。ぎゃー、この季節はマズかった。往復10km。

昨年11月の国道254号松本〜東京サイクリング記をむらよしギムナシオンに掲載。これでやっと去年のぶんは完了、今年のぶんに取り掛かれる。早く、記憶が消えないうちに…。

9/27-28 赤城は殊に活火山

特急しなのから新幹線あさまに乗り継ぐ時、初めて乗るE7系に喜んだのも束の間、御嶽山噴火のニュースを知って青ざめる。県歌「信濃の国」では「四方に聳ゆる山々は御嶽乗鞍駒ヶ岳、浅間は殊に活火山」と詠まれるが、あさまよりおんたけの方がヤバかったのか。登山者達の地獄絵図を思うと胸が痛む。来年はヒルクライム・イン・おんたけに出てみたいと考えていたが、どうなるだろう。隣の乗鞍岳は大丈夫か? そして、赤城山は大丈夫なのか?

Maebashiローカル線に乗り継いでやってきました群馬の県都、前橋市。輪行を解いてまずは夕暮れに映える群馬県庁を見る。ヒルクライムの会場に着く頃にはあらかたのステージイベントは終わっているが、受付が間に合えばいいか。良さ気な公園が隣接してるので、すぐ近くの食品スーパーで時間を潰して、十分暗くなってからゲリラキャンプ。サイクリングと言えばキャンプでしょう?

翌朝、赤城山ヒルクライム当日。天気晴朗なれども風寒し。乗鞍に限らぬヒルクライム仲間のNorikura1059さん、数年ぶりの再会となる筑大OBのT井さん、ニコ動仲間のボヌールさんに挨拶できた。募集開始21分で締め切られたという当大会、よく皆申し込めたものだ。

Negi初参戦でよく解らず、予想タイム1:22'で申告して与えられたスタートグループはCで7時10分出走。最初はパレード走行で、交差点を越えてから公式ネットタイムの計測開始となる。走力に大差ないなら先頭集団に食らい付くぞと意気込んだが苦しくなり、ずるずる後方集団に下げていく。「裾野は長し赤城山」やや苦手な緩く一定した坂。すぐ樹林帯に入る他大会に比べ市街地、そして暖かい声援が続く。

ペダリングが楽しくなってくる中盤、また脱チェンをやらかしてしまった。車坂峠の時ほど復旧に時間はかからなかったが30秒のロス。さらにリズムを取り戻すまで、またずりずり順位が下がる。これはいっぺんクランクを外して診ないと、よく判らんな。斜度の変化があるところではずいぶん調子を取り戻す。

Softオールスポーツが設置した残り800m標識から気持ちスパート、だが周りも速い。最近ぜんぜん長い距離を走っておらずスタミナ不安のある身体では、呼吸器系に無理が掛かってしまった。半壊しながらフィニッシュ。また気胸などの故障をしてないか不安だが、そこまで追い込めた点は満足感に繋がっている。1:15'28"というタイムも概ね目標通り。まずは何はなくともソフトクリームを買い食い、旨い。

あまりゆっくり出来ないが、隙をついて手近な見晴山だけ登ってみる。見晴らしは大したことなかった。その後も火口湖に降りた荷物場でうだうだし、下山グループは中盤。噂の下山渋滞が市街地で続く。そんな所でも市民の応援がある。

Dan会場に戻ってテントを撤収し、あとは【ろこどる】がんばるステージや出店ブースを楽しむ。赤城だけあって艦これの痛ジャージ達、コスプレまで居る。からからと抽選会が終わればさようなら。帰りも新幹線と特急を乗り継ぎ、火山灰が心配な松本に戻る。

これで今年の自転車ヒルクライム参戦は終了。春のランニング戦線に比べて、惜しいところで記録には恵まれない印象だった。悔しさを来年に繋げられるか。その前に、秋からのマラソンシーズンにズク出せるかだ。

9/21 ぴぴっとしろし

土曜は休日出勤だったとは言え、早朝とか走る時間はあったはず。ところが通勤にまでクルマを使う怠けっぷり。シャキッとしない9月である。毎年こんなんでいいのかなぁ。

Ireired日曜も基本だらだら。数カ月に渡った林道湯ノ原線の法面工事が終わったようなので、午後になってチャリでタイムトライアルに出かける。区間21分47秒。大して追い込んでもないのにゴール後貧血気味でふらふらした。あと一週間で体調を回復させねば。美鈴湖まで下りてチャリを置き、今度はジョギングで周回。2週目は慰霊塔周りのプチトレイルランニング。標高1000〜1100mは桜の葉や何かの実が赤く色づいて、もう秋が始まっている。

「ぴらーた」に行ったら店主が野球で遊んでて、混ぜてもらう。球技は惨めなまでに苦手な僕だが、球を良く見りゃ意外に当たるものだ? カレー食ってサイクル野郎を読み進めて、下山。最近は美鈴湖から下りると「ぴっこ」でジェラートを食うのが恒例となった。だから登るたびに太る。

前回のブログで追記したけど、改めて全日本マウンテンサイクリングin乗鞍2014の動画を紹介。作成に使用しているMacBook(Late2008)が瀕死で、次回の赤城山ヒルクライム動画まで耐えられるか微妙な所。
→ニコニコ動画:乗鞍2014 大雪渓短縮コース(5〜20倍速)
→YouTube:乗鞍2014 大雪渓までの短縮コース(等倍速)

9/6-7 乗鞍 in the sky (でも捻挫ですかい)

Kotobuki金曜の仕事帰り、派手に落車して擦過傷だらけになってしまう。土曜の朝になっても手首の捻挫が引かないため、全日本マウンテンサイクリングin乗鞍は棄権して路線バスで乗鞍高原に向かうつもりでいた。しかし猛虎四號さんが骨折からの猛リハビリで復帰してくるというのに、捻挫ごときで負けてられない。恐る恐る、自転車で現地に向かう。新村交差点の向日葵畑が見送る良い天気で、夕方に受付会場に到着。グローブだけ衝動買いして常宿の寿家に下りる。白骨から引湯されている温泉、そして何と言っても20名を超えるチーム寿の面々との再会が嬉しいところ。ただし酒は控えておく。気になるのは明日の天気。

日曜、時折霧雨が降る微妙な状況。一旦開会式を告げるファンファーレが鳴りかけるがキャンセルされ、しばらく大会本部による協議が続く。結論は、畳平の強風によりコース短縮。これで6年連続、1:20'切りならずが確定し気落ちする。せいぜい雨のランドナー、頑張ろう。去年も同様に悪天候によるコース短縮で、その時は位ヶ原山荘がゴールだった。今年は大雪渓(肩の小屋口)19.1km地点まで行ける。確かこの大会の創生期もそこまでだったはずで、原点回帰と言える…かも。

スタート時刻は30分繰下げとなり、寒さに震えて辺りを小走りしながらも、ちょっと空腹が気になるところ。8時37分にロード男子D1組が号砲を受ける。走り出してしまえば寒さは涼しさという武器になり、好調なペースで第1チェックポイントを通過。さらに調子を上げて一旦置いてかれた集団にも追い付き追い越す。「どうせ怪我だらけの体だし、いっそパンクしてしまえ」とばかりにタイヤの空気を規定圧3.0ナントカいっぱいに入れたのが功を奏しているようだ。

Cryga第2チェックポイントを過ぎ位ヶ原のハイマツ帯に入ると、とうとう雲を突き抜け、目前の青空に乗鞍岳山頂が聳え立つ。「素晴らしい…!」と思わず呟く。まさに「雲上を駆ける」という番組名どおりの様相だ。しかしどうも呼吸が苦しい。「乗鞍は空気が薄い」なんて気のせいだろと例年は思うのだが、今年は自分がそんな虚言を? いや確かに薄いんだ。あのゲロを吐くようなラストスパートとその後の爽快感、を味わえない大雪渓フィニッシュとなった。精神的な敗北を感じる。まぁ全力を出し切っていたからこそと思えば…。

ここからが本番、下山誘導協力員のお仕事である。本番で晴れるなんて、やっぱり今年の僕は晴れ男だ。ただし手首捻挫の回復が遅く、踏ん張りが利かないので超慎重に。美ヶ原の時と同様に先導自動車に続いて自転車列の先頭を抑える役割で、今回は二人体制のためナメられず穏やかに進む。それでももう少しで下山終了というところで暴走自転車が現れ、怒鳴ってしまった。サービスのりんごが旨い。

Sunflower昨日の夕食と今朝の朝食はご飯3杯ずつと控え目だったため、昼食のカレーは5皿いただく。日曜はおおもりごはんに限る。速い速いとおだててくれたメンバーともお別れ、自走での乗鞍脱出へ。新島々からはいわゆる波田高速を走っていたが、新村の向日葵畑をまた見たくなったので国道に復帰すると、酷い渋滞。ともかく無事に帰宅した。

完走証には1時間09分03秒035とあるが、これってどうなんだろう。パソコンを立ち上げ、過去のチャリ載動画と通過タイムを比較してみたら、びっくり。もし短縮ではなくフルコースだったら、7年ぶりの自己ベスト(1:16'19")更新もありうる絶好調っぷりだった。春マラソンの頃の体力がまだ残ってるんだな。しかしタラレバを言ってもしょうがない。来年こそはフルコースで結果を出せるよう、あと一年はこの趣味を続けなければ。

次戦は3週間後の赤城山ヒルクライム。そのさらに一ヶ月後の大阪マラソンのためにジョギング中心のトレーニングに移行するつもりだが、今回の課題はきっちり克服して臨みたい。つまり前日につまらん怪我はするなと。

8/30-31 桧 ボンバイエ

お盆ツーリングが終わると毎年のように、走る気が失せて食い気ばかりになる。平日は雨続きもあって、プチ夕練さえあまりしていない。それでも週末ごとに自転車で桜清水坂をタイムアタックしてみる。先週は33'44"、今週土曜は34'12"と振るわないが、あの凶悪な激坂を登る気になっただけマシかも知れない。

Akazawa標高1400mの三城集落は野菜の無人販売が魅力。虫穴のあいたキャベツとか有り難いね。スーパーのぴかぴか野菜に比べて数秒だけ寿命が伸びそうな気がするよ。あとついでに、桧沢林道を経て扉温泉・桧の湯に入浴していく。さすが「西の白骨、東の扉」と云われる名湯だが、自分にはちとヌルい。

日曜は暗くなってから岡田旧道〜浅間飲泉のジョギング11.5km。大阪マラソンが10月に迫っているのに、今月はちっとも走らなんだ。

ともかく次の週末は全日本マウンテンサイクリングin乗鞍。2008年を最後に遠ざかっている1:20'切りがなるか、微妙なところ。それよりツールド美ヶ原に続いてまた下山誘導協力員を承ったので、しっかりやりたいところ。大勢の合宿も楽しみだ。

キューが溜まる一方のむらよしギムナシオンには、去年10月のおんたけ湖ハーフマラソン参戦記をアップ。急がないと去年分を書き終わらないうちに今年が終わってしまう。せっかくお盆はネット断ちしたのに、帰ってきて中毒を悪化させてゲームばかりやってる場合じゃないぞ。

8/14-15分 Seven days 右往左往

函館の街を名残惜しく写真に収めながら駅で輪行。ちょうど上野発の北斗星が入線してきて人だかりが出来ていた。あれのチケットを取れなかった悔しさはあるが、結果として無理のない良旅になっているかも知れない。自分は始発の特急スーパー白鳥に乗って、本州へ帰る。JR北海道&東日本パスは函館〜青森間において、特急券を別に買えば乗車券として機能する。18きっぷだと木古内〜蟹田間しか特急に乗れないから、その違いを活かしてみたかったんだ。

Aomori青森駅で輪行を解き八甲田丸の周りをぷらぷらして、そろそろスタート。信号停止したところに浅草焼の店があって、つい寄ってく。上田のじまん焼きより小ぶりだが65円は安いわ。2個食って今度こそスタート。長野マラソンのTシャツを着てジョギングしている人を見かけ、ちょっと嬉しくなる。

陸上自衛隊を過ぎて少し登ると、はじめての三内丸山遺跡。物々しい入口の建物だが、入場は無料だ。園内は、確かにあのデカい矢倉?は凄いが、あとはプチ吉野ケ里ってとこ。それよりミュージアムはなかなか良く出来てる。「縄文人もびっくり!」というキャッチに負けてソフト栗夢を食べてみたり。

Art新青森駅前を経て、羽州街道旧道で大釈迦峠(102m)を越えると津軽平野。右手に岩木山が見えてくる。左手には南八甲田と北八甲田の山々。黒石市の「こみせ通り」を通り過ぎると、伊那市・ひたちなか市と並んで「日本三大田舎っぽい市町村名」と思われる田舎館村に入る。往路の列車旅で田んぼアートの駅広告をちょくちょく見掛けていたので、気になってたんだ。まず道の駅併設の第2会場から。200円を払って展望台に登ると、結構な人だかり。昨夜の函館山ほどじゃないけど、またずいぶんミーハーな所に来てしまったようだ。一枚の写真には収まらないほど横いっぱいに、サザエさん一家が色々な品種の稲で描かれている。

次に田舎館村役場の第1会場へ。展望台に5時から登れる整理券を配布している。え?15時の間違いじゃないのか。さすがに2時間も待てず下から見るにとどめたが、何の絵かさっぱり分からなかった。さぁラストランは気をつけて。立ちくらみするくらいに旅の疲れが溜まっている。昨日今日は大した距離を走らず、JR弘前駅でサイクリング終了。

もう自転車はいい。弘前観光も以前やったのでスルー。風呂の支度をして電車に乗り、大鰐温泉へ。新しい入浴施設じゃ旅情が無さそうなので旧温泉街を歩くと、ひどく寂れている。だがそれがいい。最後のひと頑張りで茶臼山に登り降りして展望を楽しんだあとは、共同浴場の零湯大湯でゆっくりする。古いが三階建ての建物は立派。休憩室のソファーに3分と言わず、ずっとうだーってしていたい。でも戻らなきゃ。

Oowani復路は弘南鉄道大鰐線に乗ってみる。良く揺れるローカル電車で中央弘前駅まで乗り、牛丼を食ってJR弘前駅に戻る。東口公園で津軽三味線のやかましい発車メロディーを聴きながら、テント泊。

翌日、朝焼けが見えていたが、撤収を終えたとたんに雨が降ってきた。晴れ男の魔法もここまで。あとはずっとしとしと模様の日本海沿い輪行旅が続く。流れる車窓をぼーっと眺めながら、気の遠くなるような乗車時間、一年分はあるかという考え事をする。休むに似たり。

もっとずっと、ケータイやパソコンから解放された旅を続けたい気持ちもある。七日間のネット断ちで新たに得たものは何もないが、取り戻したものなら色々ある。世の中に背を向けたダメダメな感じが良い。そこには自分の時が流れるのだ。まもなく、仕事の前後に血眼になってニュースサイトや動画チャンネル、ゲームログインをチェックする日々が帰ってくる。時代ゆえの仕方無さはあるが、またこうやってプチ失踪を楽しみたい。

Mutsumap夜遅くに松本駅に降り立つと、雨は一時的に上がっている。その隙にさっさと組み立てて、24時前ギリギリに帰宅できた。おつかれーーー…。

8/13分 ハコダテヤマノボレ0813

下北半島の佐井村で迎えた朝。いざ高速船で青森市へ渡るべくアルサスの定期船窓口に行くと、「本日欠航」の文字が私を絶望の淵に叩き落とす。そんなに風つよいかな…。どーすんだよ、膝が痛いから陸路で仏ヶ浦〜脇野沢なんて嫌だぞ。いっそ大間に戻ってフェリーで函館に渡るか。諦めていた北海道が一気に現実的になってくる。そうだそうしよう。着いたらフランチェスカちゃんグッズを買い漁って、特急列車で青森にとんぼ返りすればいい。

Daikan朝の便は行ってしまったので、昼前まで大間町をぷらぷらする。青い空、青い海。昨日よりハッキリ北海道が見える。やがて大函丸に乗船、出航。無上の旅情に包まれるひとときだ。朝ドラのように、伊東四朗が突堤から見送ってる気がする。さよなら本州私は行っちゃいます、ああ津軽海峡夏景色。




ship

Bayという訳でやってきましたほっかいどー! とんぼ返り? するわけないじゃん。サイクリング旅だとスルーしがちな函館の街を、今日はらくらく観光だ。まずはラッキーピエロのチャイニーズバーガーで昼飯にし、緑の島から対岸の赤レンガ倉庫群を望むなど。立待岬には石川啄木一族の墓がある。エロメガネとか言わない。

公園に自転車を置き、今度は市電1日乗車券による乗り潰しの旅。五稜郭は既訪なので行かなかった。そういうの長野県にもあるし…。函館どつく前駅から元町エリアの坂道をぷらぷらしてソフトクリームを食って、公園に戻る頃にはだいぶ暗くなってしまった。設営と炊事を急ぐ。夕食はいつものようにあくまで質素に、もやし入り麻婆豆腐のせご飯。

夜8時、函館山に登り始める。メインルートと思われる旧登山道コースを歩くが、街灯もなけりゃ行き交う人もない、真っ暗闇のスロープが続く。ヘッドライトだけが頼りで、所々慰霊碑のようなものが映るが気にするな。今日は脚休めのつもりだったのに、どうしてこうなった。そう思いながら七合目まで来ると山頂の照明が見えてきて、テンションアップ。ここから街灯だけはある。

Hakodate標高334mの山頂からは、ハッと息を飲む大夜景! こりゃ想像以上の美しさだ。自分の脚で登ってきたゆえの感動もちょっとプラスされてるかも知れない。ただしここからだとロープウェイが少し視界に入るので、駅舎屋上の展望台に回ってみる。…物凄い人だかりに笑ってしまった。これじゃ夜景を見に来たのか人を見に来たのか分からない。押すな押すな、早くどけよという惨状だ。下りのロープウェイも大行列に並んで50分待ちだって。歩いたほうが早いんじゃね?

さっきの空いてる好展望所は建物の裏手を回るため、ほとんどの人は行き方が分からない様子だった。海の向こうには本州下北半島の灯りも横に並んで見えている。後ろ髪を引かれる思いで下山へ。迷ったらシャレにならないので確実に旧登山道コースを選択し、下のロープウェイ駅まで降りたらキリンガラナが自分へのご褒美。あとはテントに帰って寝るだけ。

それにしても本当に北海道に来ちゃったんだなぁと、今更ながら旅の意外性にびっくりしている。

8/12分 オー!大間イキー

Shiriya羅針盤を北東に、大湊警備府を出撃。東通村に入るとだだっ広い田園風景があり「ここまで来れば青森県」って感じがする。風力発電所群もほど近く、近未来的というか幻想的というか。北岸沿いに進むと突如として現れる露天掘りと、三菱マテリアル・日鉄鉱業の巨大工場。工場萌えの人にはたまらん景観かも知れない。

やって来ました、本州最涯地の尻屋崎。この先には何もないという尖った地形の草原に、白亜の灯台が立つ。寒立馬(かんだちめ)の放牧はほとんど見られなかったけど、一番訪れてみたかった岬の感動は十分だ。

来た道を引き返し、途中から大間方面への短絡路へ。むつ市に入ったところに現れるのが、真新しいリサイクル燃料貯蔵施設。まるで映画に出てくる軍事施設のような、鼠一匹通さないセンサー囲いが印象的。

Oohata旧大畑町には、廃線終着駅の建物が残る。イカの町ということで、駅前食堂でいかすみらぁめんを注文。店の奥でイカスミを吐かされてる娘がいるのかなと妄想する。黒い麺が特徴だが、イカスミの味というのは私にはよく分からない。まぁ普通に旨い海鮮ラーメンだ。食堂らしくテーブルに新聞が置いてあるけど、なるべく日常から切り放たれた旅にしたいし、手には取らず。どんな天気になろうともラン初日の台風よりはマシなので、天気予報さえ気にならない。どうせ私の向かう先々は晴れるんだ。

情報に溢れた日常というのは、脳内で高速処理しているつもりでも、いつの間にかそれに追われ支配され、真実真理からは遠ざかってゆく。土を越え水を渡り、追い風も向い風も味方につけ、火で米を炊く。それだけの日々が欲しかった。ようやく、自分を少しだけ取り戻してきている。旅はさらに北西に進み、風間浦村の下風呂温泉には未成線のアーチ橋を整備した遊歩道がある。良さげな温泉街だけど、今日はもうちょっと走る距離があるんだ。津軽海峡の向こうには、うっすらと亀田半島の山々が浮かぶ。

大間町に入り、町道がカーブしたところに大間崎と土産物屋街がある。既訪だしちゃっちゃと写真を撮って怪しいマグロ串を食って、大間港へ。一番好きな朝ドラ「私の青空」のロケ地であり、函館との間をフェリーが行き来する。ちくしょー、北海道に行きたかったな。帰りの北斗星が取れなかったので諦めてしまったんだ。

Sai大間温泉に入り、買い出しは3日連続となってしまったマエダストア。かつて走った海沿いの道は原発建設のため潰され、迂回する新道を南へ進む。ホントに町のど真ん中に建ててるんだな。もう政党のポスターさえ見られない町。マグロだけではやっていけない葛藤と疲弊が垣間見える気がした。

佐井村でテント設営。予定していたランはここで終了し、明日から自由行動だ。もともと自由だけど…。とりあえず高速船で仏ヶ浦を見ながら青森市に戻ろう。それから八甲田山へ向かう? もう膝が痛くなってきたので輪行でいっそ北三陸へ飛び、ミーハーなロケ地巡りでもする?

8/11分 陸奥湾アトム

Kanitaごうごうとした風に飛ばされそうなテントを体で支える、寝苦しい夜だった。朝…風が和らぎ、太陽も顔を出す。もう大丈夫だ。がびがびのチェーンに注油してさぁ出撃。蟹田駅前の街路樹は昨夜の台風で根本から倒れていた。

陸奥湾沿いに、まずは青森市へ南下。向い風が残るけどしょうがない。対岸には下北半島や夏泊半島が見える。青函連絡船の時代に思いを馳せつつ青森ベイブリッジを渡ると、針路は北東へ。浅虫温泉のゆ〜さ浅虫に入り、展望風呂からは対岸に津軽半島の山々を望む。昼食もここで、Bグルメの牛バラ焼定食を頂く。スキヤキだー。

Natsu本日のメインは陸奥湾の真ん中に突き出た夏泊半島。大動脈の国道4号を離れ、田舎の漁村をつないで行く。こんな道を走っている今が嬉しい。夏泊崎から大島へ細い橋が架かっていて、西寄りに変わった強い風に気を付けながら歩いて渡る。さらに草むらの路を進めば丘の灯台に出るらしいが、他に行く人もいないし、風と時間を気にして引き返してしまった。100円のホタテ串を2本おいしく食べて、半島の東側へ。対岸の下北半島には夥しい風力発電所群が霞んで見える。さすが電源半島の趣。

野辺地から北は昔走った道なので、今回はJR大湊線を利用する。快速のキハ100形2両編成は混んでいて、ランドナーの輪行袋は比較的コンパクトとは言え、ちょっと申し訳ない気分。最果ての大湊駅で降り、またマエダストアで買い出しして設営地探し。高台の公園に着いたところで俄か雨が降ってきたので、東屋に逃げ込む。ここでいいや。

米を炊く時ガソリンコンロのポンピング棒がすっぽ抜けてピンチに陥る。だから陸奥で火遊びしちゃいけないんだ? 落ち着いて分解したら直ったけど。あとは、未だに定まらない体調が旅の課題。

8/9-10分 ほんまや、三厩

何もできないから、何もしなくていい。北海道&東日本パスという18きっぷに似た乗車券でのJR鈍行旅。廃人的な長距離輪行が松本から長野、新潟、庄内、秋田方面へ続く。期限は一週間。日常から離れる旅本来の雰囲気を蘇らせるため、ケータイの類はまた家に置いてきた。

盲腸線の男鹿線まで無駄に往復しつつ、追分で駅寝。俺みたいな人間が近付かないように、待合室のベンチは手すり付きになっている。始めは座って眠ろうとしたが苦しいので、床に銀マットを敷いて横になる。明日の天気以前に、無事に朝を迎えられるのか不安いっぱい。

…無事に8月10日が始まった。体調管理が甘くて少し喉が痛いのだけど。始発で新青森へ向かい、ハイブリットトレインの快速リゾートあすなろ龍飛1号に乗り換える。こんな日は客数少なく、サービスの三味線ライブもちょっと寂しい。

339という訳でやって来ました津軽線最果ての駅、三厩(みんまや)。頭の中はすっかり「雲のむこう、約束の場所」のBGMなんだけど、本降りの雨、どうしたらいいものか。こんな日にマラソン大会やってやがるし、負けるわけにはいかないな。

こんな日、こんな日…。そう、台風が絶賛接近中で風雨がキツいのだ。今年晴れ男の自分だが、台風には勝てなんだ。とにかく序盤は追い風に乗って北西の果てに向かう。岬が近づくにつれ突風になる。行き止まりになり、端島に渡ってみるも物凄い横殴りで潮ももろに浴びる。

それでも国道339号の「階段国道」は登らなくちゃな。スロープがあるので担ぎはあまり必要なく362段、標高差70mを押し上げた。灯台付近もモーレツな風で、最果ての景観はもうたくさん。階段とは別の戻り道を行くが、切り通しの部分はまっすぐ進めず何度も吹っ飛ばされそうになり、乗車は断念。時間は掛かるけど押し歩きで進む。

Takanoあじさいロードまで来れば一安心。向い風が強いけど、道の左右にせり出す青や紫のあじさいがキレイで和む。徐々に高度を下げ、三厩駅に戻る。ここからさらに松前街道を東へ進む。高野崎を過ぎると海岸沿いは本格的に向い風が強烈になり、「自転車は旧道を」という定石を破って内陸側の平舘バイパスでしのぐ。バイパスが終わればまた酷い風雨。まさに台風の中を突き進んでいる。こういう困難な旅ほど、後年記憶に残るものだ。らくらく観光旅行の、いかに印象が薄いことか。

蟹田町内のマエダストアで買い出しして、近くの公園に逃げ込む。何とか風を半分くらいしのげる場所を見付け、そこで炊事、設営を敢行。こんな悲惨なキャンプ今まであったっけ? あ、群馬遭難の時に比べればマシか。一応人里にいる以上、サバイバル感を楽しむ余裕はあるんだ。しかし一体いま台風はどこらへんを進んでいるのか、情報源がまったくない。

(お盆休みツーリング分のブログは多分一日おきくらいに更新していきます。)

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