テントを畳んでいると対岸の能登島から赤い太陽が昇る。今日も良い天気、さあ南へ出撃だ。
奥能登一周は果たしたが、過去に走った道と繋げて日本のスケールを実感したい。それだけのために羽咋経由で金沢へ急行する。向い風なので海岸の自転車道は避けるが、国道も上下にうねるうえ信号があるので体力を奪われる。
こうして金沢市街に突入。しかし兼六園などはスルーし、東に進路変更して塩硝街道を登っていく。やって来ました湯乃鷺、もとい湯涌温泉。喜翆坂まじキッツイ。あの廃プール実在したんだ…おっとっと、白鷺の湯に入浴して着替え一新。
氷室まんじゅうを食ってもうひと登り、名無しの峠を越えると富山県に入る。刀利ダム湖越しに望む白山山系はヨーロッパアルプスの風景を少し丸くした感じで、穴場的な佳景だった。
あとは下り坂をしゃかりきに漕ぎ、城端線の福光駅に到着。13:23発、大糸線経由で帰るなら最終となる列車にぎりぎり間に合わせた。急ぎ脚だったけれど存分に走れて観光要所も押さえた、大満足のサイクリングだった。一日目26km、二日目178km、三日目113km。よく心臓が持ってくれた。
夜に無事帰松。明日はフライシートなどいろいろ干しましょ。
朝6時過ぎに輪島をスタート。のはずが朝市もうやっていて、歩いて回る。漆器とか野菜とかカニカニカニカニ…買ったのは草餅だけだったが。
海のキレイさに感心しながら北東へ走ると千枚田。海崖の棚田は手作業の田植えが始まっている。曽々木海岸には車道トンネルの脇にせっぷんとんねるという遊歩道があって、さらに進むと急な岩場が連続。チャリを担いで挑戦してみたけど、足場が不安定だしこんなところで遭難したくない。チキンもとい勇気ある撤退をする。
こうしていつもの私らしく遅れがぐだぐだ拡大していき、大谷川の鯉のぼりまつりを見物してるうちにロードの集団に追い越される。まぁ平地じゃ絶対に敵わない。けれど能登半島は決して平坦な道のりではなかった。登り坂になるとつい馬鹿になって抜き返してしまう。聞けば福井石川富山3県によるチームとのこと。いいなあ。
こうして回復運転しつつ最突端の禄剛埼(ろっこうざき)に到達。白い灯台があったりして、日本海側にはよくある観光地? おからドーナツやおからコロッケ、豆乳ソフトクリームを食って昼メシとする。
須須神社をお参りして内能登に回ると、能登線さいはての駅だった蛸島。8年前、ここから宇出津(うしつ)まで30km近く夜通し歩いたっけ。もう少し進んだ廃線上に、えっ何で、のと鉄道の気動車が一両ぽつんと置き去りになってるの? あまり人が来ないような中途半端な所。古い塗装が錆びた痛々しい姿に、うわー…ってなる。レールはもうずたずたに寸断されてて動かしようがないし、ここで年々朽ち果ててゆくのだろう。
富山湾越しに北アルプスを遠望しながら軍艦島、恋路海岸を経て、ちょっと遠回りな九十九湾(つくもわん)経由で宇出津へ。あとは国道をひた走って昨日の出発点、穴水に帰ってくる。でももう少し進むよ。
西岸駅にある「ゆのさぎ」駅名標で記念撮影。ツインブリッジで能登島に渡り、能登島大橋で本州に戻ると和倉温泉に到着する。もう夜の7時、距離は知らないが思う存分走った。総湯で汗を流し、適当な公園でキャンプ2泊目。
GW後半こそ旅に出たい。
岐阜・福井県境の峠がいいなと思って調べてみたら、まだ冬期通行止だった。それなら木曽から長峰峠に登るか、もしくは飯田から秋葉山に上るか、はたまたビワイチか…。
前日の夕方になってようやく決断。積年の課題だった能登を走ることにしよう。半島を丸々一周するほどの日程は確保してないが。
という訳で、松本から輪行で大糸線・北陸本線・七尾線と鈍行に揺られてゆく。いつものJR西日本らしく遅れがぐだぐだ拡大していき、のと鉄道は目当ての列車に乗り継げなかった。一本あとだと永井豪バージョンの痛電に、カワルワヨ。マジンガーZの絵に向かって「乗りたかったのはコレジャナイ!」と言うのは失礼か。途中の西岸駅ではアニメ風のセーラー服を着た男が数人徘徊していた。
さいはての穴水駅に夕方到着。自転車を組み立て、廃線沿いの快走路を一時間走ると外能登の輪島に着く。自炊用具なしの簡易キャンプで、波の音を聞きながら袖ヶ浜に設営。このテントが私のHOME SWEET HOME。
明日は思う存分走り倒すぞ。
昨日は田溝池〜浅間温泉13kmのジョギング。
今日は自転車で桜清水坂を登る。ここも現時点での実力を測っておきたいところ。斜度15%が延々と続くショック療法にはもってこいの激坂で、タイムアタック区間35分56秒。今はこんなもんだなぁ。それより一昨日の美ヶ原は楽しさより辛さが勝ったが、今日は登り終えて思わず「気持ち良かった〜」と口にするほど、坂馬鹿ダマシイが復活してきた。
三城牧場からカオス坂〜よもぎこば林道アザレアラインで扉峠まで足を延ばす。もしかして昨日霧ヶ峰で発生した大規模山火事の跡が見られるんじゃないかと思ったが、この角度からだと分からなかった。
県道67号の狭い急坂を下りて、扉温泉経由で帰る。入山辺地区は祭りの最中らしく、集落ごとの垂れ幕や、舟の形をした山車を見掛けた。
一旦帰宅してしまうと物凄くダルいが、夕方は美ヶ原温泉へ10kmのジョギングに出る。これで4月も200km達成。来月から激減するけど。
長野マラソンで撮った動画の編集をするという建前もあって松本に篭っていたのに、作業はほとんど進まなかった。でも四連休は旅に行きたい。行けるかな。
雪の長野マラソンを走り終えて、体を冷やしたのがマズかったか精根が尽き果てたか、走らない日々が続いた。毎年こんなもんだっけ? ようやく体調が安定してきたので、もう一つの大目標「ツールド美ヶ原」に向けて自転車でタイムアタックに出かける。
まるで力が出ない。本格的な登坂は昨年9月以来だから脚がびっくりしているし、筋トレを全くやっていなかったから引き腕が使えず、腹筋背筋が弱くてすぐ腰が痛くなる。まだ桜が咲いている美鈴湖から少し持ち直したと思ったが、集中力も今ひとつで前を向けなくなる。武石峠からお腹が空き、ヘロヘロになって美ヶ原駐車場にゴール。1時間39分12秒と、自己ベストを狙うどころじゃないタイムで終えた。
だから、面白い。少しの補給食を食べ、ハンガーノックにならないうちに残雪の美ヶ原から引き返す。クマザサってこんなに黄色く枯れるもんだっけ?と心配しつつ。
手が異様に疲れているし雪解け水で路面が滑りやすいから、下山は慎重に。去年自転車死亡事故があったカーブには花が供えられていて、手を合わせる余裕は無かったが、気持ちだけは引き締める。
本来の趣味である自転車ツーリングに出る予定だった三連休、結局こうして松本でじっとしている。
天気のよさ気な有休の日、チャリで松本から北へ向かう。しかし刻一刻と酷くなっていく向かい風で、後々の行程を諦めながら明科、池田、大町を過ぎる。まだ営業しているスキー場を左に見つつ白馬に入ると、姫川沿いに下り基調。それでも遅々として進まない。小谷からは小雨模様となり、サイクリストの命を飲み込む恐怖のトンネル・洞門地帯も有り難かったりする。新潟県へ。
建設中の新幹線高架をくぐると、海だー!糸魚川は「松本の海」などと言われるが、自転車だとかくも苦労する。
ここから日本海沿いに東へのびる久比岐自転車道を走る。グランフォンド糸魚川にも使われる素晴らしい道だ。道の駅名立の風呂に入るともうすっかり夜。あまり無理をしたくない時期だし、今の自分に200km級の長距離を走る力はない。直江津で終わりにしよう。
この赤ランドナーになって初めての輪行。手間取りながらも電車に載せ、長岡で下車し組み立て。友人HA宅に泊まる。
松本市冬季最大の祭典「飴市」で福引きをするも当たらず。そのまま南に向かってペダルを漕ぐ。奈良井川沿いの不完全な自転車道を継ぎ接ぐようにして、もう通勤より遠い所に来ただろうか。そう、9月の事故以来初めてサイクリングらしいサイクリングに出たのだ。
洗馬付近から観音寺隧道を抜け、沓沢湖周遊路へ。塩尻市最強の心霊スポット地帯らしいが、単に人があまり来ない所という風情だ。ここから小曽部川を遡るように走る。最後の集落となる奥平(おいでら)を過ぎ、小さな浄水場から先は圧雪路となった。まだ鎖骨の接合が弱く、絶対に転べない身体とあっては無理しない。ここまでで引き返す。
松本市に戻り、今井の法輪寺で厄除大祭をやっているのでお参りしていく。具沢山のけんちん汁とノンアルコールの甘酒を振舞ってくれるのが嬉しい。昨日も女鳥羽の大安楽寺にお参りしたし、これで市内の厄除けで儲けてる寺社はコンプリートした筈だ。
近くにある道の駅で玄米や野菜を買い込み、軽くハンガーノックになりつつ帰宅。距離58km、獲得標高差400mくらい。とりあえずこんなもんだ。一度は失われたサイクリングの楽しさを、少しずつ取り戻していこう。心のリハビリはまだ始まったばっかりだ!
夜中はやっぱり冷えたので、寝袋があって良かった。朝6時半に嬬恋村大笹をずらかる。今日こそは、5月のツーリングで山を抜けられず電車で帰ることになってしまった、幻の二日目を実現しよう。
国道144号を西へ走ると、右に四阿山の植林が美しい。左折して県道94号、鹿沢温泉を抜ける。さほどキツい箇所はなく、長野県境の地蔵峠1732mに着いた。ここから素直に下りず、湯の丸林道を東へ。舗装の登坂がまだまだ続き、標高2061mが最高地点。池の平湿原越しに八ヶ岳と、見え隠れする富士山が美しい。ここから道はダートの下り坂になり、車坂峠1973mに突き当たる。佐久平の俯瞰は、もうただただ素晴らしいの一言。
さよなら群馬県。チェリーパークラインで長野県側に下山する。自転車ヒルクライムの名所で、この急坂を登ってくる人もちらほら。いつか自分も登ってみたいな。ツルヤ(スーパーマーケット)本社に隣接する小諸東店で昼食にする。ツルヤマニアの聖地?
小諸は男はつらいよ等の聖地でもあるが、懐古園の再巡礼はまたの機会にして、西浦ダムを渡って千曲川左岸へ。布引観音をお参りする。これがちょっとした登山となり、残存体力に不安を覚える。石像がたくさんあり、その顔に子供たちがこわいーこわいー言ってる。昼間っから肝試しの様相か。
立科町へ南下し、中山道芦田宿から松並木を経て笠取峠900mを越える。長久保宿、和田宿も通り、心臓の負担にきゅうきゅうとしつつ標高1510m、和田峠(旧和田トンネル)を越える。下諏訪宿まで降りれば、これでようやく中山道の県内区間はコンプリートしたことになる。
旅の目的としては終了。ここで輪行するのもアリだと思ったが、あした丸一日休めるし、もうちょっと無理をしよう。夕闇迫る中、塩尻峠1012mを越える。こうして北信地方から始まった旅は、群馬県吾妻地方を経て東信・南信・中信とぐるり回り、ナイトランに突入した18時40分に自宅到着。距離や標高差は未計算だが、掛かった時間からしてもベリーハードな旅程だったと思う。何にせよ無事これ名馬。
松本から長野まで輪行し、8時45分スタート。須坂で買い出しをして高山村へ。痛恨の失敗に終わった5月のサイクリング、そのリベンジに来たのだ。
ここから趣向を変え、舗装の県道ではなくジャリジャリダートの林道湯沢線を登る。ホイルスピンで何度も足を付き、単調なのに気が抜けない作業のような、ランドナーには厳しい坂だった。でも会ったのはクルマ1台、オートバイ2台、小さい猪1匹くらいで、空気は美味しかったと思う。13時に標高1823mの群馬県境、毛無峠に到着。
峠一帯は強い風で時折霧雲が通り過ぎてゆき、あっという間に体はどん冷え。小串硫黄鉱山跡の先の、前の自転車が眠る谷に手を合わせてから昼食をとり、一旦引き返す。
上信スカイラインで群馬県入りを果たし、見晴らしポイントに寄る。両親孝行ドライブ中と思われる方がいて、小串鉱山の話題に。「あそこから大前に降りる道はありますかねー」と聞かれ「無いです!」と断言を返す。「もしかしてあの方?」…私の記事を読んでいたらしく、つまり遭難の事も良く知っていた。なんという偶然、嬉しくなっちゃうね。
間もなく硫黄の香りが漂ってくる。万座温泉に入れるまんざ生涯なかなか無いチャンスだから、豊国館の露天風呂に入浴。見た目はただの白い湯だが、これが深くて気持ちいい。このまま泊まっていきたいくらい。
万座ハイウェーを下りられれば楽だが、自転車は通行不可。先週あたりヒルクライムレースをやってみたらしいし、少しずつ良くなっていくのかな。ともかく白根山の鞍部までもうひと登り。散策する時間はなく、霧の中を豪快に下りて、草津温泉もスルー。昔いっぺん来たし…。
毛無峠からだいぶ迂回した形で嬬恋村大前に到着し、リベンジを果たした。今度こそ、手元に自転車がある。公園にテントを張り、今回は昨日買ったばかりのダウン寝袋があるんだ。早速の活躍、と思ったら案外暑い。
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