土曜、新宿発8時ちょうどのあずさ5号で輪行。きっぷは長野県の松本まで買ってあるが、塩尻駅で途中下車する。カラクルSを組み、サイクルロゲイニングの調査ランに出撃。予想外にあれやこれやと面白そうな目標物が芋づる式に見つかり、うぅ…やっぱり時間が中途半端に足りない。適当に切り上げて松本駅まで急走し、また輪行。この頻繁な折り畳みワークが要るから今回はカラクルなのだ。乗鞍高原までの往復切符を買ってアルピコ交通上高地線(松本電鉄)に乗り込む。
松本在住の頃はジョギング帰りによく利用していた松電。昨年ハ月の豪雨で田川橋梁が破損し、このまま廃線とも云われたが今年六月に奇跡の復活を遂げた。この旅の最大目的がこれ、やっと乗りに来ることができて感無量。がんばえ鉄道、まけうな公共交通機関!
鉄道は新島々駅まで。乗鞍高原へは観光バスめいた路線バスに乗り継ぐんだけど、本日は自転車愛好者の利用が多いためバス輪行専用の増発便があり、そっちに案内される。(私の以外は)高額である“機材”に配慮して、床下トランクでなく座席に置いて良いとのこと。何ともシュールな光景、つーか全然儲からないぞこれ。アルピコ様ありがとうございます。
こうしてヒルクライムの受付に到着。37回目という歴史を誇る乗鞍も、大会名が「乗鞍ヒルクライム」に変更されてからは初開催だね。今回は疫病対策もあり、ゴール行きの荷物を当日早朝ではなく前日に預けておくシステム。その分どうしても総荷物が増えるので、輪行組にはちと辛い。でもしっかり補給食や防寒着などを用意して入れておく。安全面でヘルメットより大事なことだ。
一時の雨は止んだが、路面は当面ウエット。泥除けを外してきてしまったチャリで宿までどう下りるか悩ましかったが、たまたま同宿のIさんに会いクルマに同乗させて頂いた。民宿「寿家」さん、今年も世話になる。一昨年、昨年とも大会が無く数名ずつしか来なかった。今年は約二十名が集まり、もう賑やか! 賑やか過ぎるのもほどほどに…。
カラクルシリーズを製造してるテック・ワン社のHさんに、私のカラクルSの調子を直接診て頂けたのも好運。整備や輪行のコツ、目から鱗が落ちる。
温泉に食事、酒、就寝。
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日曜の早朝、時折ザーッと雨が降る。裏庭の蕎麦畑で雲の様子をじっと眺める。山の端が見えたり隠れたり。こんな景色も、コンクリートジャングル住まいの今となっては実際愛おしい。
そう、昨日のうちにゴール行き荷物を預けてあるので、大まかに指定された時刻前まで宿でのんびりしていられるのだ。・・・よっしゃ止んだわ。ゆっくり25分ほどかけて登り、スタート会場に8時前到着。試供品のアミノバイタルを頂いたら適当にスタート地点へ移動し、Gさんに写真を撮ってもらう。チャージ3回(3年ぶり開催)、フリーエントリー(スタートタイミング自由)、ノーオプション(どノーマルのカラクルS)バトルが始まる。
身体が暖まっているうちにスタートを切れたのも良い。脚も自転車も絶好調~! チャリがランドナーに比べて3kg軽くなったぶん、体重増で相殺しているから大丈夫だ。そう、ヒルクライムのトレーニングなんてほぼやってないのに調子に乗りすぎた…。第1チェックポイント通過が約24分で、やや遅いながらまだ希望がある数字。さあ巻き返すぞと、気持ちだけは意気込むものの脚が全然付いてこない。呼吸が少し休めと指示している。
大勢と抜きつ抜かれつの攻防は最高に楽しい、本当に久々な感覚だ。フラットペダルで引き脚が使えないのは明らかに不利だが、やはり脚腰がなっとらん。呑気でおめでたい顔してる太陽が差し高揚するも、第2チェックポイント1時間1分半と落ち込む。苦しいけどここから少しでも気を抜けば、あっという間に1:30'をもオーバーしてしまうぞ。沿道に赤い実叫ぶナナカマド。ハイマツの向こうに剣ヶ峰がどーんと登場し、相変わらず気持ちだけはハイだ。
ラストスパートも続かないほどへろへろになりつつフィニッシュ。だが「一分一秒でも速く!」ともがく90分間は人生なかなか無い一瞬のきらめきだ。面識の無い周囲の人々と健闘を称えあったり、自転車談義をしたり・・・みんなこの日を待っていたんだなあ。しかし標高2700mの風が冷たい、早く荷物を受け取って着込まないと。ぼちぼち同宿の仲間も集まってくる。例年は富士見岳まで歩いて往復したりするが、今回はだらだらしちゃった。こんな時間も貴重だ。おや、NHKチャリダーのロケもやってるわ。
下山は品行方正に。だが前が詰まっている状況で無意味な割り込みを仕掛けてくるガキには体当たりをかます。お前がマッポーを望むなら、生き残るのはこの俺だ。さてスタート会場に戻ってもリザルトのQRコードがあるだけ。素直に読み取って確認すると、1時間27分28秒とのこと。こりゃ自己ワーストだわ。
帰りのバス時刻が迫り、寿家に戻りばたばたと風呂、昼食。だがKさんがクルマで新島々駅まで送ってくれると言う。乗り継ぎをミスるとあずさ券がパァになるところだったので、これは有り難い。幹事のMさんをはじめ、ずいぶん多くの方に世話になった。これを良い循環にするのがいずれ私の役目になろう。
おかげさまで新島々駅で予定より一本早い電車に乗れた。このオレンジ塗装が豪雨災害による不通の十ヶ月間、ずっと松本駅西端のホームに取り残され、そのまま廃車になったはずの「モハ10形リバイバルカラー編成」。別編成が落雷被害に遭うという事情で廃車一転、今日から復活運転されている。その定期運用第一便という訳。
松本駅前クリエでコーヒーとケーキを頂く。これも松本在住時代はまずしなかった、余所者だからできる行動か。「今までで一番楽しかった乗鞍」。でも一抹の悔しさを胸に、土産を買ってあずさに乗る。暑かったはずの東京に、もう秋の風が吹いている。
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むらよしギムナシオン(参戦記)サイトには去年10月の信州サイクルロゲイニング安曇野Stage運営参加記をアップ。そろそろ次の発表をしたい。
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