3/28 木崎湖畔冬景色
とめどない鼻水こそ止まったが、頭痛が残る土曜の朝。まだ回復途上の体調で、無理すべきではない。しかし予定通りアミノバイタルプロ等の装備、寒冷対応のウェアで午前10時にジョギングに出発。目指すは安曇野のはるか北方に霞む大町市、さらにその向こうの木崎湖だ。そういえば自転車レースのMt.富士ヒルクライムの参加抽選に落ちたんだった。その悔しさをバネに富士ウルトラマラソンへの思いと、今日は木崎湖へ駆ける思いが加速してゆく。ズタボロの体調でスピードは出ないが。
安曇野の御宝田を経由し、道の駅池田で最初の休憩。ローソンで薄皮つぶあんぱんを買い食いする。それにしても最近の寒気の居座りっぷりはなんなのだろうか。進むにつれて北風が厳しく、膝にダメージを受ける。
ひたすら長い直線路が続く県道51号線を走破し、大町市街に入城。さらに北へ進めばやがてゆ〜ぷる木崎湖の緑屋根が見えてくる。松本盆地の北端に行き着いたのだ。チャリでここまで往復しても相当な運動になるものだが、とうとうジョギングで来てしまった。しかし喜びよりは帰路への不安でいっぱいだった。
とりあえず木崎湖を左回りに一周。ここまで来ると完全に冬景色で、一部雪の上も走らなければならなかった。それにしても良い景色と酷い北風だ。一周を終え、ローソンで二度目の休憩。おにぎりとまるごとバナナを買い食いする。
さあ帰路だ。追い風と下り坂に押されるつもりが、もうさっぱり脚が進まない。ふらふらと信濃大町駅まで戻り、「もう走行50kmは越えているし、悪い体調でここまで生きて来られただけでも良しとしよう」と葛藤する。「電車賃ぐらいは持ってきてあるし」と脚を止め悩む。その末、選んだのは死の自走であった。本番一ヶ月前の超長距離練習をこなすのは今日しかチャンスがないんだ。ペースこそ目標を大幅に下回っているが、長い時間走ることにも意義があるだろう。“人より努力すること”の意味はいっぺん痛い目に遭わないと分からない。
黒部に沈む太陽。往路とほぼ同じ道で池田まで走行し、ローソンで三度目の休憩はスパゲティーミートソース。すっかりコンビニグルメの旅になっている。なぜかローソンばっかり。
ラスト4分の1。県道51号を明科まで突き当たって、国道19号に乗る。並走するJR線で言えばあと2駅だけど、これが長い。脚の節々が警告を発し、呼吸器系まで言うことを聞かない。信号で一旦止まると、歩くのもやっとの脚をまた走っている状態まで持ってくのに気が飛びそうな程の精神力が要る。もうとっくにライフはゼロだ。一体どこまで走り続けることが出来るのか、その不安がストレスにもなった。
それでもだんだん馴染みの風景に変わっていき、あと三区間、あと二区間、と自分を励ます。いよいよ松本市街に入った所で夕食を作る気力も外食に出る気力も無いと悟ったので、またローソンに寄りおにぎりと菓子パンとからあげクンを買って行く。最後に深志ヶ丘の坂を何とか登り、出発から10時間41分で自宅にゴール。アパートxxx号室のドアを、「本当に走って戻って来られたんだ」としみじみ眺めてしまう。距離計測は87.3km。もちろんトレーニングとしては最長記録を大幅に更新。コンビニ休憩が計1時間あったとは言えこの距離を10時間オーバーとはちょっとショックだが、明日はとにかく体調回復に努めたい。
あと、三月の月間記録が363.5kmと、生涯破らないでいたつもりの去年三月を上回った。でもねーという気分だが。
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