出撃が正午になってしまった。充分な厚着をして、チャリで400mアップの塩尻峠を攻める。峠の標高(1000m)でも気温表示は6度と、今日はかなり暖かい。ここから諏訪盆地を一望すると、この冬の厳寒で全面氷結したはずの諏訪湖は、半分融けている様子だ。これでは「お神渡り」は見られないかもしれない。地球温暖化の折、なかなか発生するもんじゃないのだ。もっと早い時期にやる気を出して来るべきだったかと後悔しつつ、湖面まで降りてみる。
諏訪湖の水が天竜川に注ぐ釜口水門の公園。長らく行方不明だった子供が浮かんできて半月が経った。暮れゆく週末を惜しむ人々で、和やかな雰囲気。もう花とか供えられてないのかな、と思ったら、足下の段差にずらっと並んでてびっくりした。軽く手を合わせる。ここからドロボウ回りで諏訪湖一周ポタリングモードに入る。
湖岸にはまだ分厚い氷が残っている。上を歩けそうな気もするが、パトロールカーが「湖上は歩かないで下さい」と言って回っている。動物の足跡ばかりが、羨ましい。さらに進むとカメラを持った人だかりが。そこにはプチ「お神渡り」が残っていたのだ。確かに氷がせり上がっている。よかったよかった。
塩天丼という、てんやをほんの少し高級にしたような店で遅い昼食をとり、帰路を急ぐ。早くしないと日が暮れてしまう。と、その時である。誰かのケータイが落ちてやがる。プリクラだらけで、大きめのマスコットストラップが付いている。んなこたどうでもいい。大変だ、お巡りさんに届けないと。あてもなく交番探しの旅に出るが、次々に着信するし焦る。俺はドロボウじゃない。ほどなく下諏訪交番が見つかったので、手続きを取る。とはいえお礼とか貰えるもんでもないし、こちらの個人情報はナシにした。
黄昏の湖の片隅に、白鳥が群がっている。諏訪湖の語源はスワンレイクなのかな。んなわけあるかい。釜口水門まで戻って一周を完了させ、250mアップの塩尻峠を越えたら、もう暗くなってしまった。ダイナモランプを焚いて帰宅する。
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